皆さんはバランスコアカードを知っているだろうか。経営戦略を立案するためのツールの一つで、基本は、「財務の視点」、「お客様の視点」、「業務プロセスの視点」、「人材の視点」の4つを使って戦略を組み立てていこうとするものだ。使うところによっては、もちろん各視点に濃淡があり、微修正も必要となるだろう。バカ正直に本に書かれている通りにすればいいというものではない。自分たちの業務に使いやすいようにしていく、それも使いこなすためのコツのひとつなのだ。
本書は、バランススコアカードとは何かということについて説明したあと、使いこなし方や、企業等で使われている事例など、これからバランススコアカードについて勉強したい人にはその概要を知るうえで、参考になることも多い事だろう。
バランススコアカードは、使えば素晴らしい回答が得られるという打出の小槌ではない。使ってみても、最初はありきたりの結果しか出てこず、あまり満足のいくような回答が得られないかもしれない。そうバランススコアカードは、考えるためのツールに過ぎないので過剰な期待をし過ぎてはいけない。ただし、これら4つの視点で考えると格段に見通しは良くなるだろうし、習熟するにつれて、内容がどんどんよくなっていくだろう。要は、使い続け、自家薬籠中のものにすることが大事なのだ。
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