主演のシャーリーズ・セロンが製作にも噛んでいるわけだが、この人自身が子供の頃DVをふるう父親を目の前で母親が射殺するという凄まじい経験をしているわけで、こういう役をするのもどこか芝居を通じた自己治癒といった趣があるのかもしれない。
ずうっとキャップをかぶっていたのをラストでとる、というのが周囲を拒絶していたのをやめたことをわかりやすく画にしている。
サバイバーが寄付金頼みで生活していたとか、講師に呼ばれて話をして日銭を稼ぐといったかなりあまり健全でない興味に訴えて生きているあたり、一家皆殺しとか連続殺人といった負の要素も資本主義の中で消費されてしまう構造というか、「ゴーン・ガール」の原作者らしい意地の悪いリアリティがある。
(☆☆☆)
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