オープニングのスキーシーンなど本筋とは関係ないところをすごく本格的に撮っていて、象徴とかドラマ上の設定以上の存在感を示しているところなど典型。
作中でモリー・ブルームという名前はジェームス・ジョイスの「ユリシーズ」の主人公レオポルド・ブルームの妻のそれであり、おおもとのオデッセウスの妻が夫の帰りを待ち続けるのに対して浮気者、という具合に性格は正反対なのだが、これが実在の人物の名前なのだから、何かすごい偶然というか現実が小説を模倣した格好。
現実が小説を模倣したみたいなのはもうひとつ、アーサー・ミラーの「るつぼ」が狭い世界で人間たちが煮詰まっているイメージとして重ねられている。
このあたりはライター出身の文学嗜好みたいなものだろうか。
ジェシカ・チャスティンのハードボイルドタッチはいつもながら好調。
ケビン・コスナーが歳食ってまたよくなってきた。
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