タイトルにある須美ちゃんとは吉田須美子、浅見家のお手伝いさんである。本書は故内田康夫さんによる浅見光彦シリーズの番外となる。ただ主役はあくまでも須美ちゃん。光彦は一応出てくるが、この作品では割と重要な役割をこなしてはいるものの、どちらかといえば脇役のような扱いである。本編のように殺人事件など出てこない。でもミステリーらしく、謎解きは出てくる。
今回須美ちゃんは、歳の離れた友人である花屋・花春の主人小松原育代といっしょに1泊2日のミステリーツアーで軽井沢を訪れる。このミステリーツアーに応募するには、ちょっとした謎解きが必要である。
このミステリーツアーの企画者は多田光羽(おおたみつは)という女性。この光羽さんのまだ見ぬ父を探すというのが全体の大きなテーマである。
光彦は電話の向こうで須美ちゃんにいろいろとヒントとなることを話しているが、これを謎解きに活かせるのは、さすが浅見家で鍛えられた?須美ちゃんというところか。でも出てくるパズル、よほど好きな人でなければ解けないだろうなあ。
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