さらに映画監督である次男ジャン・ルノワールの「女優ナナ」「フレンチ・カンカン」「恋多き女」のカンカンの場面の抜粋が上映されている。モチーフが同じなのだから似るのは当然ではあるけれど、やはり改めて似ていると思う。
ジャン・ベローの「夜会」がほとんど3D映像ではないかと思わせるくらいの異様な鮮明さで印象に残る。
ルノワールの絵の視線の方向というのはこちらとぴったり合うわけでなし、かといってそっぽを向いているわけでもない、表情の見やすい角度から描いているけれど描かれている人は見られている意識を表していない、というと、つまりこれ映画の撮り方と似ているのです。
展示の目玉である「ムーラン・ ド ・ ラ・ギャレットの舞踏会」がかなり大きな画であることがわかる。描かれている人間たちの多彩さ、多様さ。
ルノワールの言葉で、人間の想像力で描ける木の葉はせいぜい十枚だが、自然は何千枚でも違う木の葉を作ってみせる、というのがあったのを思い出した。
三連休の初日とあってまあ予想通り混んでいて、同作のあたり人の流れが悪いもので立ち止まらないよう促されていた。
オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展

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