prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
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「われらが背きし者」

2016年10月29日 | 映画
エスピオナージものというのは陰鬱なものになりやすいのだけれど、とにかく家族を守る、信義を重んずる、腐敗は許さない、といったまっとうな価値観が渋いトーンの中にも全体に通っていて意外なくらい娯楽作として楽しめる。

一種の巻き込まれサスペンスなのだが、イアン・マクレガーが今上映中の「ジェーン」の板につかない悪役とは同じ役者とは思えないくらい良い意味でお人よしといっていいキャラクターを好演。まった諜報の世界とは無縁のど素人さ加減もサスペンスになっている。
妻役のナオミ・ハリスとごく普通に白人黒人の組み合わせの夫婦をやっているのも好感度で得点。

派手なアクション・シーンはないに等しいが素晴らしい撮影に支えられ緊張が途切れない。
ジョン・バカンの「39階段」ばりのえらくクラシックな手が使われるところがあって、こういう超ローテクというのはかえって使いようがあるのだろう。

テレビの「ホームランド」のスリーパーなのか無実なのかわからない米帰還兵を演じたダミアン・ルイスが英情報部員を演じ、眼鏡をかけているとパトリック・マクグーハンみたい。マクグーハンというと「秘密指令」「秘密諜報部員ジョン・ドレイク」でスパイ役としてならし、初代ジェームズ・ボンドの候補になった人だが、ルイスが今やはり新ボンド役者として取り沙汰されているので、柄としては英スパイに合っているのだろう。
(☆☆☆★★)

われらが背きし者 公式ホームページ

映画『われらが背きし者』 - シネマトゥデイ

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10月28日(金)のつぶやき

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