講義の中ではカント、フッサール、ハイデガーなど名だたる哲学者たちの名前が挙がるわけだけれど、そのうちの誰に影響を受けたかというわけでもなさそう。
ホアキン・フェニックスが下腹を出っぱらした肉体改造で演じ、登場するなり運転しながらスキットルから酒をきゅっとあおるというまるっきりアル中で、殺人計画も毒薬の手の入れ方などずいぶん雑。飲みすぎて頭ボケてないかと思うくらい。だいたい殺人計画の対象になる判事の悪さというのもどこまで吟味したのか、まるっきり思い込みから出ない。
ヒロインが惚れるのが都合がいいには違いないが、この手の勘違いから来る悲喜劇はいくらもありそう。
エマ・ストーンが真っ白な肌にいつもびっくりしているみたいに大きな目でアレン翁の回春に一役買っているのが一目でわかる一方、主人公が実際に寝るのはもう少し歳が近い(48歳)のパーカー・ポージー。ミューズ(創作力の元になる美神)と実際に関係するのとは別というのがまことに虫がよくて可笑しい。
ダリウス・コンジの撮影(これがアレン作品として最後のフィルム撮影になるか)が素晴らしく、舞台はイタリアかどこかと思うくらい。光と緑が美しい。
(☆☆☆★★)
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映画『教授のおかしな妄想殺人』 - シネマトゥデイ