超チーム力 会社が変わる シリコンバレー式組織の科学 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション) | |
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・リッチ・カールガード マイケル・S・マローン、(訳)濱野 大道
「三人寄れば文殊の知恵」という諺があるように、一人でなにかをしようとするよりは、チームで取り組んだ方がうまくいく。しかし、勝つチームがある一方で負けるチームも存在する。本書は、この勝つチームを作り上げるにはどうすればよいかを、人類学、社会学、精神科学、認知科学などにおける最新の知見と照らし合わせて、論じていこうというものである。
人間の本質は協力し合うことであり、チームを作って問題に取り組むものだという。人間は、徹底的に社会的な生き物なのである。だから。革新的な仕事をやり遂げた人には、必ずパートナーがいた。スティーブ・ジョブズしかり、ビル・ゲイツしかりなのだ。日本でも本田宗一郎と河島喜好の組み合わせはすぐに思いつくだろう。
学問の世界でも同様だ。時空の概念を根本から変えたアインシュタインだってそうなのだろう。あの一般相対性理論を確立するためには、リーマン幾何学という高度な数学が必要だった。それをアインシュタインに教えたのが、友人で数学者でもあるグロスマンだったのだ。
本書で主張されているように、チームを組むうえで大切なのは多様性だ。同質の人間の集まりからは、決して革新的なものは生まれない。いろいろな考え方の人が集まり、そこで化学反応を起こしてこそ、新しいものが生み出されるのである。
本書は、このようなチームというものの特質、マネジメントにおける留意点などを、ペアリングから1500人規模の組織に至るまで、多くの事例とともに示している。もしあなたが、チームを率いて何かをやらなければならない立場なら、ぜひ目を通しておいた方がよいだろうし、経営層の人間にとっても多くの示唆に富んだ内容だろう。
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※本記事は、書評専門の拙ブログ「風竜胆の書評」に掲載したものです。