本書は、世界を舞台に働いている11人の体験記を1冊に纏めたものだ。本書中に結構「九州大学」と言う文字が目に入ってくると思ったら、九州大学で2016年から開校されている「世界が仕事場」と言う人気講義を書籍化したものらしい。(P158)
とはいえ、本書に登場するのは、学者ばかりではない。例えば最初の話し手は村井さんという料理人である。
面白いと思ったのは、辰野まどかさんの体験。17歳の誕生日のとき、誕生プレゼントとして、母親からスイスの国際会議に3週間一人で参加する権利を貰ったという。その時は、意味がよく分からなかった辰野さんだが、これが彼女の視野を広げる良い経験になったようだ。しかし、こんなプレゼントをするとは、お母さんもやるもんだ。
各人の話の終わりにQ&Aが付いており、「おすすめ本」も紹介されているので、理解を深める助けになるだろう。
若い人には、このような話をたくさん聞いて、目を世界に向けて欲しいと思う。
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