世代の違う男同士の対立と伝承のドラマと、情報機関高官の陰謀を暴くスパイものと、元戦争孤児の美女を守るプロットなどが混ざっていて、善玉悪玉ははっきりしているので混乱するほどではないが、やや整理不足。銃撃戦とカーチェイスと爆発と、アクションシーンは一通り揃っていて楽しめるが、ラストのアクションを主人公が担うわけではないのはちょっと弱い。
今流行りのドローンで走る車を追うカーチェイスがあるが、もっと色々生かせただろうと思う。
原題The November Manは主人公の異名で、通り過ぎた後は誰も残らないから、と由来が語られる。このキャラクターを主人公にしたシリーズものの7作目である原作There Are No Spiesは1987年に発表されたもので舞台はベルリンだったのを現代のセルビアのベオグラードと大幅に変え、チェチェン戦争を絡めている。
主にセルビアとモンテネグロでロケされたもので、エンドタイトルでは-vicで終わる名前がずらりと並ぶ。
ただしセリフはほとんど英語、ちょこっとロシア語が混ざる程度なのでローカルカラーは今一つ。
(☆☆☆)
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