北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

「推薦する本はなんですか」 ~ 「それなら二宮尊徳の本をお読みなさい」

2020-11-10 23:47:13 | Weblog

 

 天塩町二日目の今日も朝から研修講師。

 今日は将来の幹部候補となる中堅職員への研修です。

 昨日も今日も、講義の中に班編成のワークショップを取り入れました。

 昨日の管理職の皆さんへのテーマは「上司や同僚、町民から信頼されるために必要なことはなにか」というもので、信頼を得るための振る舞いについて問うものでした。

 そして今日の中堅職員へのテーマは「この地域の魅力を【見える化】して売り出し、あわよくばこの土地に人が来てくれるようにするためにはどのようなことをすべきか」というもので、地域の魅力や宝をどのように理解しているかを聞き出そうというものにしました。

 ワークショップのやり方として、他人の意見を批判せずまずは思ったとおりに数を書き出す、ということが大事なのですが、次から次にメモを書き出す人もいれば慎重になりすぎて数が書けない人もいて、ばらつきが出ました。

 外部の私は、天塩町の魅力としてまずは天塩川が思い浮かびます。
 
 そこでのカヌーやカヤック、釣りなどは日本でも指折りのポテンシャルを持っているはずです。

 また周辺も含めればサロベツ原野や酪農地帯の風景、海と利尻富士と夕焼けなどは魅力的に映ります。

 ところが実際にメンバーからの発表を見ていると、上記のものがあまり出てきませんでした。

 20人くらいいて「カヌー」と書いたのは一人だけ。

 釣りも、鮭釣りとイトウに言及した人がわずかにいましたが、とてもすごいポテンシャルとは思っていない様子。

 恐らくは地域の中にいて見慣れてしまって価値のすごさに気が付かないのか、はたまた観光のためということは遊びやアクティビティに関するものになるところが、あまり地元を生かして遊んだりもしていないのかな、という印象でした。

 「近き者悦べば遠き者来る(論語)」と言って、自分たちがまず地元を面白がることが大切なんですよと述べた私の言葉はどのように聞こえたでしょうか。

 自分たちが面白いと思わないような者では他所に宣伝をしたところで、その言葉に腹に力が入っていないことくらいすぐみ見透かされてしまうでしょう。

 受講者の皆さんの行動変容に期待したいところです。


     ◆


 講義の最後に会場の一人から質問がありました。

「講義の中で『書を読みなさい』というお話がありましたが、何か一冊推薦される本があるとしたら何ですか」というもので、私からの答えは「それならば二宮尊徳の本を読むとよいでしょう」でした。

 二宮尊徳さんに関しては、自分自身というよりも彼にごく近かった弟子たちが日ごろの言行録を著した本が有名で、「報徳記」「二宮翁夜話」「二宮先生語録」などは実に良い本です。

 何が良いかというと、二宮尊徳はその生涯の中で江戸時代末期に北関東の疲弊した村々を訪ねて、村民の心の荒蕪を耕して復活させたことで知られている農村経営アドバイザーでした。

 彼の考え方はその後の経済人の心に大きな影響を与え、渋沢栄一が著した「論語と算盤」などはまさに尊徳の言う「経済と道徳は両輪」に沿ったものに違いありません。

 また彼の村々を救ったやり方、考え方がまさにこれらの書物の中に刻み込まれていて、それを我が物として実践すれば救えない町はない、と思うからです。

 天塩町の心ある方たちにこの書物が広がって、良い街づくりに繋がることを期待したいものです。

 さて何人が読むでしょう。まさにその実践こそが問題なのですが。

 

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天塩町管理職研修 ~ 一人ひとりの生涯学習

2020-11-09 23:39:15 | Weblog

 

 今日は道北の天塩町での職員研修講師。

 朝札幌を出たときはみぞれやら雪やら大変でしたが、留萌を過ぎたあたりで少し穏やかになりました。

 今日の研修は、今日は管理職が対象で、明日は中堅の若手職員を対象にしたもの。

 町では昔は出張して長期間にわたるような研修もあったそうですが、コロナ前からそのような研修の姿はなくなっていて、外部から刺激を受ける機会が減っていたのだそう。

 特に管理職への研修は久しぶりとのことで、力が入ります。

 

 人口減少や少子高齢化、そして都市化の進展による人材の流出、また財政力の悪化で地方都市は疲弊しています。

 そんななか、地元に住む人たちが力を合わせて地域を振興するためにはどんなことが考えられるでしょうか。

 今日はそのヒントとして、掛川の生涯学習を取り上げました。

 住民の一人一人に問いかけて、認識を深め行動変容を起こしてきた掛川の生涯学習は、他の都市でも機能するのでしょうか。

 私は可能だと思っているのですが、そのためには榛村さんに匹敵するようなリーダーの相当の覚悟と行動が必要になるでしょう。

 特に榛村さんには、二宮尊徳の報徳思想という素養とバックグラウンドがあって、行動の基礎に報徳の教えが感じられるところがありました。

 しかし世の多くの首長から、報徳のような古典に根差した哲学を聞くことは極めて稀なのが残念なところです。

 今日は役場を支える管理職の皆さんとの対話でしたが、明日はまた今日よりは若い人たちへの研修。

 どんな反応になるのか楽しみです。

 夜はずいぶんと雪が降ってきたぞー。  

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サブイヤホンは骨伝導 ~Aftershokz OPENMOVE~

2020-11-08 22:09:35 | Weblog

 

 私は通勤途中の時間などでスマホからのラジオを聴くために、ブルートゥースのイヤホンを使っています。

 ところがこれが、電池の残量がなくなってくると"battery low"と「電池の残量がありません」という音声が聞こえてきます。

 2度目まではまだ音声が聞こえるのですが、3回目が聞こえたらその時点で電池切れです。

 音声の間は5分ほどなのですが、これがまた番組がちょうど良いところで切れるのは皮肉なもの。

 充電は毎日ではなく、(そろそろなくなってきたかな)という頃合いを見計らって充電しているのが悪いのはわかっているのです。

     ◆
 
 さて、今日は妻のパソコンを、ノートパソコンが来る前に私が使っていたものに取り換えました。

 それに伴って「使いやすいマウスが欲しい」というので、近くの大型電気店にってきました。

 目当てのマウスを決めてからなお店内をぶらぶらしていると、イヤホンのコーナーが目に留まりました。

 ブルートゥースのイヤホンも品ぞろえが豊富なのですが、ここではたと気が付きました。

 電池切れになったときに予備のイヤホンがあると良い、ということに。

 そこでいろいろと品定めをしているうちに、骨伝導のイヤホンが目に留まりました。

 骨伝導というのは、イヤホンを耳の穴に入れるのではなく、振動する物体を頭部の固い部分に接触させることで、耳の鼓膜を使わずに直接内耳の聴覚神経に到達させて音を伝える方法です。

 耳の穴を塞がないので外部の音が聞こえやすいのですが、これは危険を察知しやすいというメリットがある反面、騒音の多いところでは聞きにくいというデメリットでもあります。

 また音質的にはやや劣り、音漏れもしやすいということも言われています。
 
 今回購入したのは、Aftershokz製の"OPENMOVE"という製品です。

 Aftershokzは早くから骨伝導のイヤホンを世に出していたのですが、今まではお値段が結構高くて手が出なかったところを、このOPENMOVEは比較的抑えた値段になっています。

 骨伝導イヤホンなので音の出る穴がなくて、ちょっと不思議な感じ。

 また防塵防水はIP55規格で、通常の外利用には十分な感じ。

 実際に使ってみると、頭の中全体で音がするようで慣れないと不思議な感じですが、音漏れはそれほどひどくはありません。

 これなら通勤のバスの中でも十分に使えそうですし、飛行機の中など本当に騒音がひどいところ用に耳栓も付属していました。

 ただ音の出る装置は耳の前のあごの付け根につけることになるので、口を開けたり閉じたりすると当たる位置が微妙に変わって音質が変化することがわかりました。

 私の場合はもっぱらラジオの情報番組を録音して聞いていることが多いので、音質はそれほど気にはしていないのですが、まずは少し使ってみることにします。

 今までの耳に入れるイヤホン型とどちらがメインになるでしょうか。

【商品のレビュー記事がありました】

 

【レビュー】AfterShokz OpenMove 骨伝導ワイヤレスヘッドホン  https://bit.ly/3k7jT5f

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あさりはなぜ「あさり貝」ではなく「貝あさり」として売られているの?

2020-11-07 23:32:42 | Weblog

 

 せっかくの土曜日なのでどこかへ出かけようかとも思ったのですが、道内のコロナウィルスでPCR検査の陽性者が急激に増加中。

 日常は保ちたいとは思うものの、さすがにお気楽な気持ちで人ごみに出かけたりするのは自制しておこうと思いました。

 で、妻の買い物に付き合ってきたのですが、鮮魚コーナーで面白いことに気が付きました。

 私は貝がだいすきなのですが、貝の売り場を見ていて、しじみは「しじみ貝」と書いてあるのにあさりは「貝あさり」と表記されています。

 考えたらほたて貝も赤貝もホッキ貝もツブ貝も、たいていは「〇〇貝」と呼ばれているのになぜあさりだけは「貝」が先に来るのでしょうか。

 最近は知識らしい知識はたいていネットに出ているものですが、この疑問に正確に答えてくれる記事は見つかりませんでした。

 ということは今まで誰も疑問に思わなかったということでしょうか?

 誰かわかる人がいたら教えてもらえないでしょうか。

 なんで? 

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掛川の観光生涯学習 ~ 地域振興の15条件を思い出す

2020-11-06 23:19:29 | Weblog

 

 来週道北の天塩町で職員研修講師をすることになり、プレゼンテーションのためのスライドづくりをしていました。

 昔つくったスライドはそれなりに使えるので、それらをベースにしつつ、掛川の生涯学習の紹介とそこから得られる『どこでも使える』エッセンスを紹介することが中心になりそう。

 そんななか、(僕が仕えた当時の掛川市長榛村純一さんが述べていた『観光振興5条件』って何だったかな)と思い至り、数多くのスライドからその言葉を探しました。

 榛村さんは言葉の人で、言葉遣いや新しいフレーズを生み出しては世に放つのが得意だった方。

 "生涯学習"などは、そんな中で日本を動かしたキラーワードの一つだったことでしょう。

 掛川での生涯学習の本来の意味は、市民一人一人が自分のこと、地域社会のことなどを自分のこととして考えるようになってもらうことで、まちづくりに繋がる概念でした。

 それが文科省が法律を作ったり、生涯学習局という名前の組織を作ったことで当然のように文科省政策として考えられるようになってしまったのでした。

 榛村さん自身はそのことに苦笑いしていて、「すべてのまちづくりは生涯学習をベースにして行われなくてはいけない、というのが掛川の生涯学習なのに、文科省政策みたいになって、多くの自治体では生涯学習担当者を教育委員会に置くようになってしまったのが残念だった」と後年述べていたのが印象的でした。


    ◆


 さて、そんな榛村さんが、観光開発と地域振興の15条件として唱えたのが、「基本5条件」「背景5条件」そして「拡大5条件」の合計15条件でした。

 なかなかスライドが見つからなくて苦労したのですがようやくみつかりました。

 上記の5条件×3は以下の通り。

  基本5条件 –  見・食・買・遊・美

  背景5条件 – 歴史、お祭り、人、宿、夢

  拡大5条件 -交通アクセス、周遊ルート、国際、学術、近者喜ぶ

 
 なるほど、上手に分析するものです。

 特に最後の「近者悦ぶ」というのは論語の「近者悦べば遠者来る」から引いた一言です。

 観光の見ものや要素があれば、それが人をひきつけますが、ただそれだけではだめだと。

 近くにいるものが楽しそうにして喜んでいるのを見ると、初めて遠くにいるものが関心を持って訪れてくるようになるものだ、という意味です。

 まさに観光振興のキモがここにあるのではないでしょうか。

 懐かしく掛川で教わったことをまた思い出すのでした。


 

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北海道高校教育の地域連携の試み ~ ふるさと・みらい創生推進事業

2020-11-05 23:36:28 | Weblog

 

 高校の学習指導要領が改訂されて、再来年の4月から高校での地理A、地理Bが必履修の「地理総合」と選択の「地理探求」に替わるということになっています。

 私が所属する公益社団法人都市計画学会では、この地理総合の授業の中身の中に、

 C 持続可能な地域づくりと私たち
   (1) 自然環境と防災
   (2) 生活圏の調査と地域の展望

 という項目があり、これらが当学会の調査・研究内容と親和性があると感じています。

 そこで、高校の授業の支援をすることで、より効果を上げるような支援ができないかと検討し、学会内部に授業の参考になるようなプログラムを作成したり、授業成果の発表の場を作るなどの支援ができないかといった検討を始めました。

 道内でも北海道支部にこれらにあたるワーキンググループを作って様々な情報収集を始めています

 そんななか、北海道教育庁の事業に「北海道ふるさと・みらい創生推進事業」というものがあるのを知りました。

 これは、高校でキャリア教育や産業教育を推進するところを支援するということや、地域の課題を見つけ地域の自治体や企業等と共同した課題解決に取り組んで成果を地域社会に還元するといったことを目標に掲げた事業です。

 まさに地理総合の求めている地域の生活圏での課題を見つけて将来展望を描こうというものに繋がっていると感じます。

 そこで今回は北海道教育庁を訪問して、この事業の内容を教えてもらうことにしました。

 事前に連絡をしてご担当者に会うことができ、内容を親切に教えていただきました。

 特に「北海道ふるさと・みらい創生推進事業」は、職業教育に繋がるような「総合的なインターンシップの実践」と、農業における食品安全等を持続させる生産工程管理に取り組む「国際GAP教育」と、地域の基幹産業を支える人材育成のための事業提案を行う道立高校から指定校を選んだ「高等学校OPENプロジェクト」の三本柱からなっています。

 なかでも三番目の「高校OPENプロジェクト」は、地域の基幹産業を守るという切り口ながらまさに地域の課題に取り組んだ成果が示されています。

 また「国際GAP教育」と「高校OPENプロジェクト」の研究については、『全道フォーラム』という形で内容が発表され、その様子はyoutubeの動画でも見られるようになっています。

 ある意味、我々がやろうと考えている事柄を先行してやられている感じです。

 ところがこの事業はとりあえず3年目の今年度で終了の運びとなるとのことで、今後の在り方はまだ未定だそう。

 我々の活動ともつながりそうな要素がたくさんあることから、まずはこれらの動画を見たり研究内容を収集するところから始めて、我々自身の今後の方向性を探りたいところです。

 なにしろ教育の世界は奥が深いので、少しずつ内容を把握しつつ人脈を広げてゆかなくてはなりますまい。

 明日の高校生に夢と希望を与えるお手伝いができるでしょうか。

 北海道は広いぞ!

 

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寛容の精神を忘れずに

2020-11-04 23:57:53 | Weblog

 

 昨日までのブログで、キャンピングカーを借りた旅の顛末を書きました。

 居住スペースのバッテリーの調子が悪くて夜停電になったという話も面白おかしく書いたつもりでしたが、取りようによってはネガティブな話題に見えたでしょうか。

 ある友人から、「そんな不具合があったのなら、言われたことと違うと言ってクレームをつけたらどうですか?」という意見がありました。

「そうかな」と私。
「だって、ホテルだと思ったらホテルが停電したみたいなものですよ」

「まあ快適とは言えないけれど、なんでも文句をつければよいというものでもないのじゃないの?」
「そうかなあ、お値段も高そうだし、少しはお金が戻ってきたかもしれませんよ」

 
 契約って確かに相互の約束事ですが、それからはずれたらなんでもクレームにするというのはどうなのでしょう。

 ましてそれをお金で解決しようとすることもどうなのか。

 程度にもよりますが、これくらいのことだったらもう少し寛容の精神に立脚する方が世の中は豊かになるのではないでしょうか。

 日本もネット社会が深化して年年歳歳、自分の意見を発信しやすくはなっています。

 しかしその手軽さと気安さと匿名性が他人を非難し批判することへのハードルを下げているのだとしたら、文章を書いて最後にEnterキーを押す前に一呼吸おいて自分自身を顧みてはどうでしょう。

 感情が高ぶりすぎていないかどうか、収まらない怒りを発散しようとしてはいないか、特定の誰かに対する攻撃性が強くなりすぎていないか。

 そんなセルフチェックをしてみると、そのうちに怒りも収まったりするものなのですが。

    ◆

 時あたかもアメリカでは大統領選選挙の開票が進んでいます。

 どこか寛容の精神を失いかけているように見えるアメリカの国民はどのような判断をするのでしょう。

 人のふり見て我がふりを直しましょう。

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さらなる予想外はなんだ!? ~これで最後のキャンピングカーの旅の感想~

2020-11-03 23:45:20 | Weblog

 

 停電をなんとか耐え忍んだ翌日は、島牧村の山奥にある賀老の滝を目指しました。

 滝から流れ落ちて日本海にそそぐ千走川(ちはせがわ)は、素晴らしい渓相ですが年間を通じて全ての水産動物を捕獲してはいけない保護水面です。

 そんな渓流と終わりの近い紅葉・黄葉を横目に見ながら上流に向かって車を走らせます。

 賀老の滝は、途中に急カーブのつづら折りの箇所があって、幅が広く車高も高いキャンピングカーで登れるかどうかとても不安でした。

 しかしここまで来たら行けるところまで行ってみようという冒険心も沸き起こっています。

 千走川温泉の建物を過ぎて右折をして、橋を渡ると問題のつづら折りになるところまで来てみると…、なんと通行止めの看板が!

 残念なことに通行止めになっていました。

 すると妻が「そういえばT字路を曲がるところにそんな看板が出ていたような気がする」と言い出すので、すごすごと戻りがてら見てみると、おお、確かに「賀老の滝方面は積雪のため車で行くことはできません」と書かれた看板がありました。

 昨日今日の積雪ではなさそうで、前回いつ降った雪なのかわかりませんが、雪が降った時点で通行止めになったのでしょう。

 今回の旅の目玉の一つを失って残念です。


     ◆


「それじゃあ温泉にでも入ろうか」とガソリンを給油したスタンドで「近くによい温泉がありますかね」と訊くと、「それなら島牧村のはずれにあるモッタ温泉が良いですよ」と教えられ足を延ばすことに。

 一日平均150㎞という制限下でのドライブなので、足を延ばすことには不安も感じますが、計算上は大丈夫なはずです。

 モッタ海岸温泉は道路から山に向かってすぐの高台にある温泉宿で朝9時から日帰り入浴もできます(大人料金500円)。

 我々は朝9時ちょうどに入館して、気さくなお兄さんが対応してくれましたが、一言だけ注意が。

「申し訳ありませんが、源泉かけ流しでお湯が熱いのですが水で埋めないでください。外に露天風呂もあってそちらは少し温いので内湯が熱い場合は外湯にどうぞ」

「そんなに熱いお湯が良いという常連さんがいるんですか?」
「ええ、漁師の方などは冷えた体を温めるのに熱いのを好まれる方が多くて、ぬるいと叱られるんです(笑)」

 なにごとも所詮観光客は、地元の皆さんの暮らしの邪魔をしてはいけません。

 しかし確かに内湯は熱い! 45度くらいはあるようで、熱いお湯が苦手な私は内湯は無理で外にある露天風呂にしました。

 こちらは42度くらいでちょうどよい湯加減です。

 しかもこちらは道内でもトップクラスのラジウム温泉だそうで、一定の健康への効果も示されています。

 建物は割と新しいのですが、こんな鄙びた温泉で道内指折りのお湯が楽しめるとは思いませんでした。

 これも滝への道が通行止めだったからこその出会い旅。

 停電もそうですが、我々の失敗も次の方への何かの参考になるかもしれず、旅ではハプニングを楽しむ余裕と気持ちが大事ですね。

 
     ◆


 二日目は賀老の滝をあきらめてモッタ温泉に入り、その後は岩内で木田金次郎美術館を楽しみ、余市の港に宿泊。

 夜釣り朝釣りでマメイカを狙ってみましたが、こちらはしょぼい結果に終わり残念でした。

 旅の総括としては、停電などのトラブルはあったものの担当スタッフは夜の問い合わせにも誠実に対応してくれて悪い印象はありません。

 次の利用者が同じ目に合わないように祈りましょう。

 ただやはり今回のレンタル会社さんが示した、一日あたり150㎞という距離制限は、利用の自由度と心の余裕が失われる印象でした。

 1日150㎞を超えた場合は1キロあたり80円の料金加算が必要ということでしたが、なかには「超えた分は支払うから行かせて」というお客さんもいるとのこと。

 ただ問題の本質はペナルティを課すことではなく、無茶な長距離を走ることを抑制してほしいという工夫の産物です。

 何かトラブルがあったりすると、次のお客さんへの貸し出しができなくなり楽しみを奪ってしまうというリスクが生じるのが悩みの種なんだそう。

 初めて走る北海道を、初めてキャンピングカーを借りて走るというのはやはりいろいろなリスクもあることでしょう。

 車体も他のお客さんによってキャンプ場のゲートのバーに引っ掛けてつけられた傷があったりするのですが、その修理に出す余裕もなくレンタルが続いているというキャンピングカー人気。

 ビジネスとしてみたらなかなかに大変だなあ、と思うのでした。

 使ってみての感想として、正直購入して維持するというのは利用頻度から言って割が合わない感じです。

 ごくたまにレンタルで借り受けてプライスレスな時間を過ごすくらいがちょうど良いかな。

 皆さんも機会があれば一度くらいは体験してみてください。

 おっと、その際にはヘッドライトをお忘れなく(笑)。


 

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突然見舞われたトラブルとは!? ~そして翌日も予期せぬ出来事が~

2020-11-02 23:53:27 | Weblog

 

 その日にキャンピングカーで起きたトラブルとはなにか。

 それが発生したのは、弁慶岬の駐車場に到着して居住スペースでくつろいでいたときのことでした。

 弁慶岬には夕方5時くらいに到着し、もう暗い中を室内の電気をつけてほのかな明かりの下でワインを飲んで食事をするのはとても良い時間です。

 ところが到着から3時間ほどが経った夜8時頃、それは突然やってきました。

 突然室内の全ての明かりが消えて真っ暗になりました。そう、「停電」で。

 もともと車を借りた時点で後部居住スペースのための主電源はONにして冷蔵庫を使いながら走行をしていましたが、事前の説明では、専用バッテリーがあるので大丈夫とのことでした。

「居住スペースのため専用のバッテリーには、走行中が充電されますし、さらに天井にはソーラーパネルがあるのでそちらからも電力が供給されます。

 ドライヤーなどの大容量で使用する場合は限界がありますが、室内のコンセントはトータル1500Wまでは使えますし、キャンプ場のように外部電源があってそこから供給を受けることができればさらに大容量の電気器具も使えます。
 まあ普通に使う分には二日くらいは大丈夫ですよ」

 そう聞いていたので安心していたのですが突然の停電。

 とりあえずは持参していたランタンとヘッドライトで明かりを確保しましたが、原因と対処の仕方がわからないのですぐに担当の女性Kさんに「停電になっちゃいました」と電話をしました。

 彼女からは「それは大変ですね。まず、座っている椅子の下にバッテリーが置かれています。椅子のクッションとその下の板をはずしてバッテリーとブレーカーの様子を見ていただけますか?」とのこと。

 指示されたとおりに箱を開けるとそこには家で見慣れたようなブレーカーのスイッチがありましたが、それは「入」になっています。

「『入』ですね」
「そうですか、では主電源を入り切りしてみてもらえますか?」

 指示通りにすると、一瞬電気がつくもののすぐに消えてしまいます。

「それでは不具合はブレーカーでもヒューズでもないようなので、恐らくバッテリーの電圧低下だと思います。申し訳ありませんが、エンジンをかけて30分ほどアイドリングしてみていただけないでしょうか」

 電源が落ちると、ガソリンを燃焼させるボイラーのファンも回らないのでちょっと寒い中、言われたとおりに室内の主電源を落として30分ほどアイドリングをしました。

 そしてもういいかな、という頃に恐る恐る主電源を入れてみると…、パッ!

「お~、ついた」

「もしもし、電気が復活しましたよ」
「そうですかそれは良かったです。申し訳ありませんが、しばらくそれで電気を貯めて使ってみていただけませんか」
「仕方がありませんね。それでやってみます」

 
    ◆


 結局この日は早寝をすることにして、軽く1時間ほどのアイドリングで寝たのですが、翌朝には暖房ファンが電池切れで止まっていました。

 車内には電力メーターもあって、それを見る限り電力がゼロになっているわけではないのですが、それでも電気が落ちてしまっています。

 この症状は翌日も現れて、フルに150㎞ほど走行したにもかかわらずやはり夜には照明切れ。おまけに二日目はつけてから1時間半ほどで切れました。

 私などは、(誰が借りるかわからないキャンピングカーを、常に完璧に整備して維持するのは難しいのだろうなあ)と妙にレンタル会社に同情的に思ってしまうのですが、考えてみたら前の利用者からはその手のクレームがなかったのかな、という疑問も。

 お値段が結構良いだけに、このあたりはサービスの品質の問題なのでクレーマー客だったら大変だと思います。

 しっかりした対応が求められますねえ。


    ◆


 さて、停電トラブルを乗り越えた翌日の弁慶岬は、朝からホッケを狙う釣り人たちが駐車場に続々と集まっていました。

 二日目は、ここから足を延ばして島牧村の山奥にある賀老の滝を目指しました。

 久しぶりの滝見と思いきや、ここでも予期せぬ事態に!

 続きは次回だー! うむ、引っ張る手法も限界か(笑)


 

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レンタルキャンピングカーを借りてみた ~ 弁慶岬まで150㎞

2020-11-01 23:09:34 | Weblog

 二泊三日のキャンピングカー旅をしてきました。

 今回レンタルしたのは、"CAMPING LABO"さんの"セレンテティ"という、6人乗り5人宿泊のキャンピングカー。

 ハイエースのワイドタイプの車両がベースですが、さらに横幅を左右10センチほど広げ、運転席の上にも修身スペースを取っているタイプです。

 車高は2.9mもあるので、室内は大人が楽に立って歩けるほどの高さにゆとりがあります。

 運転席と助手席の後ろが室内で、まずは二人ずつが対面で座れるソファとその間にテーブルがあります。

 このテーブルもはずしてソファの間に挟めばここが寝床になる仕掛け。

 運転席の上部には寝床空間がありますが、ここは寝床を引っ張り出して広く使い、はしごで上り下りします。

 後部には二段に寝床が用意されています。

 流し台もついていて、水をポリタンクに組んでくれば手を洗ったり簡単な洗い物もできます。

 排水は別のポリタンクに溜まるようになっているのですが、今回の旅では汚すのが面倒くさいのでとうとう最後まで使いませんでした。

 調理は無料レンタル品のガスバーナーがあるので、これを使いました。

 調理台の上に換気扇があって、これとは別に天井に大きな換気・吸気のためのファンがあるので室内で火を使っても大丈夫なようになっています。

 調理台の下には冷蔵庫があって食材を保存しておくことができます。

 暖房はガソリンタンクからガソリンを引っ張って焚くボイラーがあり、足元2か所にファンがついていてこれで室内を温めます。

 テレビまでついていて、地デジが映ります。

 ただトイレはついていないので、宿泊するときは近くにトイレのあるキャンプ場か駐車場が必要です。


    ◆


 大まかな仕様はこんな感じで、約1時間の説明を受けたら鍵を渡してもらって出発進行。

 普段運転しているセレナよりも車幅が広いので、最初のうちは緊張してハンドルを強く握っていましたがだんだん慣れてゆきました。

 しかし最初に担当の方から注意されたのは、「うちのお客様にはまだないのですが、他社では特に道外のお客さまに走りやすい道でスピードを出しすぎてカーブを曲がり切れないとか車を横転させる方が多いのです」ということでした。

 確かに車高が高いので横風を受けやすくなりますし、カーブは特に危険です。

 スピードを出しすぎないようにして、また後ろに車が並ぶようなら左に寄せて抜かしてもらうような運転に心がけました。

 初日は寿都町の弁慶岬までの約150㎞の旅。

 ここはきれいなトイレもあるので安心して泊まれるでしょう。

 夕方も暗くなった頃に現地に到着し、ここでいよいよ夕食。

 楽しい夕食のはずが…、なんとここでトラブル発生!

 これは困ったぞー…(長くなるので、以下明日)


   【この後にトラブルが…】

 
 

 

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