prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「日本で一番悪い奴ら」

2016年07月13日 | 映画
治安を守るために銃を摘発するのが点数稼ぎの自己目的化するあたり、警察の活動のお役所仕事としての面を描いていて、マジメにもっともらしく脱線していく姿がなんともいえず可笑しい。
チャカとシャブ、どっちが大事なんですかって、ほとんど「キャッチ22」のようなむちゃくちゃなロジックの世界。

東映の映画館でかかっているのが昔の「県警対組織暴力」あたりのムードと重なってきてくるが、軽く笑えるのが今風。あれほど熱っぽい情念の世界ではない。

綾野剛がブイブイ言っている間はかなり年月が経っているのに歳をとらないのに、落ち目になるとがくっと老け込む。編年体とは別の時間の流れ方をしている作り。

犯人が払い腰で路上で投げ落とされるシーンがいくつもあるが、ケガしないかとひやひやした。ああいうシーンでも安全にこなせるやり方があるのかな。

主人公が酒が飲めないという設定が、適当に発散できず融通が利かずやたら一所懸命に働いてしまうのにも、シャブに手を出してしまうのにもつながるようで巧妙。

潜入捜査していて耳が潰れているのを疑われるシーンがあるが、ヤクザって意外と格闘技を習っていたりするものではないのかな、と思った。凶器を使うより素手を使った方が懲役が短くて済んだりするらしいので。

考えてみると、主人公は危ない橋を渡っている割に儲かっていない、というか持ち出しになっているのがただの腐敗警官とは違うところ。

一番悪いやつはよく寝ている、というモチーフは不幸にもずうっと昔から通用している。
さらに現実は続きがあって北海道新聞の報道を警察が潰しているのだから、そっちでも一本映画ができそう。しかしよく作ったと思う。これからちくちく嫌がらせされそうだが。
(☆☆☆★★)

日本で一番悪い奴ら 公式ホームページ



本ホームページ


日本で一番悪い奴ら|映画情報のぴあ映画生活

映画『日本で一番悪い奴ら』 - シネマトゥデイ

7月12日(火)のつぶやき その2

2016年07月13日 | Weblog

7月12日(火)のつぶやき その1

2016年07月13日 | Weblog