ここからしばらくはロマンスに話が転がっていくとは思えないくらい。
ヒロインがモデルになるには背が低すぎる、と言うところで、そういえばそうだなと思う。
手の届かないような存在みたいに思えた相手がだんだん身近になってくるのと対応しているのだろう。
ジョン・カーニー監督の作品は「ONCE ダブリンの街角で」も「はじまりのうた」も本当に普通に歌を歌っているところ自体が自然な力を持つ。自前のMTVを撮るという設定なのだが、いわゆるMTV調とは違う手作り感覚なのがよく、それでいていつの間にか音楽をやっている連中が恰好よくなっていく。
クライマックス、幻想シーンを巧みに導入して「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ばりに派手めに盛り上げているのがこれまでになかった趣向。
ジャイアンばりのいじめっ子が実はいい奴になる扱いも気持ちいい。
世にも頭の固い校長先生はさすがに心根が変わるというのでは調子よすぎるのだが、これもうまくひっくり返している。
ラスト、朝だというのに明るい夜明けではなくて大雨は降るわ、でかい船に通せんぼされるわで、将来は決して甘いものではないのはありありとわかるのだけれど、それでも前に進み続ける力は強い。
(☆☆☆★★★)
シング・ストリート 未来へのうた|映画情報のぴあ映画生活
映画『シング・ストリート 未来へのうた』 - シネマトゥデイ
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