文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

ほんのひとさじ vol.12

2020-02-29 09:12:56 | 書評:その他


 なんの本だったか忘れたが、本書は、書肆侃侃房の本についてきたものだ。同社から出版されている本の著者から寄稿された文章を纏めたものだ。よく出版社から、PRのために出されている本の雑誌のようなものか。

 この巻のテーマは「風」。収められているのは、短歌やエッセーなど。ユーモラスなものからしんみりとしたもの。怪談調のものもある。

 表現がいいなと思ったのが小野田光という人の短歌にあった「色つきの風の図鑑」(p8)である。こういった文章を読んで頭の引き出しの中におもしろい言葉をため込んでいのもいいと思う。

 思わず笑ってしまったのは次の文章。
「ささみのおいしい店でした。(中略)いまはたたみの恋しい店になってしまいました。」(p12)


このようなしゃれがすんなり出てくるようになりたいと思う。

 いくら文字が印刷されていれば何でもレビューするからといって、さすがに、いろいろな出版社から出されているPR雑誌までレビューすることは殆どない(というか、ほとんど読まない)。しかし、書肆侃侃房から出ているこの雑誌だけは手にするたびに読んでいる。そして読んだ以上はレビューをせねばという訳である。

※初出は、「風竜胆の書評」です。









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放送大学の面接授業科目登録変更

2020-02-27 10:12:54 | 放送大学関係

放送大学の面接科目の登録を変更した。変更は以下の通りだ。

銀河天文学 ⇒ 天文学への招待

同じような内容なのだが、最初のは4月、変更後のものは7月の開催である。

理由は、いま世間を騒がせている新型コロナウィルスだ。感染数を考えると確率的にはものすごく小さいのだが、4月はどうなっているか分からないし、考えてみると結構忙しい。これが7月になると大分時間の余裕ができるうえ、インフルエンザや風邪と同じような性質があれば、暑くなっていることもあり、騒ぎは一応の落ち着きを見せるだろうというので、それを期待して7月にしたというわけだ。しかし、この新型コロナウィルス騒ぎ、どうなるんだろう。

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明治開化 安吾捕物 その一 舞踏会殺人事件

2020-02-27 09:11:25 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 

 最近よく岡本綺堂の「半七捕物帳」を読んでいるが、たまには趣向を変えて、坂口安吾の捕物帳を読んでみた。これは「その一」に当たる話である。この話には、名探偵役として、結城新十郎という人物が出てくる。

 なんとこの作品には勝海舟が出てくるのだ。そして狂言回し役は、海舟に幼少のころ彼に剣術を習っていたという泉山虎之介という男。

 事件は、政商加納五兵衛が自ら主宰した仮装舞踏会で殺される。この事件を解決するのが結城新十郎という訳だが、虎之助に頼まれ海舟も推理を拾うする。新十郎の推理の方が正確だったのだが、海舟先生、自分は犯行現場を見ていないからと言い訳をする。

 なんだか語り口が、全体的にユーモラスなのだ。例えば、五兵衛の娘のお梨江。善鬼という男が、X国大使チャメロスにもらった舶来のマッチを、どこでこすっても火が付くと、靴の底でこすり点火して見せて自慢する。まあ、今では見られない黄燐を使ったマッチだったのだろうが、このお梨江

<「まア、珍しい品物。ちょッと、オジサマ」
 と、お梨江は目をかがやかせて、イスを立って進みでると、アッとおどろく善鬼のハゲ頭を片手でおさえて、力いっぱいマッチをこすった。お梨江の期待に反して火がつかないから、
「アラ、ウソつきね」>


という具合なのだ。ちなみに、この善鬼と言う男。フルネームを上泉善鬼といい、時の総理大臣なのである。

 これはしばらく安吾捕物に嵌るかな?

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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秋田大学通信教育「資源と地球環境」の学習単位認定問題が戻ってきた

2020-02-25 16:05:52 | 秋田大学通信教育

今日郵便受けを覗くと、秋田大学通信教育の「資源と地球環境」が戻って来ていた。結果は、A90。ただし、これは1単位しかないので、累計5単位ゲットとなる。ちょうど修了認定のための半分となるので、12月までにあと5単位とらないといけない。ちょうど今やっていることも区切りがつきそうだし、少しペースを上げよう。

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魔法使いのウエディング・ベル

2020-02-25 08:45:19 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 2006年(原書は2005年)の「ニューヨークの魔法使い」から始まった<(株)魔法製作所>シリーズも10年以上の時を経て、これがグランドフィナーレ。最後は、ヒロインのケイティは、愛しのオーウェンと結婚式を挙げて、ハッピーエンド。しかし、何も事件が起こらない訳がないのがこのシリーズだ。

 少し背景についてお話すると、ケイティは、魔法に免疫がある(要するに魔法が一切効かない。その代わり魔法は一切使えない。)免疫者(イミューン)と呼ばれる人。彼女が勤めるのが、(株)魔法製作所(通称MSI)という会社。彼女の免疫者としての能力を見込まれてスカウトされたのである。今回ケイティが結婚する恋人のオーウェンは、MSIの研究開発部理論魔術課の責任者で強力な魔法使い。

 普通の人には魔法があることを気づかれてはならないというのが魔法界の掟のようだが、ある思惑から、わざと魔法を人目に触れさせようとする連中がいた。いったい何者が何のために。これを解き明かすのがこの巻のテーマである。ケイティ、自分は魔法が使えないのに、結構活躍している。

 さてこの巻では評議会(カウンシル)の調査員といて嫌味な人物が出てくる。評議会とは魔法界における警察(検察)と裁判所を足したような組織だ。こういった作品には、よくこんな人物が出てくるのだが、大体は悪い奴と相場が決まっている。多分こいつも悪い奴だろうと思っていたのだが、途中から出てこなくなった(最後の方に名前だけ出ていたが)。いったいあの嫌味な感じはなんだったんだろう(笑)。

 少し細かいことを言うようだが、この作品には、「魔法」と「魔術」が区別されずに使われている。「魔術」というと何かタネがありそうで、こだわる人もいる。シリーズ名も「魔法製作所」となっているので、ここは、「魔法」に統一した方がいいと思うのだが。原本の方で2種類が混同して使われていたのだろうか。

 ともあれ、このシリーズ、ずっと読んできているので、終わってしまうのは少し寂しい。麻雀には、泣きの半荘という言葉があるが、二人のその後を描いた作品をもう一つ出してくれないかな。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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半七捕物帳 60 青山の仇討

2020-02-23 08:26:44 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 これも半七捕物帳の話の一つだ。他の話と同様に、作者が明治になって、半七老人から昔目明しだったころの話を聞く形になっている。

 さて、このお話の方だが、佐倉領にある村から、金右衛門、為吉という百姓がそれぞれ、娘のおさん、妹のお種を連れて、江戸にやってくる。ちなみに、おさんは来年為吉の嫁になることになっている。

 ところが青山六道の辻で、浪人風の男が若党風の男を切り殺すのを目撃する。浪人風の男のいうことには、敵討ちだというが、その男は逃亡。そして言っていたことも嘘だと判明する。

 そして、金右衛門たちは、その夜何者かに襲われ、金右衛門は負傷、おさんはどこかにつれさられる。

 この事件を調べるのが、我らが半七親分という訳だが、2つの事件は果たして関係があるのか。この半七親分、どうも勘で調べを進める傾向があるようで、今回も、金右衛門の親戚の米屋で米搗きをしている藤助が臭いと、部下の庄太に指示している。

「おれの眼についたのは藤助という奴だ。越後か信州者だろうが、米搗きにしちゃあ、垢抜けのした野郎だ。あいつの身許や行状を洗ってみろ」



 操作をする者は、予断によってはいけないというのは大原則なのだが、半七親分、予断ありありである。つまり今でいえば、チャラ男は悪い奴だと。実は、藤助は意外と善人で、悪い奴は他にいたのだが、善人は垢抜けしていてはいけないらしい(笑)。この話の教訓は、チャラチャラしていると、悪い奴だと思われかねないということなのだろうか?

☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

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野原ひろし 昼メシの流儀 1

2020-02-21 08:53:42 | 書評:その他

 

 皆さんは、このタイトルにある「野原ひろし」という名前に心当たりはないだろうか。そうあの幼稚園児が大活躍?(大暴れ?)する超人気漫画の、当の幼稚園児の父親の名前である。ちなみに幼稚園児からは「父ちゃん」と呼ばれている。

 そう、この漫画は、父親の野原ひろしを主人公にしたあの漫画のスピンオフなのである。ただ、本編より、こちらの方がきりっとした感じだが(笑)。営業の仕事をしている主人公は外回りが多い。だから昼メシは外食が多くなる。この作品のテーマは、彼が入ったお店で出会った様々な昼メシなのである。

 2016年から「月刊まんがタウン」(双葉社)に連載中で、単行本としては、現在6巻まで出ているようである。各巻には9話収められているので、1巻につき9つの昼メシを紹介していることになる。各話には、〇〇の流儀(〇〇には昼メシの名前が入る)というタイトルがつけられており、出てくるのは、個人でやっている店から、移動販売の店、チェーン店まで。店は、仮名のようだが、そのモデルになった店があるらしい。

 知らない女子に見栄を張って激辛カレーを注文したり、自意識過剰気味の女子店員に自分を狙っていると誤解されたり、後輩とパンケーキを食べに行って、二人とも女子になったりと笑えるシーンが多い。本編の方はあまり私の好みではないが、これはなかなか面白い。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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郵便で放送大学の成績が来た

2020-02-20 16:52:09 | 放送大学関係

 郵便受けを覗くと、放送大学から2019年度2学期の単位認定試験の結果が来ていた。といっても、18日にシステムWAKABAで確認した通りなのだが。違っていたら、そちらの方が驚きだ。

 予定通りに行けば、2020年度で6回目の卒業となるのだが、残った「生活と福祉」コースにはあまり興味がないし、名誉学生になったところで、自己満足くらいで、あまりメリットはないし。この後どうしようか、1年かけて考えてみよう。そもそも名誉学生というのは、従来なら6回卒業したらなれていた。しかし、私が卒業したコースは情報コースをつくるときに、2つのコースが1つに統合され、既に移行期間も過ぎているので、7回卒業しないといけないのである。これは、制度の設計として、学生間の公平性からまずいのではないだろうか。

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ブラック・トムのバラード (はじめて出逢う世界のおはなし―アメリカ編)

2020-02-19 19:54:44 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 

 舞台は、1920年代のアメリカ・ニューヨーク。ハーレムに住んでいるアフリカ系アメリカ人のチャールズ・トマス・テスターは、ロバート・サイダムという白人老人から高額の報酬と引き換えに自宅でのパーティでギターを演奏することを依頼される。これが恐ろしい事件の幕開けになるのである。

 著者はアフリカ系アメリカ人の血を引いており、彼の作品の大きなテーマとして人種差別問題が挙げられるだろう。

 確かに読み進めると、「白人」と「黒人」は出てくるのだが、少し違和感が湧いてくる。東洋人のような黄色人種は出てこないのである。話の中には、「中国人」という言葉が出てくるが、それは集合名詞としてである。個体の東洋人は全く出てこない。まるでアメリカには白人と黒人がいればいいというようなのだ。

 解説によれば、彼は、少年時代に、ラヴクラフトの作品を愛読していたが、ラヴクラフトが人種差別主義者であることを知り、裏切られた気持になったという。作者は、ラヴクラフトに対して愛憎入り混じった感情を持っていたのだ。だからこそ、次のように書いている。

「相反するすべての思いをこめて、H.P.ラヴクラフトに捧げる」(p3)



 この作品はラヴクラフトの作品を語り直すことを目的として書かれたらしい。基になっているのがラヴクラフトの、「レッド・フックの恐怖」である。ラヴクラフトと言えば、クトゥルフ神話で有名だが、この作品はクトゥルフ神話の一部とは考えられていないようだ。しかし、本作品は、明らかにクトゥルフ神話を意識している。こんなフレーズがある。

「いつでも、おまえたち悪魔の上にクトゥルフを連れてくるからな。」(p151)

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

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放送大学の申請科目変更

2020-02-18 15:06:07 | 放送大学関係

 システムWAKABAから放送大学の申請科目の変更を行った。今日の成績発表を受けて、面接授業に対する不信感が出てきた。面接授業は十分に単位があるので、これからは本当に面白そうなもの以外は選択しないようにしようと思う。面接授業の「情報メディアと社会」はあまり興味が湧かないので削った。その代わりに、放送授業の「数値の処理と数値解析('14)」を追加した。現在申請しているのは、以下の通り。

(放送授業)

・解析入門(’18)

・経営情報学入門(’19)

・数値の処理と数値解析('14)

 

(面接授業)

・銀河天文学

 

 

 

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