人間は考えても無駄である-ツチヤの変客万来 (講談社文庫) | |
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講談社 |
おなじみ、自虐ネタでは他の追随を許さない、笑う、もとい笑われる哲学者No.1、土屋賢二先生の「 人間は考えても無駄である ツチヤの変客万来」(講談社文庫)。何と言っても、このタイトルがいい。確か昔の哲学者に、「人間は考える葦」とかなんとか言っていた奴がいたが、ツチヤ先生は、「考えても無駄である」とバッサリ切って捨ててしまう。なんというすがすがしさだろうか。ツチヤ先生のこと、このタイトルにも、きっと深い意味が・・・あるわけないか(笑)
ところで、本書は、副題に「ツチヤの変客万来」とあるように、色々な分野の人との対談集である。「万来」と書いてあるものの、実際に対談しているのは、わずかに4組5名。もうこの辺りから、ツチヤ流のレトリックが顔を覗かせている。登場するのは、科学者の佐藤悦久氏、文学者の池田栄一氏、音楽仲間の内田満氏と小久保和英氏、心理学者の内藤俊史氏といった面々だが、「変客」ぶりは、決してツチヤセンセのキャラに負けてはいない。
この対談が抱腹絶倒。殆どけなし合っていると言ってもよいような具合だ。鋭いツッコミの応酬ばかりではなく、時々ボケも入る。まさに「類は友を呼ぶ」ということだろうか。要所要所で、ナイスツッコミを披露している助手は、同一人物ではなく、合計3名になるそうだが、どれを見ても、すばらしいツッコミの才能。とても別人とは思えない。一度弟子の顔も見てみたいものだが、「私はツチヤ先生の弟子です」と勇気を持って公言している人っているのかな(笑)。
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