昨夜は 浜離宮朝日ホールへ イスラエルのピアニスト、サリーム・アシュカールさんのピアノリサイタルを聴きに行って来ました。
クラシック分野は全然知識がないので、 いつもどなたかを聴きに行くときは 先ずはチラシの説明でなんとなくひかれて、 次に演奏映像を見て音に魅かれて それで決定、ということになります。
アシュカールさんの場合は 「イスラエルのピアニスト」で「日本初リサイタル」という点に興味を持ちました。。 あとで知ったのは、 初来日ではなくて、 2014年に都響の定期演奏会(レビュー>>)で来日されているし、 今回も このリサイタルの前に インバル指揮 都響との共演で ベートーヴェンを演奏されています(ぶらあぼ 紹介記事>>)
、、イスラエルの演奏家、、 といえば アヴィシャイ・コーエンさんを始めとするイスラエルのJAZZミュージシャンを近年よく聴いていたので、 それで今回のアシュカールさんに興味を持ったのです。。 演奏映像など見たところ、 端正なピアノでしかも ロマンチック過ぎない「情感」… そう、 上記のぶらあぼの記事にもありますね、 「端然」かつ「叙情的」… それを感じたのでした。
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演奏曲目は
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 「悲愴」 op.13
ブラームス:2つのラプソディ op.79
シューマン:子供の情景 op.15
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第26番 変ホ長調 「告別」op.81a
アンコール ショパン:ノクターン 第9番 ロ長調 作品32-1
招聘元にもあるように(>>) 当初は 「悲愴」ではなくて 第3番だったのですが (私も有名な「悲愴」ではなくて3番もいいなと思っていたのですが…)
登場されて、 「悲愴」第一楽章弾き始めて… ん? なんだか 映像で聴いた印象と違う、、 堅い… 緊張されている…? 第一楽章は あれ…? という感じが続いていましたが、 第二楽章からは良くなった感じでした(←良くなった、なんてピアノ弾けない私が言える事じゃないですが ただの感想として)
有名な第二楽章のメロディ、、 アシュカールさんの演奏には 独特の「間合い」というか 「タイム感」があるのです、、 よくピアニストのかたが情感を込めて「溜め」て弾く感じとはちょっと違う、、 不思議な訥々とした 一定ではない「間合い」、、 情感豊か、というのと少し違う 抑えていながら伝わってくる 悲しみ…
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ブラームスは すごくおもしろかったです。。 面白かったというのも失礼なんですけど、、 こちらも独特のアグレッシブな「タイム感」、、 ちょっとJAZZっぽい と思うのは 私が「イスラエル」のJAZZシーンからの先入観があるせいでしょうか、、
休憩中に 同行のピアニストのお友だちと 「ブラームス 面白かったね~」と。。
休憩後は お友だちが特に楽しみにしていた シューマンの「子供の情景」…
、、 でも 彼女の予想とはだいぶ違ったみたいです… シューマンぽくない、、と。。 (わたし的にはすごく楽しめたのですが、、)
ここでも 大胆ともいえるような 独特の「タイム感」で弾いておられました。。 ちょっと「子供の情景」というには深すぎるかな、、と思うような、、。
なんだか 今にもオルゴールのネジが切れて止まってしまいそうな 「トロイメライ」、、 ただゆっくり、、というのと違うんです、、
、、 今にも消え入りそうな音色とか 今にも止まりそうな間合いとか、、 やはり「シューマンぽい」とは言えない演奏だったのかもしれません。。 すご~く自己流な感想でいうと JAZZのブラッド・メルドーさんも 独特のすごく拙く聞こえるような「間合い」で弾かれる曲がありますが(When It Rains とか)、、 そんな感じの 表に見えない切なさみたいなものと同じものを感じました。
、、 動画にアシュカールさんのトロイメライもありましたが、 今回のリサイタルはもっとすごい独特でしたよ、、 超ゆっくり… 、、息を詰めて聴きましたもの。。
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最後のベートーヴェン「告別」…
こちらは生き生きしてました。。 ブラームス、シューマンと弾いていくうちに 最初の印象の「堅さ」がどんどん抜けて、 これが本来のアシュカールさんのピアノではないかな、と思えてきて、、
…だったのですが、、 第一楽章弾き終わって 手をゆっくりと降ろした瞬間に まさかのブラボーフライング、、 (え!?また?) 、、 また? というのは、 昨10月に聴いたダン・エッティンガーさんの時でもあったので…
全楽章とも 生き生きした演奏だっただけに ちょっと残念… 残念というか 申し訳なくて、、 (今回思い通りの良席だったので、 アシュカールさんのお顔を見上げながら精一杯の微笑みと共に一生懸命拍手を送ってきました、、 たぶん 見て下さったと思う…)
アンコールのショパン。 今回はドイツプログラムだったのですが、 想像を超えてすごく良かったショパン。。 やっとやっとリラックスして弾けたのかな、、と思った柔らかいショパン… それとも ショパンだからそう弾いたのかな…
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サリーム・アシュカールさん、、 イスラエルという国も現在 国際的に複雑な位置にありますけれど、 今日 プロフィールを検索していて知ったのは アシュカールさんは「パレスチナ系のイスラエル人」という 複雑なイスラエル社会の中でもさらに複雑な出身なのだとわかりました。
そして現在、 世界の紛争地域や発展途上国の子供たちを音楽的に支援することにも力を入れていらっしゃるとのことで、、 私の後付けの感じ方なのかもしれないけれど、、 あの「子供っぽくない」子供の情景の演奏は、 単純にはいかない いろんな思いを込めた「子供の情景」であったのかな… と、 そんな風に思っています。
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ところで、、 話は変わりますが
なんと ブラッド・メルドーさん(来月の公演に行きます)が、 先日までこのブログでずっと書いていた『冬の旅』のイアン・ボストリッジさんと共演ツアーを今年なさっているとのこと… (オフィシャル>>)
まぁ~ いろんな方と共演なさるメルドーさんですけど、、 ボストリッジさんとは… 吃驚。。 CDも出されるのかしら、、
と思ったら、 メルドーさん ご自身の新作が早くも⤵
http://amass.jp/118957/
、、5月の来日公演は確かトリオよね…? 新作から、、じゃないわよね? 、、なんとも お忙しいメルドーさんです、、
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… 寒の戻りもあって 桜は今週末も見られそうですね、、
お花見 行きたいよ~。