prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ミルカ」

2015年02月21日 | 映画
イギリスから独立する時のインドとパキスタン分裂で家族が殺され離散した悲劇を背負った少年、ミルカ・シンが成長しインドを代表する400m走者として生まれ故郷のパキスタンに戻って大会に出るまでの半生を列車内での回想形式を主にして描く。

回想形式といってもミルカが回想するわけではなくて彼のことを良く知るコーチが政治家に説明する体裁をとっていて、なんで第三者のあなたがそんなこと知ってるの、と思うシーンも多い。

スポーツ映画としては珍しく、特に前半、負ける場面がすごく目立つ。すでにランナーとして名をなしてからの姿がまず描かれるので、表に出るのは負けてばかり(画面に出ないところで勝っているから頭角を表せたのではあるが)というのと、回想に出てくる逆境に耐えてきた姿が自然に重なることになる。
やはり耐えに耐えて成功する話というのは何度繰り返されてもぐっときます。

肝腎の中距離走の試合のシーン、映画の見せ場とするとマラソンほどためがないのでスローモーションを多用することになるが、100mほど凝集しているわけでもないのでちょっとダレる。回想に出てくる兵隊や暴徒に追われる走りと、ランナーとしての走りが画面上つなげられるのはちょっと説明的すぎるし、色を抜いた処理や超スローモーションは「300」めいた作り物感が強くて、要するに走る肉体そのものから離れて映像的に凝りすぎたところはあまり成功していない。

とはいえ、走りっぷりひとつとってもファルハーン・アクタルのなりきりぶりは凄い。

「ロッキー」シリーズでおなじみのMTV風に音楽をかぶせるトレーニングシーンの、その音楽がまるっきりインド風なのがご愛嬌。
インドで好評なのは当然に思えるが、パキスタンではどうなのだろう。
(☆☆☆★★)


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ミルカ@ぴあ映画生活

映画『ミルカ』 - シネマトゥデイ

2月20日(金)のつぶやき

2015年02月21日 | Weblog

まるでマリアとトラップ大佐のその後のような素敵な一枚!
VanityFair誌のThe Sound of Music Was Never “So Long, Farewell” vanityfair.com/hollywood/2015… pic.twitter.com/Ba1wfAc0d1

家畜人六号【小暮 宏】さんがリツイート | RT

ホー・チ・ミンって、「志の明らかな異邦人」って意味なんだ。今NHK-BSの「ザ・プロファイラー」ポル・ポト編で知った。首都の名前が「異邦人」っていうのも…。


【本棚登録】『昭和芸能史 傑物列伝 (文春新書 937)』鴨下 信一 booklog.jp/item/1/4166609…