星のひとかけ

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上野の森美術館「フェルメール展」:わたしの 19/35

2018-10-12 | アートにまつわるあれこれ
先日の連休、 上野の森美術館「フェルメール展」に行って来ました。
公式サイト>>

昨年から フェルメール(美術館所蔵作の)全35点中9点が来日、、と大変話題になっていた美術展ですね。



入場日時指定制ということで 一体いつ行ったら一番ゆったり見られるだろうと頭を悩ませつつ、 でも自分の体調や友の都合など予期できない事もいろいろあるし… 前売り券を買うのをずっと躊躇していました。 が、 連休寸前になって(公開が5日からだったし) まだ前売りの余裕もあったので とつぜん「行こう!」ということになって…

時間指定とは言え、 入場開始時間には長い行列ができると聞いていたので 1時間ほど過ぎたころを狙い、、でもその時点でまだ人が並んでいました(10分程度で入場できましたが)
ただ、、並んで入った人たちがそのまま展示を順番に見ていくので 当然ぎっしりと列になったまま絵を見ていくことになり、、 そうこうするうちに次の時間枠の人達も入場してきます。
なので 少し鑑賞するのも工夫が必要… 中の係りの方も言っておられましたが、 「展示の順序に関係なくお好きな場所からご覧ください」とのことで、、

第1章から順に見て行ったのですが、 混んで来そうだったので4章のあと 最後の6章のフェルメールの展示のほうを先に… そのときはまだゆっくりと見られたのですが、、 もう一度4章へ戻って 順番に見ながら再び6章のところまで進んで来たら、、 フェルメール作品の前は4重か5重の人垣になってしまっていました。。 上野の森美術館は内部もあまり広くないので仕方がないですけど、 休日にご覧になりに行く方は 入場時間や鑑賞の順番にも少し工夫が必要みたいです。

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以前、 自分が見たフェルメール作品のことまとめてありましたね、もう7年も前です(その時の日記>>

あの時点で わたしのフェルメール体験 14/35 になっていたと思います。
あれから、、

東京都美術館の 「マウリッツハイス美術館展」(2012年)で(そのときの日記>>
 *「真珠の耳飾りの少女」(15/35)

森アーツセンターギャラリー 「フェルメールとレンブラント 17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展」(2016年 公式サイト>>)で
 *「水差しを持つ女」(16/35)



そして今回の「フェルメール展」
 *「マルタとマリアの家のキリスト」(2008年と同じ)
 *「牛乳を注ぐ女」(2007年と同じ)
 *「ワイングラス」(17/35)
 *「リュートを調弦する女」(2008年と同じ)
 *「真珠の首飾りの女」(18/35)
 *「手紙を書く女」(2011年と同じ)
 *「赤い帽子の娘」(19/35)

 *「手紙を書く婦人と召使い」(2011年と同じ)
 
東京展の後期に展示される 「取り持ち女」と、 大阪展のみに出品される「恋文」も、、 見てみたいなぁ… とは思っているのですが、、、

あと、 2015年に国立新美術館で開催された「ルーヴル美術館展」での「天文学者」が見られなかったのはちょっと心残りです… (公式サイト>>) あのころ、、 身内に重病人がいてなかなか美術館へ行こうという余裕が無かったのでした、、

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今回初めて見たフェルメール作品の中では、 「ワイングラス」の絵の左上の淡いブルーの窓掛けが 光に透けながらふわっと風にふくらんでいる様子が本当に美しかったです。 フェルメールといえば ラピスラズリの「青」ですが、 この窓辺の光をはらんだ透き通ったブルー、、 光そのものを見ているようでした。

あと、、 二度目の鑑賞となった大きい作品の 「マルタとマリアの家のキリスト」、、 これ好きなんです。 フェルメール初期の作品で まだ細密な光の描写とか着ている衣装の質感の緻密さとかはみられないんですけど、 頬づえをつきながらキリストの話に聞き入っているマリアの仕草や表情が なんとも無垢というかのびのびしていて、 キリストも自分の家みたいにくつろいでいるみたいに見えるし、、 見ていてなんとも心がふんわりする絵。。

そのほかの画家の作品では、、
ニコラス・マースの「窓辺の少女、または『夢想家』」という絵がとても印象的でした。
アムステルダム国立美術館のサイトにリンクしておきますね>>
Girl at a Window, known as ‘The Daydreamer’, Nicolaes Maes, という絵です。

桃とアプリコットの枝がある窓辺、、 この位置で実っているということはこの窓は2階とか? だけど 画家の視点は少女の斜右上から見たように描かれていて、、 なんだか庭の木の枝にとまった鳥の視点みたいな不思議な構図です。。 でもそれゆえに物語を感じる、 物思いにふけった少女の薔薇色の頬も初々しくて、 少しむずかしい表情とのアンバランスも可愛らしく… ‘The Daydreamer’にふさわしい想像をふくらませてくれる美しい絵でした。

同じニコラス・マースの作品では 「糸を紡ぐ女」というのもあって(これもアムステルダム国立美術館に>>
糸車の糸や 束ねた糸のふわふわとした細かい描写が素晴らしい 巧みな画家だなぁ、と。

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美術館であらたな絵に出会うのはとても幸せな時間です。。 出来たら何重もの人垣に押されるような場所ではなくて、、 自由に絵の前から離れたり近づいたり 行きつ戻りつ、、 たまに腰を下ろして遠くから眺めたり、、

そんなゆったりできる場所で絵を楽しみたい、、 
名画の鑑賞ではなかなかそうもいきませんけれど、、


「ムンク展」もたいへん混雑しそうですね…   パナソニックミュージアムでは ヴァチカンからの展示作品もあるというルオー展も(ルオーはもう幾度も見ているけれど) ちょっと見てみたいな、、 美しい「ヴェロニカ」、、見てみたい。。


気温が下がってやっと秋らしくなってきました。 あまりに夏が厳しかったから、10月のままでいて欲しい、、 永遠に とは言わないけれど。。


カサコソと落ち葉を踏む季節まで、、 大好きな秋がゆっくりゆっくりと過ぎていきますように。。 
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