スラムの厳しさを毒々しくはないが実写!を交えて描いているのが文字通り迫力あり。
主人公の教師を演じるラザロ・ハーモスはもともと黒人という設定ではなかったらしいが、ハーモス自身が映画の中の子供たちのようにスラム出身というのがどこか子供たちとの接し方に出ている。
子供たちを教えることで教師の方が自信を取り戻すというのはありがちだが、描き方が静かでやたらと感動的にしていない。といったら全体に言えること。それだけ生易しい状況でもないだろうし、映画のつくり方として格調高い。
クライマックスでバッハの「マタイ受難曲」の「神よ、この涙にかけて哀れみ下さい、見て下さい」が流れる。使徒ペテロがキリストを裏切った後悔恨する歌、というのはむしろアイロニーなのかもしれない。
(☆☆☆★★)
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