星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

愛は空に窓を開けてくれたんだ。

2006-12-07 | 文学にまつわるあれこれ(詩人の海)
U2からなかなかリセット出来ない日々。

頭の中では、「空の窓」がリフレインしている。
   Oh can't you see what love has done ?
   (愛が何をしたかわからない?)
のフレーズがずっとつづいてる。。 U2らしくないU2らしい歌(笑)。

 ***

リセットに、、詩集を開く。 ボリース・パステルナーク詩集 『晴れよう時』

サン=デグジュペリの印象から書かれたという「夜」という詩。
その冒頭と、終りの部分を。。


   眠つてゐる世界の上で
   飛行士が雲の中へ突き進んでゆくあひだ
   刻々と夜は進み
   夜は尽きてゆく

    (中略)

   美(うる)はしくも遠い所
   その瓦屋根の下の
   と或る昔風の屋根裏部屋に
   だれかが眠れずに起きてゐる

   彼はまるで蒼穹が
   自分の夜の仕事の
   対象に属すとでもいふやうに
   惑星を眺めてゐる

   眠るな 眠るな 仕事せよ
   労作を中断するな
   飛行士のやうに星たちのやうに
   眠るな 眠気と闘へ

   眠るな 眠るな 芸術家よ
   眠りに身をまかせるな
   お前は――時代に囚はれた
   永遠からの人質!

      (「夜」 工藤正廣 訳)


中間の、街や銀河への記述をすべてはしょってしまってご免なさい。。(全文載せるわけにもいかないので、、)
人から人へ、思いを伝える郵便飛行士としてのサン=テグジュペリと、ロシアを詠う詩人としての自分の思いを重ね合わせている詩。

訳者解説によれば、詩集のタイトル『晴れよう時』というのは、「今に天気がよくなりさえすれば」という意味を含んでいるとのこと、、。 希望、であり、意志、であり、、決意、でもあるような、、言葉。。

「愛」は万能ではないけれど、、

なにかは、出来ると思う、、よね。