昨日の掛川めぐりでは、地域を巡る途中で市役所の福祉担当施設を訪問しました。
そこには掛川時代の友人がいるので、私の高齢者福祉に関する考え方をプロの目から見てどう考えるのか意見を聞いてみたかったのです。
その私の考え方とは、以前から時々述べている「明るい老老介護」のこと。
そろそろ高齢期に差し掛かるような前期高齢者あたりが、介護を必要とする後期高齢者をお世話をして、自分が動ける間は介護の仕事に導くという社会システムができないだろうか、という考えです。
その意義を整理すると、
(1) 補助的収入の手段としての労働
(2) 社会的役割(稼ぎ/務め)の継続
(3) 自分自身の心身の健康のための社会参加
→ちなみに、社会活動に参加した人は健康状態が良い
(内閣府令和3年度「高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査」)
(4) 被介護老人にならないために事前に学ぶ効果
(5) 若者にはもっと次代を担う他の職場・職種に移ってもらうための補助的労働力という役割
…と言ったことが考えられるのではないかということです。
こういうことは口で言うのは簡単ですが、なかなかそれを「いいじゃないか、やろう」という市民は現れにくいものです。
しかし、掛川ではできるのではないか、と思うのは、掛川が「生涯学習の町」であり、他に譲るという「報徳の町」であるからです。
とはいえ、生涯学習と報徳をまちづくりに位置付けていた榛村さんが掛川市政を離れてからもう20年が経とうとしていて、その榛村さんも鬼籍に入られた今、もう若い人はそういうことを忘れてしまっているかもしれません。
しかしいよいよ高齢者になろうとする私のような世代のなかには、リアルな体験をして生涯学習と報徳で鍛えられた市民が多く、そういう人たちの琴線に触れるようなことがありは市内だろうか、と思うのです。
そうした気持ちを、福祉担当の友人の周辺の若い保健士さんたちにも聞いてもらいました。
すると反応としては、「介護には若い人が来てくれなければ困る、とばかり思っていたので、お年寄りにやってもらうという発想はありませんでした」という声がありました。
また話の中で、「例えばシルバー人材センターのお年寄りに介護でのお仕事を依頼するというようなことはないのだろうか」ということが話題になりました。
「シルバー人材センターかあ、どうなんだろうね」と言っていると、なんと当日私の移動を助けて車移動のドライバーを務めてくれていた友人が、「実は私、シルバー人材センターの関係者なんです」と言い出しました。
こういう話題になると思って連れてきたわけではなかったので、その偶然に一同大笑い。
ただそのうえで、実際にシルバー人材センターの人たちのお仕事になるかどうかはまだまだ未知数とのこと。
「シルバーさんのお仕事って、草刈りと駐車場整理だけかと思っていました」という若い人たち。
「新しいニーズをどんどん取り入れてくれればいいですし、やはり市民活動でそこへ導いて行くような取り組みを掛川ならばやってほしいなあ」
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考えてみれば、若い人たちにはまだ「老いる」ということがどういうことかわからないので、そこに至った人たちの心情を推し量るのも難しいようです。
老人政策は老人が作った方が現実的なアイディアが出るのかもしれません。
結局のところ、これからの世の中は少子化もあって働き手/担い手が不足する中、元気なお年寄りにはまだまだ社会の求めるようなお務めを果たしてほしいというものです。
若い人たちとお話ができたのも楽しい時間でした。
さてさてアイディアは実るのかな。