梶尾真治さんの『ボクハ・ココニ・イマス 消失刑』を読みました。
自らの存在を人に認識されず、そこに存在すること自体も気づかれなくなる刑。
それが消失刑。
浅見克則は、刑事罰として執行猶予の付かない懲役一年の刑に服するはずだった。
それが、控訴もせず、反省しているという点が考慮されて、受刑者を収容する施設が不足してきたこともあり、
その対策として試験的に導入された消失刑を選ぶ選択が許されたという。
しかも、期間は八ヶ月。行動は、基本的には自由。
しかし、甘い話には裏がある。それは、とても孤独で空虚で危険な日々を送り続けることでもあったのだ。
この上、主人公には、あまりにも過酷な運命が与えられ、同時に、
わずかな希望と使命感だけがもたらされました。
主人公が打たれ強かったから良かったので、私みたいな軟弱者だったら、早々にリタイアですね。
物理的にリタイアできないようになっているところが、また過酷です。
でも、どんな時にも、あきらめず希望を持ち続けることの大切さは、教えてくれた気がします。
しっかし、ハッピーエンドとは言いがたいんですよねー。果たして、彼のその後はどうなったのか?
あと、このくらいのサバイバル能力を私も持てていたらいいのですが。
色々考えることはありますが、面白かったです。