道頓堀に大蛸が現れたという噂が流れ、その界隈では夜半、人通りが絶えているという。
その話を聞いた奉行・久右衛門は、それを世迷い事と一喝。
蛸を食いたくなったと、一膳飯屋「業突屋」へと同心・勇太郎に案内させる。
思いがけないきっかけが、問題を解決させることとなる「蛸芝居」
あとは、勇太郎が襲われる「風邪うどん」
かみさんに追い出された豆腐屋を雇うことになったため、連日、奉行の献立は豆腐ばかり「地獄で豆腐」
カピタンの江戸参府のためとはいえ、今回の大坂逗留は長すぎる「長崎の敵を大坂で討つ」
と、四話の短編となっています。
どれも、久右衛門の食いしん坊ぶりが目立ち、しかもそれが事件の解決につながるのですが、今回は、勇太郎を巡っての恋の逆鞘当てといえる状態になるのも、面白く読めます。
我孫子武丸さんの解説も楽しいです。
道頓堀の大ダコ (鍋奉行犯科帳) (集英社文庫) 価格:¥ 756(税込) 発売日:2013-08-21 |