誰が描いているのか確認するのは簡単なのだから、早く白黒つけるいいのにと思ってしまうし、実際その通りになるからなおさら。
クリフトフ・ヴァルツが毎度おなじみになってきている口八丁手八丁の調子よくてインチキくさい役柄をノリノリでやっていて、調子よすぎて少しウザい。
アンディ・ウォーホルの名前や存在が随所に、たとえばそこにいる人すべてが大きな目をしているように見えるスーパーでヒロインがキャンベル・スープの缶を手にとるといった具合にちりばめられているのだが、ウォーホルをはじめとするポップ・アートはある意味「作者」の絶対性を否定しているのだから、かなりアイロニカルに思える。
ヴァルツが戦争の悲惨さと平和を訴える画を万博に出展するというアイデアは、ピカソの「ゲルニカ」が1937年のパリ万博で公開されたあたりから得たものだろうか。
一見ストーリーとキャラクターが全面に出た「ふつう」の映画のようで、色彩を微妙に人工的なものに寄せてコントロールしているのがティム・バートンらしい。
(☆☆☆★★)
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映画『ビッグ・アイズ』 - シネマトゥデイ