拡張幻想 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫) 価格:¥ 1,365(税込) 発売日:2012-06-28 |
2011年に発表された日本のSF作品の中から、ベストと思われる作品を選んで
編まれたアンソロジー集です。
中でも特に気に入っているのを列挙します。
「はやぶさ」のスケールを大きくした庄司卓さんの「5400万キロメートル彼方のツグミ」
小松左京さんの逝去から生まれた堀晃さんの「巨星」
伊藤計劃さんに正面から対峙した神林長平さんの「いま集合的無意識を、」
タイトルをS・Kさんの某作品からもらったと思われる伴名練さんの「美亜羽へ贈る拳銃」
方程式モノの新作、石持浅海さんの「黒い方程式」
著者のことばにも笑った宮内悠介さんのSFミステリ「超動く家にて」
ヒトに三種の種族がいる世界での殺人事件を扱った黒葉雅人さんの「イン・ザ・ジェリーボール」
人類がランクアップする過程にある世界での小さな誤りと大きな別れ、三雲岳斗さんの「結婚前夜」
場所によって時間の進み方が変わってしまった世界の帰郷「ふるさとは時遠く」
子どもを親が育てるということを、ほとんどしなくなった時代の子どもの冒険、新井素子さんの「絵里」
そして、第三回創元SF短編賞受賞作、理山貞二さんの「<すべての夢|果てる地で>」
あと、以前読んだ事のある小川一水さんと円城塔さんの作品も面白いのですが、ここには挙げていません。不公平でしょうか?すみません。
今までのこのシリーズの中で、今回ほど、時代を色濃く反映したものは無かったのではないでしょうか?
SF的にも一般的にも。
面白かったです。