中小企業をターゲットに、どのようにすれば経営革新が図れるかを説いた、
「会社を黒字にするとっておきの経営革新術」(岡春庭:セルバ出版)。副題は、
「脅威的に会社が蘇る『ビジネスモデル』のつくり方」となっている。
アベノミクスで、見かけ上景気は上向いているように見えるが、実際は多くの中小企業が赤字にあえいでいるという。そんな中小企業がどうやったら経営革新を行い、利益を出せるような体質に変わるのか。何か特効薬のような者がある訳ではない。なにしろ、利益を出す方法は大きく分けて、売上を上げることとコストを下げることの2つしかないのである。だから本書に書かれている色々な手法も、極めてオーソドックスなものだ。しかし案外と知られていない(行われていない)のではないだろうか。
自社の強み・弱みをきちんと把握して、事業戦略を立てて、具体的な中期や年度の経営計画を立てる。立てた計画は、きちんとPDCAサイクルを回して、管理していく。社内の体制についても、利益が出せるようなものに再構築する。一言で言えば、こんなことなのだが、実際にやるとなると案外と難しい。しかし心配する事はない。本書には、そのためのツールが色々と示されているのだから。
私は、一番大切なことは、自社の強みを、どう経営に活かしていくのかということだと思っている。これなくしては、いくらコストを下げても、社会や親会社などから、それ以上のコスト削減を要求され、泥沼に嵌っていくだけである。絶対に会社の発展はない。本書にも最終章に経営革新を成し遂げた事例が3つ紹介されているが、いずれも自社の強みを活かしたものだ。その強みを活かす戦略を考えたうえで、ここに書かれているような様々なツールを使って経営を革新していくことが大切なのである。
ただ、社長と従業員が2~3人しかいないような会社に、この本で紹介されていることを全部やれと言っても無理があるだろう。必ずしも、フルセットでやらなくても会社の実情に合わせて取り入れていけば良いのではないか。
最後に、せっかく色々なツールを紹介しているのに、ドットの粗いプリンターで打ち出したものを、縮小してそのまま掲載したのだろうか。非常に読みにくくなっている。ここは、改善を望みたい。
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