こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『合唱 岬洋介の帰還』中山七里

2020-07-16 20:05:41 | 読書感想
 
幼稚園に乱入し、園児三人と教員二人を殺害した仙街不比等は、レンタカーで逃走したあげく、閉店したコンビニに忍び込み、覚せい剤を打っていた。
どうやら、刑法三十九条の心神喪失を狙っての行動だと思われた。

そこで検察は、一番の有望株と呼ばれている検察官・天生高春検事を担当に指名した。
ところが検事調べの最中に、あろう事か天生検事が天街を拳銃で射殺したというのだ。

当時、立ち合い事務官の宇賀麻沙美が気分不良で外へ出てから数分後、銃声が聞こえ、飛び込んでみると天街が死んでいたらしい。
科学的捜査で出てくるのは、天生検事に不利な証拠ばかり。
しかも、弁護を引き受けてくれそうな有能な弁護士はいない。
八方ふさがりなところに、司法研修所での約束を果たすために、岬洋介がやって来た。

岬洋介、数十年前に分かれの際に何気なく発した約束とも言えない約束を、よく覚えていましたね。
しかも、それを実行しようとするところは、いい奴ですよねえ。
さらに岬は、相手の弱点をよく観察していて、あらゆる穴をつぶすように手を打ってきます。
もちろん、岬の手腕ばかりでなく、捜査過程で現れてくる犯人の動機やそれによる行動にも驚かされました。
本格ミステリではないので、読者への挑戦状もなく、推理の面ではフェアじゃないかもしれません。
でも面白いし、論理的で結末への過程も納得いくと思います。
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『天象の檻』葉月十夏

2020-07-12 20:25:08 | 読書感想
 
少女シャサが昨夜まで平穏に暮らしていた集落アタは、彼女が遠く離れたモエラの住まいにいる間に襲撃され、住人は殺され住居も焼け落ちていた。

そこで食べ物をあさっていた少年ナギは、『暁』という集落から迷い込んできたので、決して襲撃者では無いと言った。

シャサはナギに、食べ物と引き換えに死者の弔いの手伝いを頼む。
無事、弔いを済ませたシャサは、行方不明となっている住人4人を探す旅に出た。

この大地は十二の系から成り、神人という支配者の下に暮らしているらしい。
この物語では、いくつかの系は滅びており、数か所の集落が愛憎と打算などを抱えながら関わり合うため、どこの誰がアタを襲ったのか、もちろん黒幕の正体も、なかなか見えてきません。

あらすじを読んだとしても、この壮大な世界観は、読み応えありです。
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『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 想いを伝えるシチュー』友井羊

2020-07-10 19:43:27 | 読書感想
 
今回の第一話は、露ちゃんが嘘を見抜いてさらに・・・というところからスタート。
第二話のホームパーティーでは、冷蔵庫に入れた皮をむいたジャガイモが、なぜか黒っぽく変色。
第三話も、その繋がり?と、まあ常連と新規の客が入れ替わり立ち替わり登場します。

第四話はともかく、第五話での理恵が到達した境地…そうなりますかね?ほとんど、悟りの境地のようにさえ思えますけど。

次巻でどう展開していくのかが、楽しみです。
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コミックス『がーでん姉妹(7)』竹本泉

2020-07-09 19:54:18 | アニメ・コミック・ゲーム
 
最終巻となる今回では、花子・風子・空子の三つ子の見分けができるようになりました。
ただし、まえがきでいきなり理由を明かすので、何の謎にもなりません(苦笑)

カナリは、パソコンを買い替えようとしますが、何しろ漫画を描くのに使う為、メモリは望めば際限ないかもしれません。

池子は、鉄のフライパンと中華鍋を育てたり、果実酒作りにはまったりと、意外と家事好きです。

しっかし三つ子たちも、カナリの事を池子離れしろと言う割には、お互い離れられないのはどうかと思いますね。

あと、これを読んだ後に読んだ小説でも、鉄のフライパンなどを育てる話題がありまして、あまりの偶然に驚きました。
でも、そちらの本では、もう少し鉄の調理器具の扱いが丁寧です。
私は、竹本さん程度でいいと考えるくらいには、いい加減です。
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『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 今日を迎えるためのポタージュ』友井羊

2020-07-09 19:36:56 | 読書感想
 
今回は、理恵の上司夫妻宅の不審な出来事や、彼女の中学時代に恋した人に関する話から始まります。
そして、麻野の亡くなった妻にまつわる人々の過去の物語が出てきます。

理恵や麻野、そして露ばかりでなく、その周りの人々の物語が増えていくので「スープ屋しずく」の世界が広がっていくのを感じます。
視野が広がるようで、楽しいですね。
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