星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

新刊と、新譜のちがい。。

2005-03-26 | 文学にまつわるあれこれ(ほんの話)
家からひと駅の所に、品揃えを重視した大きな書店が出来た。
忙しくなってからは新刊書を買うのはもっぱらネットになってしまったが、たまにずらりと並んでいる書店の棚を見るのは必要。。ネットでは、すでに自分が必要としている分野しか検索しないし、ひっかかってこなければそれまで。でも、ずらっと並んでいる表紙を、さらっと目でひと撫でするだけで、心に引っ掛かるものは必ずある。。そして、その直感を、私はとっても信頼している。人間の目の情報検索能力ってスゴイと思う。

一昨日、夕刊のことを書いたけれど、新聞もそう。
記事と広告の見出しが、ずらっとほとんど秩序もなく並んでいるものを、ざーーっと斜めに見る。ほとんど「見る」、、という感覚。でも、98%必要外の情報の中に、2%くらい発見がある。

・・・ところで、最近、新譜CDの発売を知るたびに、「えっ? もう新譜なの?」って思ってしまう。Beck、ステレオフォニックス、オーシャンカラーシーンetc、、この前出たばかりじゃない?って思うのは自分があっちこっちつまみ食いばかりしているからなんだけど、<3年ぶり>とか言われても、そうかなあ、、、という感じ。。。全然自分がついていけてない。。ついてく、という積りもないけど。

その割りに、本の場合、新刊書、、といっても、あわてて買う必要も感じないし、本当に気になる本があったとしても、「まだ読んでないけど、いつか必ず読むよ」、、、で済まされる気がする。「いつか、必ず」、、、の<いつか>が、2年後であっても、5年後であっても、読まれてその価値が決して変わらない事が私にとっての良書でもあるし。

音楽だって、2年後でも5年後でもいいものはいい筈だけど、、ミュージシャンはLIVEに来るからね。。どうしても追い立てられる。。。いいんだよ、、、5年ぶり、10年ぶり、20年ぶり、の来日だって・・・って思うのは、自分勝手な論理か、、、

下に挙げるのは、今日書店で発見した本というわけではなくて、このひと月くらい、とても気になる本の情報が多いので、自分の備忘録として載せておく、、、いつかぜったい読む本。

『ガラテイア2.2』 リチャード・パワーズ みすず書房 ・・・『舞踏会へ向かう三人の農夫』のパワーズ邦訳第2作。。2001年って全然新刊じゃないですね、、、

『彼方なる歌に耳を澄ませよ』 アリステア・マクラウド 新潮クレストブックス・・・北方派の私には、マクラウドさんの本はとても落ち着く。。『冬の犬』も素晴らしかったから、こちらもきっと読む! 『ハイランダー』シリーズの映画も大好きだし(本書には全く関係ないデス)

『火を喰う者たち』 デイヴィッド・アーモンド 河出書房新社・・・先週、日曜読書欄を見ていて、作者名にぴんと来た。『肩胛骨は翼のなごり』の作者だ、、、というわけで、たぶんこれも少年の話のようだ。今いちばんこれが気になっている、、キューバ危機如何では、この世に存在していなかったワタシとしては。。

『壁の文字―ポール・オースター全詩集』 TOブックス(写真)・・・R.E.M.を聴いていることもあって、ポール・オースターの全部の本を読み返したくてしょうがない、、けどそんな時間は無い! R.E.M.とオースターは私の中で同じ分野に属するアーティスト。この本は、今日書店で現物を見てきた。英文と対訳が同じページに並んで書かれているのが良かった。詩集は全て対訳にすべし。。。これは高いけど買うだろうなあ、、手元に置かなきゃね。 

『半島を出よ 』 村上龍 幻冬社・・・ひさしぶりの村上龍、上下刊本。『5分後の世界』以来、龍サンのは読んでいない、、でも幻冬社でこれはいい!と思ったためしがないのが不安。

The Book of Illusions / Paul Auster・・・まだ翻訳されていないオースターの新作。。読みたいなあ、これ。『ティンブクトゥ』もまだ訳されていないし、、、。9・11以降、対イラク戦開戦以降に書かれたオースター作品が、何を目指すのかとても気になっている。『トゥルー・ストーリーズ』では事実、に目を向けたオースター、、、この作品は、イリュージョン。作家は虚構を描かなくちゃ。