星のひとかけ

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U2 Vertigo Tour 2006@さいたまスーパーアリーナ / Dec. 4

2006-12-06 | LIVEにまつわるあれこれ
5日の夕刊に早々と、U2のレポが載っていた(29日の公演分)。
早いのはいいけど、少し先走ったかもね、最終日見てからにすれば良かったのに、と思わざるを得ないくらい、、3回分の公演でU2は進化していった感じがします。

「初日は1人、中日はふたり、、今日はおねぃちゃん3人?」と、冗談とばして出掛けた最終日、、、ハイ、3人でした(笑)、、それは後で書くとして。。

 ***

--- 12.4.2006 ---

City Of Blinding Lights
Vertigo
Elevation
Out Of Control
I Still Haven't Found What I'm Looking For
Beautiful Day
Angel Of Harlem
The First Time
Sometimes You Can't Make It On Your Own
Bad
Sunday Bloody Sunday
Bullet The Blue Sky
Miss Sarajevo
Pride (In The Name Of Love)
Where The Streets Have No Name
One

The Fly
Mysterious Ways
With Or Without You

The Saints Are Coming
Window In The Skies
Vertigo

 ***

初日エッジ側、中日アダム側、、
きょうは、、、ど真ん中に近い。コントロール席のやや後ろ。直線距離にしたら一番遠い席なので、もう一度、大好きなエッジ側の席にすれば良かったかなあ、、と、ほんのわずか後悔もあった。。けど、、それは間違いだったんだよね、、。

19:40。 SEは The Clash の、「Should I Stay or Should I Go」。ミック・ジョーンズがヴォーカルの、好きな曲。。このあたりで待ちきれずに胃が痛くなりそう。。 最終日、、が、本当に始まる。

1曲目で、バックスクリーンに白い光と、ステージのフットライトが全部点いた時、、すっごい驚いた。ステージ、、でっっっかーーーーい!!! 嘘みたいに。。 サイドから見てたのと全っ然違う。ステージだけじゃなく、アリーナの幅全部にオレンジの光が並ぶ。滑走路みたい、、いえ、もう、、何て言ったらいいか、、未知との遭遇??、、って感じ。

そりゃそうだ、本来ならこの3倍の規模のスタジアムで使うセットだもの。。そのステージから会場いっぱいに光が向けられて、オーディエンスの姿が浮かび上がるのは、感動そのもの。。映画のワンシーンにしたいくらい。、、最後に真正面から見たのは正解だったかも、と思いました。。

それにしても、、。
ここはワールドカップの決勝戦?、、と思ってしまうような、、。
U2って、こんな全員で大合唱するバンドだったんだ、、、(ウォーー、オーー、オーー、)と。、、長年U2聴きつつ、、初めて感じ入ったこの3日間でした。。本当に、、オープニングのThe Arcade Fire の曲から(人の曲だってのに、、)、、みんな歌う、歌う。。

30日分でも書きましたが、、あれ以来、ラリーづいてて、、。
Mステでの、パーカー姿も素敵だったぁ(ミーハーです)。彼ら、45、6才なのに、カッコ良過ぎる。ラリーなんて、若き日のエルヴィスと、ジェームス・ディーンと、ポール・ニューマンを足した位、今でもカッコいい(と私は思います)。。、、と、容姿の話じゃなくて、、正面ど真ん中に届く音は、また迫力が違うみたい。。 冒頭3曲、、ラリーのもの凄いドラム。「Elevation」なんて、スネア破れそうなくらい。

そして、、4曲目、、!
ボノが喋り始める、、、「ダブリンのハイスクールで、、、エッジが16で、、」とか、、。この瞬間にもう、、私、、きゃあぁぁぁ!と叫んでおりました、、「Out Of Controlなの?! なの?!」、、エッジのイントロに飛び跳ねる。。 隣の見知らぬ人の、、けげんな視線を感じつつ、、「わからないキミが悪いのサ」。。嬉しかった~、、。 彼らの原点。。 とってもシンプルで初々しくて、でも他に無かった、この音。。 間奏から歌に入る瞬間の、ダン!ってドラムが好きだ~。叩け、ラリー、、スネア破るまで叩け――!、、と、崩壊。。

「I Still Haven't Found What I'm Looking For」も、ボノがマイクを向けて皆を歌わせる。「Beautiful Day」では、会場に光があたって、金色の光のなか、みんなが腕を振り上げる光景が、なんかこの世のものじゃない。

この日は、「Bad」から「Sunday Bloody Sunday」への続きが復活。しかも間に、「Ruby Tuesday」をみんなに歌わせる!、、もう、どうかなりそう。。

「Miss Sarajevo」のバックに流れる「世界人権宣言」の白い文字。。拍手で支持を表現する人、、沈黙する人、、。夜毎にボノの口から説明される、ハチマキの「coexist」の意味。。イスラム、ユダヤ、キリスト教の「共存」。。 日本人には確かに遠い話なんだけど、、宗教を受け入れる、、という意味では、日本とアイルランドとは、そんなに遠くはないのじゃないかと、、無知なりきに思う。ケルト人はかつて、キリスト教徒がいぶかしがるくらい、容易にキリスト教を受け入れたという。同様に、八百万の神々の存在を、みんな何となく感じている日本人には、「共存」は欧米人ほど困難な課題じゃない、、と私は思うんだけど。。 U2はアイリッシュでありながら、ケルトの要素が意外と感じられないのは、カソリックとプロテスタントの対立を見過ぎて来たからなんだろうか、、わからない。

ボノはどういう意味で言ったのか、わからないけど、、「今必要なのは、アメリカンスピリットではなく、俺たちのようなアイリッシュスピリット、そして皆のアジアンスピリット、、それから、アフリカンスピリットだ」、、と、そう言っていた。

そして、キング牧師の事も話して、「Pride (In The Name Of Love) 」。
「4月4日の朝、メンフィスの空に銃声が響いた」、、というこの歌を、この春の同日、日産スタジアムで歌うことをボノも考えていたんだろうね。。

正直言って、、来日が決まった頃、、U2は今、日本に来る意味なんてあるんだろうか、、と思ってた。米のLIVEで、イラク問題について訴えるボノは、いったい日本に来て、何を話すんだろう、、って思った、この日本の若者たちに。。前回の、エレヴェイションツアーは日本は無くて、、。意義を見出せない限り、、U2は日本へ来ないだろう、と思ったし、、今回、もし意義を見出せなかったら、たぶん二度と日本は来ないだろう、とそんな話も、友としていた。 本来なら、4月の一夜限りの公演で終わっていたはずの日本公演。。 それが3夜になり、最終日の前に休日もあり、、彼らやスタッフにとってはものすごい無駄(採算も、日程も)の多い来日であったはず。

それが、、幸か不幸か、、3夜やらざるを得なくなった。
でも、、、現在のU2には狭すぎるようなアリーナ会場で、全オーディエンスがなんだか近く感じられるような、あの、想定外のスーパーアリーナで、もし、彼ら自身が演奏を楽しんでくれたら、それはそれですごく幸せな結果だったんじゃないかな。。 演奏する楽しさが純粋にあったとしたら、、大成功だったんじゃないかって、、。 「One」の前だったっけ? ボノが、「長く待たせて本当にごめんよ」って言ってくれた時、すごくすごく嬉しかった。その前後、何て喋ったのか、聞き取れなくて、、「長く」が、8年間なのか、延期のことなのか、わからないけど、日本のオーディエンスがU2から遠くにいなくちゃならなかったのは確か。だからこの3日間は、互いに貴重だったよね? ボノ、ちがうかな。。

その表れが、、アンコールのあの3曲なのかな、、と。
新曲を2曲と、、ラストに、、なんでまた、、、2度めの「Vertigo」?!?!
またやるの?って笑っちゃったけど、、めちゃめちゃ盛り上がって終わりたかったのかな、、。(盛り上がる、、と言っても、U2ファンが一番に好きな曲に「Vertigo」はまず入らないような気がするけどね、、)とにかく、、この場の雰囲気、、みんながぐちゃぐちゃになってるまんまの「Vertigo」。会場がライトアップされて、スクリーンでは真っ赤な渦がぐるぐる回って、光がストロボみたいに眩しくて、ただもう、やけっぱちみたいに踊り狂っていた人々、、(笑)。
そして曲の終りに、、「She Loves You, Yeah~ Yeah~ Yeah~」だもの。ただただ幸せ。

 ***

ああ、そうです、、最終日、3人になったおねぃちゃんは、舞妓はんでした(ここまで来ると笑うしかない、、)。
しずしずと花道を進み、中央ステージに辿り着いた3人の舞妓はん。。 ボノは、いつものように肩を抱いたり、添い寝したり、、出来るわけもなく(笑)、、真面目にお辞儀してました。。 この様子を見るメンバーの表情を見逃したのが、唯一悔やまれるぅ、、どんな顔してたの? みんな。。

 ***

忘れられないシーンはいっぱいあります。

初日、1曲目終わったあたり? ラリーがオーディエンスを見ながらニヤッと笑っていたこと。

2日目、花道の先で、エッジとボノが抱き合ったこと。

3日目、「The First Time」で、左サイドの花道にいるボノが、右サイドのアダムに一生懸命手を伸ばしていたこと。

アンコール1発目の「The Fly」が、めちゃくちゃカッコ良かったこと。 スクリーンいっぱいに言葉が次々点滅して、、烈しいダンスビートで、ギターソロはスペーシーで、ノイジーで、、。ギラギラのライトを背景にメンバーの姿が浮かぶ。。アンセムばかりじゃないぞ、U2は、、踊らせてくれます。

それから、、
アコースティックバーションの「Walk On」での、エッジのアコギのアップストロークの音。
「Sometimes You Can't Make It On Your Own」のエッジの淡々と美しいリフ。
、、ボノの熱唱。スクリーンの「歩く人」を見つめていたボノの後姿。

最終日、、「Out Of Control」で、エクスプローラーを弾きながら花道を歩いてきたエッジの雄姿。

そして、やっぱり「One」の終りのソロだ。。 
CDを聴くたび、きっとこの日々を思い出すんだろう。