ソ連の崩壊前で、アフガンを舞台に米ソ決戦が繰り広げられ、アフガンの現地人ムジャヒディン(ジハードを行う者)がランボーと協力してソ連と戦うという、今見ると皮肉としか言いようのない設定だった。
ただ馬に乗って疾駆する戦闘シーンが魅力的なのは今回と一緒。
アメリカはその後、ムジャヒディンをフセインやビンラディンと同様に怒らせ敵にまわすわけで、今回はアフガンの一部族がアメリカ軍人と一応の協力を結ぶけれど、さすがに描き方には慎重になっている。
ナヴィド・ネバーガンの現地部族の長ドスタム将軍の「アメリカもここ(アフガン)では部族のひとつに過ぎない。留まって憎まれるか、去って臆病者と呼ばれるか」といった身も蓋もないセリフが上手い。原作というか、実際にどの程度そういう表現があるのだろうか。
馬に乗って疾駆する姿というのはアメリカ人にしてみれば西部劇の騎兵隊のイメージで、戦車の間を縫って騎兵が突っ走る画というのは爽快さと重量感の共にすぐれて魅力的だが、さすがに前ほどアメリカ万歳的なニュアンスを出すのには慎重になっている。
クリス・ヘムスワースの主人公は実戦の経験がないのに、というよりだからこそ実戦に参加していくと考えていいのだろう。
将軍のセリフに含蓄に富んだものが多く、おまえは兵士であって戦士ではない、というやり取りが印象的。
(☆☆☆★★)
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