こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『ゆうびんの父』門井慶喜

2024-12-23 20:21:21 | 読書感想
 
郵便制度を作った前島密の半生を描いた物語です。

そもそも彼の母親が日本の偉人を目指すようにと料簡が狭くならないよう、地元越後の謙信公だけでなくライバルの信玄公の伝記も読み聞かせていたというから、すごいというのか何とも言い難いですね。

その影響もあってか、向上心の赴くままに様々な地方を旅し多くの人々との交流を持つことになったようです。
ただ、逆にその向上心が一つどころに長く留まれないという結果も生み出したようです。
物語の中での前島氏も、そのために出世できなかったと自戒しておられました。

はたから見ると郵便事業ばかりか、鉄道事業の基礎固めまでなさったというところは並大抵のことではできないと思いますけどねえ。

幕末から明治にかけての有名人がたくさん登場するところと、前島氏から見た彼らも描かれていて、いっそう面白く読めました。
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ちょっとおしゃれなCONCERT vol.24 in 北九州市戸畑市民会館 中ホール【ウェル戸畑3階】

2024-12-14 19:57:36 | コンサート
今日は戸畑市民会館でヴァイオリニストの中村太地さんのコンサートがあり、楽しんできました。

プログラムはモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」から始まり、クライスラーの「プレリュートとアレグロ」「愛の喜び」「愛の哀しみ」「美しきロスマリン」と続き、20分の休憩を挟んでヴィヴァルディの「四季」そして、ピアソラの「ブエノスアイレスの四季より“冬”」
アンコールで再びヴィヴァルディの「四季より“冬”」を演奏してくださいました。

クラシックでほとんどの人が耳なじみのある曲ばかりで、中村さんにそう申し上げたところ「そういうリクエストだったので」との事。
そういう気楽なコンサートもいいですよね?
ただ、1曲くらい要説明だけど素敵な曲も欲しいかもしれません。
「初めてだけど、いい曲聴いたよ♪」みたいなの。
一般的にピアソラがそれでしょうか?たまたま今回の私は、1回だけ聴いたことがあったけど。
面白いですよね?酷暑の冬w

帰りにウェル戸畑の玄関横のクリスマス飾りが可愛かったので、撮影しました。 

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『可燃物』米澤穂信

2024-12-11 19:46:34 | 読書感想
 
群馬県のスキー場から警察へ遭難の一報が入った。

遭難者らは思い付きでバックカントリースキーを行ったらしく2名は崖から転落、1人は救急搬送されたが、もう1人は死亡、2名は行方不明だった。
死亡した1名の死因が頸動脈を刺されたことによる失血死だということと、凶器とその行方が問題だった。

今回は群馬県警本部捜査第一課、葛警部を物語の中心とした連作ミステリです。
他にも、強盗致傷事件の容疑者が起こした交通事故が危険運転致傷につながるものなのか?など、一筋縄ではいかなそうな事件ばかり。
実際には起こらないようでいて、最近は現実こそ奇だったりしますからねえ(;^_^A

それはともかく、ひねりのきいた面白い物語でした。
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『泣くな道真』澤田瞳子

2024-12-08 20:05:47 | 読書感想
 
大宰府に左遷されてしばらくの菅原道真は手が付けられないほど荒れ狂い、お相手役に選ばれた龍野穂積はほとほと困り果てていた。
そういう穂積も「うたた寝様」とあだ名されるほどの怠け者で、それゆえに噂話に加わらなかっただけのものを、上司が並外れた胆力があると勘違いしてしまったものであった。

案の定、道真の対応におろおろしていると、道真よりも前に京より下ってきたという歌人、恬子が現れ博多津の唐物商へと誘い出した。

そうですよねえ?
記録などには残されていませんが、言いがかりも甚だしい罪状で大宰府まで流されて怒り狂わぬ方がどうかしています。
ただ、冷静になってみると優秀ならばこそ、どんなところでもその才能は計り知れないわけで、都人を見返すためだけでなく本心から現状を楽しめるようになったら道真公も幸せだろうにと思ったりもしました。
問題は、あまりにも痛ましい出来事が公の心をより痛めてしまったことですが。

歴史は変えられませんが、せめて物語の中だけでも道真公が少しでも穏やかな晩年を過ごせたらと感じました。
続編がどのようになっているのか、楽しみでもあり心配でもあります。
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