途中で幻想シーンのような黄色一色のお堂のシーンがあり、ヒロインの佐久間良子が出てこないこともあってやや場違いな印象もあって、どこかで見たようだなと思ったらバックを菜の花の黄色で埋め尽くした内田吐夢監督の「恋や恋なすな恋」(1963)で、この「湖の琴」は1966年だからこちらの方が後。
どこまで影響があるのかは不明だが、同じ東映京都ではある。
蚕の繭から茹でてとった絹糸を干すのにおそろしく長細い建物を用意したのはずいぶん贅沢なセットの使い方。絹糸が何かの縁に見えてきたりする。
佐久間良子の白い着物の生地がスクリーンで見ると、ものすごく良いものであろうことがわかる。
二代目中村鴈治郎が毎度ながらのねっとりしたヒヒ爺を好演。
樹木希林が悠木千帆名義で出演している。