「いい会社」のよきリーダーが大切にしている7つのこと | |
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内外出版社 |
・瀬戸川礼子
勤めていると、よくリーダーシップ何たらということを聞くのではないか。会社員は誰でも、リーダーシップというものを求められるらしい。
ところが、このリーダーという言葉は結構曖昧で、上は経営者から、下はバイトリーダーまで、様々な階層で使われているのではないだろうか。へそ曲がりな私などは、そんなにリーダーをつくってどうするんだろうと思わないでもないのだが、本書で想定しているリーダーとはどちらかというと経営者に近い人たちのことのようだ。
もちろん、それぞれの階層でリーダーはいるのだろうが、いくら末端で頑張ったからと言って、それで「いい会社」になったりはしない。やはり、経営層、トップ層の影響というのは大きいのではないかと思う。しかし、誰もが認める素晴らしいリーダーが上に来るとは限らないというのが世の常。バカが上に来るほど悲惨なことはないのだが、ドラマなどではそんな例が掃いて捨てるほど出てくるではないか。そういったものを反面教師として人事権を持っている人間がもっと考えてくれればいいのだが、現実にもそんな例はいやになるくらい多いのではないかと思う。
本書では、「いい会社」のリーダーたちは、何を大事にしているかを、具体的な例を挙げながら示している。それは例えば「心」だったり「順番」だったり。しかし一つ指摘しておきたいのは、これらは相関関係であり、因果関係ではないということだ。いい会社のリーダーはこれらを大切にしているといっても、逆にこれらを大切にしたからと言って、必ずしも「いい会社」になるとは限らないことは注意しておかなければならないと思う。
また、個別に見ると、どうかなと思うようなことも書いてある。いい会社の取り組み例(p229)として、毎朝1時間かけて社内外を掃除したり、毎日朝礼を1時間といったようなことが載っているのだ。私なら、それだけでそんな会社に入ろうとは思わない。その分の給料はちゃんと出ているのだろうかちょっと気になった。また、日時設定にしても、毎日午前7~8時に設定しているのを褒めていたが(p228)、いくらなんでも早すぎないか。朝が苦手な私など、絶対にそんな会社が「いい会社」なんて思わないだろう。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。