ホテルグランビア広島で開催された、「現場発!! ものづくり地域戦略」という講演を聴きに行ってきた。講師は東大教授の藤本隆宏氏。「イノベーション・トーク・イン・広島」というイベントの一環として行われたものだ。最初に主催の(公財)広島産業振興機構から、イノベーションインストラクター養成塾の概要が説明された後、いよいよ本番の講演である。一応2時間の予定だったが、講師の熱意により20分くらい時間がオーバーした。資料も配布されたが、講演では、最初の部分しか使用されなかった。面白そうなことが書いてあるので、後でじっくり読むことにしよう。
ひとつ心に残ったのは、日本の製造現場では、コストが中国に追いついたというところがかなり出てきているということ。かって日本の20分の1くらいだった中国の人件費は高騰する一方だが、日本の製造現場では改善を重ね、どんどん生産性を上げてきた。中には8倍も生産性を上げた会社があるという。ところが、東京の本社ビルの高い階にいる経営者は、目先の数字だけで、生産性が8倍になっても、工場を閉鎖したりしたところがあったという。ダメな経営者は、現場を見ずに、机上だけで判断してしまうということだろう。
現場を見ずに、自分の思い込みだけで突っ走る経営者として、ふと頭に浮かんだのは、深夜アニメでやっている「アイドルマスターシンデレラガールズ」に出てくる、芸能プロの、えらく高飛車な女性常務(視ているうちに、どんどん、「こいつだめやわ!」と思ってしまう)。現場を見もせずに、自分の妄想の世界だけで、うちの会社はかくあるべしとやっているのだが、まさにダメ経営者のお手本だろう。こういった講演を聴くと、アニメを視る目も変わってくるな(笑)。