prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「リトル・ワンダーズ」

2024年11月11日 | 映画
飾り文字風の字体のタイトルと、伝承風の語り口で、どこか古色がついたような印象がある。実際に16ミリフィルム撮りでそういうカラーを狙ったらしい。

兄弟と年かさの女の子の3人が動力つき自転車でぶっとばしていくオープニングは覆面をしていることもあって子供なりになかなかワイルド。

3人がゲームをやろうとしたらパスワードを入れなければいけないように兄弟の母親に設定されていて、その母親の身体の具合が悪いので代わりに買い物に行ったら最後に残っていた卵を粗暴そうな男にとられてしまい(事実あとで刑務所帰りとわかる)、レシピに必要だから1個でいいからと懇願するが意地悪に拒否され、男のピックアップトラックの荷台にひそかに乗り込んで男のかなりヘンな家族がいる家に行くと、今度はその家族がトラックに乗り込んで、という具合にすごろくみたいに意外な展開がつながっていく。
ヘンな家族がクスリをやっている設定のせいか、魔法がかった描写が注釈なしに出てきたりする。

ワイオミングが舞台なのだが、調べてみたら全米50の州のうち人口は最下位、人口密度もアラスカに次いでビリから2番目。
「狼たちの午後」で外国に高飛びしよう、どこに行きたいとアル・パチーノに相談されたジョン・カザールが「ワイオミング」と真面目な顔で言うのに笑ったが、化外の地って感じもあるのか。

子供が酒を呑む場面も、アメリカ映画でも場面によってはOKなのかな。もっとも、おもちゃとはいえかなり威力のある銃を撃ったりするから、規制はあまり感じない。