北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

繋がりの時代、地域はどことどうやって繋がる?

2017-08-19 23:20:02 | Weblog

 

 東京の友人から久しぶりに電話が来て長電話になりました。

 最近面白かったこととして、彼は、「故郷で卒業した小学校が廃校になったのは知っていたのですが、懐かしくなって検索していたら、その校舎の新しい利活用方策を募集していたんです。思いが余って、地元の小学校時代の友人に電話をしてしまいました」という話を教えてくれました。

 彼はまちづくりのコンサルタントをしているので、ひょっとしたら良いアイディアが浮かぶかもしれません。

「それがね、廃校になる数年前に建て替えたばかりのまだ新しい建物でもったいないんです。それにその故郷って、海があって馬にも乗れて、とっても楽しいアクティビティが沢山あるんですよ」

 彼はしばし故郷と自分の幼い思い出に浸っていました。

 そこで彼が言うのは、「北海道って、地域に入り込んでみると都会じゃ考えられないような楽しいアクティビティに満ちているのに、都会の人がいざやりたくても、地元との接点やチャンネルがないから、簡単に入り込めないんですよ」という不満でした。

「うーん、わかるけれどどうしたら良いんですかね」

「地元に受け入れる体制や組織がないのと、あってもそれが都会と繋がっていないので、情報も届かないし、実際に行こうとしても迎え入れてくれる形ができないんじゃないでしょうか」
「ではそれをどうしろと」

「例えば、地元の観光協会やNPOや遊びのクラブなどがあらかじめ都会と繋がっていて、都会のクラブに入れば、そこと繋がれるみたいな、個人の繋がりをサポートする組織同士の繋がりがある、なんてのがないかなあ、と思うんです」

 
          ◆  


 高齢化社会になって、退職後も健康な期間と言うのは長くなります。それをどう自分の幸せな暮らしに生かしてゆくかを考えると、都会は便利だけれど、やはり魂の洗濯はできません。

 良い景色や自然に恵まれたところに、訪ねれば会ってくれる友達がいるという、心のふるさとがあると良いのではないでしょうか。

 自分でそれが作れる人は良いとして、そうでない人たちのために、どんなシステムがそれをサポートできるでしょうか。

 地方を元気にするきっかけになりませんかねえ。

 

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置かれたところで咲きなさい

2017-08-18 23:00:48 | Weblog

 

 今回、舗装関係で全道の会社の皆さんと意見交換をしてみると、「人が集まらない」というテーマが最も切実な悩みのようでした。

 そんななか、ひどいなあ、と思ったのが次のような話。

「うちに入りたいという子がいて、面接をしてみると実に良い子なので内心(内定確実だ)と思ったのですが、面接を終えた後でさらに話をしてみるとこう言うんです。『学校の先生からまずはこの会社へ入れてもらいなさい。そうしたらある程度年が経てば資格が取れる。その資格があれば次に公務員に中途採用してもらえるから』とね」

「ええ!本当ですか。資格を取ってステップアップのための足掛かりだと」
「はい。それで、まことに残念ですが、その子は諦めて採用しませんでした。いつか辞めてしまうことがはっきりしているのでは無理でした」

 その社長さんの悲しそうな顔が印象的でした。


          ◆ 


 ノートルダム清心学園の理事長でエッセイストだった渡辺和子さんは、数々の名言を残しています。

 30歳そこそこで修道会に入り、36歳でノートルダム清心女子大学の学長になってしまったときには、若さゆえ、また慣れない土地で巻かされた責任の重さに思いつめて、修道院を出ようとまで思ったそうです。

 そんなときに、ある宣教師が渡してくれた短い英語の詩の冒頭の一行、それが、「置かれたところで咲きなさい」という言葉で、その言葉に救われ、そして生まれ変わったのだそう。

 彼女は、「人生はいつもいつも第一志望ばかりを歩けるものではありません。そして必ずしも、第一志望の道を歩くことだけが、 自分にとって最良と言えないことだってあるのです」とも言っています。

 こういう人生の価値というのは、歳を取ると良くわかるのですが、そんなことを言っても時代は変わってしまったのでしょうか。

 こういうことを言うと、「ブラック企業にいたら死んじゃうよ」という声も聞こえてきそうです。

 難しい世の中になりました。
 

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消える魔球は水に弱い、ホタテの稚貝は揺れに弱い…?

2017-08-17 22:47:35 | Weblog

 

 道路の舗装が悪いと困る人がいるに違いない。

 そういう人たちを探して困っていることの背景事情を聞きだし、共に道路を良くする仲間になってもらおう、という活動を、舗装協会の協会ニュース紙面上で行っています。

 少し前に聞いた噂が、「オホーツク海に撒くホタテの稚貝は、日本海で生産されたものが運ばれてくるのだが、道路が悪くて運搬する車が揺れると稚貝の致死率があがるのではないか」というものでした。

 この真相を探るべく、羽幌の漁協関係者を探し当てて電話で聞いてみると、「うーん、こちらは送るだけですからね。どちらかというと受け取る側の問題じゃないでしょうか」とのこと。

「なるほど、そりゃそうだ」

 そこで今度はオホーツク側の猿払、浜頓別、枝幸の漁協関係者に連絡を取って、「道路が悪くて稚貝に影響を及ぼすなんてことがあるのでしょうか」と聞いてみました。

 しかし反応はあまり芳しいものではありません。

「そこまで稚貝の様子を見ることはなくて、運ばれて来たらもうすぐに船に乗せて海にばらまきますからね」
「そうですか…」

 ちょっとがっかりしていると、「でも確か余市の水産試験場で、ホタテの稚貝を揺らすと生きが下がるとか、死んでしまう、というような調査があったような気がしましたよ」と丁寧に教えてくれる方がいて、一筋の光明が!


 勇んで今度は余市の水産試験場に電話をして、「かくかくしかじか…、というわけでホタテを揺らすと死ぬ確率が高くなる、と調査がそちらでやられた、という話を聞いたのですが」と事情を説明しました。

 すると少し待たされてから、いかにも研究者と言う感じの声の方が出て来て、私の説明を聞いた後で言うことには、「ははあ、そういう調査でしたら実はこちらではなく函館の水産試験場での調査研究ですね」とのこと。

「ああ、そうでしたか」
「でも、その調査と言うのは、陸上ではなくて海の中の容器に入れて揺らした時の調査でしたから、そちらがお求めの、陸上輸送での状態ではありませんねえ」

 あー、残念。

 そんなわけで、引き続きホタテに限らず、揺れて困るような事例を探索中です。

 道路が悪いと困るという事は、多くの人が感じているものの、どうしようもないと諦めているか、それでも何とかする努力をして困らないようにしているのが現実です。

 道路が良くなればありがたい、という真逆の視点もあるかと思いますので、これからも道内を探索しまくります。

 ホタテの稚貝案件もまだまだ諦めたわけではありませんよ。

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嫌な奴とも折り合いをつけるのが成熟した社会なんだが

2017-08-16 23:28:59 | Weblog

 一生懸命原稿を2本書き上げて、関係者に「ちょっとご覧になってご意見ください」と一言添えてメールをしても、ほとんど誰からも返事がきません(笑)。

 世間はどうやらお盆休みの真っ最中のようです。

 
         ◆ 


 アメリカのバージニア州でで白人至上主義者の集会とそれに反対する人たちとの衝突で死者が出た、というニュースがありました。

 この話を聞いた時は、トランプ支持者とそれへの反対者のぶつかり合いなのかな、という印象でしたが、ネットにこの事件の背景が詳しく述べられている記事があって、感心しながら読みました。

【町山智浩 バージニア州白人至上主義者集会の衝突事件を語る】
 http://miyearnzzlabo.com/archives/44675

 こういうちょっと掘り下げた情報は、テレビではなかなかやらないし、新聞でもやってくれない。

 ネットには"フェイク・ニュース(嘘、デマ情報)"も多いけれど、その一方で、時間と空間の制約を超えて、こういう記事にたどり着くことができるネットの世界が広がるわけですな。

 記事の中にもありますが、もともとトランプ大統領は人種差別主義者ではないのに、今回は選挙に勝つために差別的な人たちの気持ちを利用した、というところが罪深いと思います。

 世界がまだ狭いうちは、その小さな世界を支配する支配者がいること社会はまあうまくいくのですが、世界が広がって、自分の支配が及ばないという事を知るようになると、いかにその他者とうまく付き合ってゆくべきか、ということを考え、それを果たすことで平和や安定的な日々の暮らしが実現できるようになります。

 そのために大事なことは、世の中には嫌いな奴もたくさんいるけれど、それらすべてを排除することはできない、ということを知ること。

 だから悟りを開いて自分を変えましょう(修己)、という仏教だったり、一方自分も変えながらそんな相手をいかにうまく相手にするかを説いた(治人)のが儒教だったりして、まあ東洋思想は歴史がある分、嫌な奴とうまくやらなきゃだめだよね、という思想がずいぶん昔から説かれています。

 それに比べてアメリカはまだ歴史が若い分、国の精神としては幼さが残る印象で、それでも一生懸命努力して、「やっぱり差別主義はだめだ」ということを共通認識にしようと努力している姿勢が垣間見えます。

 まあその理由の半分は道徳的・宗教的に真理だと思っているようですが、半分はその方が経済がうまくいくということのようにも思えますが。

 
          ◆ 


 で、わが日本も、礼節の整った東洋の辺境のユートピアのようにも思いますが、歴史的には国の行く末の方向性にしばしば間違いを犯しているし、それを見つめなきゃダメですよね、というのが、この記事。

≪【終戦の日】「日本が失敗するパターン」とは 歴史家・磯田道史さんと近現代史をひも解く≫
 http://www.huffingtonpost.jp/2017/08/14/michifumi-isoda-01_n_17754754.html

 

 対談相手の磯田道史さんは、今回「『司馬遼太郎』で学ぶ日本史」というご本を上梓されたとのことで、その内容に触れたものですが、日本人がうまくいくパターンと、失敗するパターンがあるという下りは興味深いポイントでした。

 やっぱり「国を挙げて感情的になったときは失敗する」というのが一つのパターンで、そういう意味でも、皆が熱くなっているときにはわざと反対のことを言ってみる勇気が必要かもしれません。

 山本七平さんは、そんなみんなが同じ方向へ向く雰囲気を「空気」と呼び、「空気に対抗するには水だ、水を差せ」と言っていました。

 つまりは、時分と反対の意見にも耳を傾ける余裕があれば大丈夫で、そういう余裕がなくなると危ないな、ということ。

 お盆で世間が静かな間はじっくり本でも読みたいところですが、まだ原稿が3本残っているしなあ。

 早く仕上げなくては。

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カルピス王子

2017-08-15 23:39:50 | Weblog

 今日は本当は夏休みの予定だったのですが、いろいろな原稿の締め切りが心配で出社してしまいました。

 休んでも良いのだけれど、成果だけは締め切りまでに上げなくてはならないという仕事は、時間が限られている以上、どうしてもそういうことがありますね。

 
          ◆  


 職場で、地元経済の月刊誌を読んでいた女性職員が、記事の中で紹介されていたある官庁のトップの方の写真を見て、「この方、先日うちに挨拶に来ましたよね!覚えてます」と声をあげました。

「私、カルピスを出したら喜んでくださって、『僕、これが大好きなんです』と言ってくれましたもの」

 我が職場には、結構いろいろな方が挨拶に来てくれるのですが、印象に残る人と印象に残らない人がいます。

 偉ぶるわけでもなく、声が大きいわけでもなく、本人は意識しているわけでもなく、ただ優しそうにしていても印象に残るというのは、魂が持っている何かが違うのでしょうか。

 件のお方は、我が職場では『カルピス王子』と呼ばれそうです(笑)

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江戸前ならぬ、蝦夷前のハゼが最高!

2017-08-14 23:49:40 | Weblog

 いつもの釣り仲間からお誘いがあって、小樽港の岸壁でハゼ釣りに集合しました。

 昨年参加した際は、小物選手権の様相になり、4センチほどのハゼしか釣れなかったのは苦い思い出の一つ。

 しかし今日は、全体に魚の活性が高く、下手な私でもそれなりの釣果があって、楽しい釣りになりました。

 同行の女性陣も、自分たちを初心者と言いながら、結構な数を釣り上げてベテランを脅かす存在に。

 ハゼもそろそろ大きくなりかける走りの時期で、たまに20センチ弱のサイズもかかりこれは食べごたえもありそうです。

 もちろん我が釣り集団は、現地で調達したハゼを天ぷらでいただくということを端から目論んで、油に天ぷら粉にバーナーの用意はもちろん、その道のベテランが岸壁の片隅でハゼの中骨をとって下拵えをするという、熟練の技の集まり。

 あっという間にその場で釣り上げた大ぶりのハゼの天ぷらができあがります。

『江戸前』という言葉がありますが、こちらは『蝦夷前』かな。こんな料理は築地でも食べられないでしょうねえ。

 ベテランの一人が、「同じ時を小樽観光で過ごしている人たちも多いだろうけれど、小樽って買い物や見物だけが魅力じゃないんだよねえ」と笑っています。

 女性陣の持参してくれたお握りとデザートで贅沢な海辺のランチ。

 皆さんお世話になりました。

          ◆ 


 さて、釣り上げた魚はお土産にして、家に帰ってから捌き、妻と一緒に天ぷらを楽しみました。

 今日の釣果を数えてみたら、ハゼが9匹、アブラコ(アイナメ)が2匹、黒頭(カレイ)が一匹というもの。

 私も見よう見まねでハゼと油子の中骨を取って天ぷらにし、黒頭は唐揚げでいただきました。

 いただいた命を全うして、夏休みらしい優雅な一日となりました。

 

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暦通りの裏側で

2017-08-13 23:19:07 | Weblog

 

 ずっとかかっている歯医者さんでの会話。

 この歯医者さんとはもう一年半ほど継続して治療が続いているので、すっかり仲が良くなってしまいました。

 先日は、インプラントの施術のためにお盆休みにも拘わらず、私だけのために医院をあけて治療をしてくれたのですが、二人だけという事もあって、世間話に花が咲きました。

 そこで、わが建設業界は若者の新規参入が少ないことで悩んでいるんです、というと、「それは歯科医も同じですよ」という反応が返ってきました。

 こちらの歯科医は、私を担当してくれている60代半ばの院長先生と30代始めの次女の歯科医の二人のほかに歯科衛生士さんが一人という布陣。

 会話の中で、歯科医が恵まれていないと思ったのは、大学を卒業して歯科医師の資格を取っても、企業や組織に就職と言う選択肢はほとんどなくて、その技術を生かそうと思うとほぼ開業するしかない、というのが現実だという事です。

 しかし次から次へと開業しても歯科医の数が増えると全体として経営は厳しくなる一方で、実に優勝劣敗の激しい業界のようです。


          ◆  

 
 それでこちらでは少し前に、二人いた歯科衛生士さんのうち一人が結婚をして妊娠。「産み月が近づいたら産休を取れるでしょうか」という問いかけに、内心は苦しいけれど最大限の配慮をして、それを認めましょう、ということにしたのだそう。

 ところが妊娠初期からつわりが激しくて、産休を取る以前に普段の勤務ができないということで、本人は「迷惑をかけたくないので辞めることにします」と言って、この歯科医を去っていきました。

 さあ、そうなると衛生士さんが足りない状態になったのですが、「これが募集をしても全然来てくれないんです」とのこと。

「どうしてなんでしょうね」
「やはり勤務条件の良いところはすぐに埋まるけれど、それに比べるとうちは勤務条件に魅力が足りないのかもしれません」

「勤務条件というと、具体的にはどんなことでしょう?」
「まず地下鉄駅から近いとか、残業が少ない、週休二日で給料が良い、というようなことでしょうね」

「なんだか、わが建設業界の話と実に似ています。でもこちらは水曜と日曜日という週休二日ですよね」
「やはり土日の連続休暇の方が魅力なんでしょうかね。うちは住宅地の中の歯科医なので、地域の人たちの利便を考えると、土曜日は診療に応じているなかでの週休二日です。
 ただ、ビルのテナントとして入っているような歯科医は、ビル管理の手前あまり遅くまで診療しないというところがあるのに対して、うちは夜八時までが診療時間です。おまけに、そこから掃除や後片付けなどに30分の残業があって、その分も給料としてはみているのですが、それも不満が大きいのかもしれません」

「建設業も、若い人たちは入ってくる人数が少なくて、おまけに入った後も休日への不満などで辞めてしまう人が多いのです」
「その気持ちが分からないわけではないけれど、それでは患者さんの利便を踏まえた歯科医院の経営がなりたたなくなりますからね。辞めていくようなスタッフの多くは、最後は自分にとっての条件だけが判断基準で、チームへの帰属意識というものを醸成するのが本当に難しいものです」

 
          ◆ 

 
 どこの世界も、組織の永続性と社会への貢献のバランスを職員が理解してくれていない、と嘆く経営者が実に多いようです。

 労働者を単純に週休二日にして労働条件を良くするという単純な流れではなく、暦通りに休める人たちがスムースに暮らせるためには、暦通りには休めない人たちの存在が必要で、それに報いるような社会全体のシステムが必要になりそうです。

 実に難しい時代になりました。

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日高の新冠町を旅して、ディマシオ美術館に感嘆する

2017-08-12 17:45:49 | Weblog

 8月9日から11日まで日高の新冠町で家族キャンプをしてきました。

 この間、ずっと日高地方は天候が不順で終始小雨が降ったり止んだりして、お天気としては残念でしたが、帰省している娘や孫たちとともに楽しい時間を過ごせました。

 新冠町へ向かう途中では、平取の義経神社へお参り。

 ここには1798年に、北方探検に赴いた幕府の役人であった近藤重蔵が贈った源義経の木像が安置されており、義経が衣川の合戦では死なずに蝦夷地へ逃げのびたという伝説に一役買っています。

 今回キャンプをした新冠町の判官舘公園にも、義経が海を渡ってここで上陸したという伝説があります。今回は義経さんにご縁があったのかも知れません。

 
          ◆   


 新冠町は、これまで通り過ぎることが多くてなかなか地域を巡ることはありませんでした。

 それが今回はここでキャンプをして、しかも雨だったために釣りをすることもないなあと思っていたところ、キャンプ場で「もしよかったらどうぞ」と新冠町を巡るスタンプラリーの台紙を渡されました。

 新冠町内の7カ所のポイントを巡って、スタンプを集めて賞品をゲットしてもらうという趣向ですが、ちょうど時間に余裕もあったので巡ってみることにしました。

 大概のポイントは海沿いの国道近くにあるのですが、たった一つだけ海から20数キロも内陸に入るポイントがあります。それが「太陽の森ディマシオ美術館」です。

 ここはフランスの現代美術家で幻想絵画の鬼才ジェラール・ディマシオの作品が飾られているのですが、一番の売りは、高さ9m×幅27mの世界最大の油彩画とされています。

「随分遠いところにあるねえ。昔の小学校の廃校を利用したのかな」と言いながらドライブしていくと、案の定こちらは旧太陽小学校を利用した美術館でした。

 館内にはかなり大きめの油彩やパステル画が沢山飾られています。

 絵そのものは、老人の皺まではっきりと描くようなデッサンがしっかりした高度な具象の技術が駆使され、幻想の世界をテーマにした、角の生えた人間や妖精のような空想の生き物が多く描かれています

 この美術館最大の売り物である世界最大の絵画は、体育館の長手方向の壁一面に飾られた巨大な絵で、宇宙の始まりであるビッグバンから生物の進化と無限の世界が描かれているようです。

 この絵には周囲の四面に絵と直角に鏡が張られていて、絵が上下左右に無限に広がるような仕掛けもあって、さらに巨大な空間と時の広がりが展開されています。

 規模も芸術性もなかなかなもので、見ごたえがある施設でした。

 国道から遠いのでおいそれと来るような施設ではないので、我々もスタンプラリーがあったればこそ来たようなものですが、そういう意味ではスタンプラリーの効果と言えるでしょう。

 
 そういう思い出をかみしめながら、今日の北海道新聞を見てみると、なんとまさにそのディマシオ美術館の片面広告が出ていました。

 子供たちの夏休みでも、大人たちもお盆休みでも、日高方面へ行くのならば巡ってみてはいかがでしょうか。

 売り文句のもう一つは、「パリにも東京にもない芸術が新冠町にある」ですが、看板に偽りはありません。


 

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今日から夏休み

2017-08-09 23:33:25 | Weblog

 今日から夏休み。

 日高方面でキャンプをしています。

 段々、楽ちんキャンプになってます。

 バーベキュー小屋での焼肉で、これも楽ちん。

 最高気温は22度で、涼しい日高。猛暑ってどこのことですか?

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大人になったら、意味のある飲み会に

2017-08-08 23:55:28 | Weblog

 

 個人的感心から関わっている、日本都市計画学会の幹事会がありました。

 北海道支部長で、北海道大学観光学高等研究センター教授の西山先生から、東京の本部での会議の様子が紹介されて、「この学会をそれぞれの支部でどのように活性化するかが課題だ」という話がありました。

 都市計画学会の会員は、2000年までは増加してきましたが、その後は減少傾向が続いています。

 「どのような魅力と地域への貢献が必要か」「都市計画学会に入っているメリットは何か」というテーマですが、西山先生とは地域に貢献した方が良い、という意見で一致しています。

 会合後終わった後で、「飲みに行きましょう」という提案をしたところ、西山先生、私、そしてもう一人の全部で3人。

 しかし少人数だからこそ濃密な会話もできるというものです。

 都市の崩壊を目の当たりにしてコンパクトシティづくりに舵を切ったアメリカの諸都市の話。

 そうしないと将来はないとわかっていてもできない日本の諸都市の話。

 地域を活性化させる観光の力と、その実績を国際貢献として外国の振興にも使えるという話。

 会合の後で飲みに行って、こんなに濃い話ができるということは、この学会に参加している最大のメリットの一つなんじゃないかな、と思わせてくれます。

 お酒が入っていることで、話はあちこちに飛びますが、そのどれもが珠玉の時間。

「いっそのこと、酔いどれシンポジウムで、お酒を飲みながら酔っ払い親父の好き勝手な語り合いでも企画したいですね」と言って、皆で笑いあいました。

 今日は随分ためになる話が聴けました。

 いい大人なら、身になる飲み会が勘で分かるようになるものですね。

  

 

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