初めの方、ヒロインが銃の腕を見せるところでわざわざ家に備え付けの斧の柄を撃つのだけれど、斧が使えなくなったら自分が困るではないか、他に撃つ的はいくらもあるのだしと演出が雑なのではないかとイヤな予感がしたら、よくない予感というのはなんで当たるかなあ。
子供を守る、というサスペンスの醸成には絶好の設定をしかけておいて途中から親戚の家に預けてしまい(それもセリフで説明するだけ)まるで生かされない。
迫りくる悪党どもに対抗して仕掛けを作るのはいいとしてそれが働くのにためがなく、あっという間すぎていささかあっけない。
クライマックスが夜で、ろくすっぽ明かりがない中でどうやって射撃するのか不思議だし、炎が上がったかと思うといつの間にか消えてしまったりと、やることがバラバラ。
西部劇ならではのシンプルな作りにできるものをなぜかごたごたして、しかも内容が複雑なニュアンスを持ったわけでもない。
原題はJane Got A Gun。
男性形のJohnny Got A Gunといったら反戦小説・映画の代表作「ジョニーは戦場へ行った」の原題で(元は第一次大戦の兵隊募集のジョニー=男性全般よ銃をとれという文句からきたらしい)、暴力渦巻く西部を女性の非暴力的視点で描くのかと思ったらそこまでいってない。
家族の再生ドラマみたいにもっていきたかったのかもしれないが、これもとってつけたよう。
監督の交代劇があったらしいが、製作過程全般にコントロールが効いていない感じ。
トウモロコシ畑が美しかったり、熱気球が西部の空を飛ぶといった珍しい風景が楽しめたりはする。
(☆☆★★★)
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