詩集の映画化というのは「夜空はいつでも最高密度の青空だ」以来か、あまり例はないと思う。
がっちりとした構図、抑揚をつけないセリフ、それ以前に間と沈黙を重視した作り、独特の省略法、など独自の演出スタイルをすでに持っているのをうかがわせる。
同じ森井勇佑監督の「こちらあみ子」に続いて大沢一菜が準主演しているのが、姉妹編的な位置づけと共に妙な言い方になるが韻を践んだ感じ。
難解というのではないが、ふっと気を抜いたら場面がとんで、だからといって退屈して眠くなったわけではなく、ふっと睡魔に囚われてそのまま意識がとんだ。
タルコフスキーで眠ったことはないと記憶しているのだが、眠るときはこんなものかと思う。