文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

焼いてるふたり(1)

2021-11-29 19:05:26 | 書評:その他

 

 焼いてるといっても、放火とかの物騒なものではない。ふたりが焼くのはお肉。そうBBQだ。要するにこの作品はBBQに焦点を当てたグルメ漫画である。

 主人公は福山健太と山口(旧姓)千尋のふたり。マッチングアプリで出会ったふたりだが、健太のほうは、これまでさんざん痛い目にあってきたらしい。やりとりの途中で切られたり、約束をすっぽかされたり。ちなみに健太は30歳のエンジニア、千尋は大手企業に勤めるデザイナー。

 こんどこそと、おしゃれなお店を予約していた健太だが、千尋から遅刻するとのメールが入る。これまで、遅刻すると言われて相手が来たためしがない健太は、また振られたと思い、そのメールに返事もせずに帰ろうとする。でも、そこに息を切らした千尋が現れる。既におしゃれなお店を出てしまった健太は、千尋を焼き肉屋に連れて行く。

 「縁は異なもの味なもの」という言葉があるが、どこが千尋の琴線に触れたのか、二人は時々会って食事をする仲に。千尋は同僚からはクールビューティと思われていたが、実はかわいらしい食いしん坊キャラ。

 ところが、健太が東京から浜松に転勤になり、別れを決意するも千尋から意外な言葉が。

私たち 結婚しませんか?(p24)



 かくしてふたりは夫婦になったのはいいが、千尋は東京、健太は浜松に職場がある。そこで週末になると千尋が浜松に行くという週末婚。おまけに手をつなぐことさえドキドキ。

 いや、本当にマッチングアプリで、千尋さんのような人と出会えるのなら、自分も入りたいような・・・。しかし、夫婦になってから少しづつふたりの距離を縮めている段階なので、そう簡単に夫婦関係という訳にはいかない。果たして、二人の関係はどうなるのか。また週末婚の状態は解消できるのか。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

銭形平次捕物控 060 蝉丸の香爐

2021-11-27 09:32:50 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 蝉丸と言うのは、小倉百人一首にも歌が収録されている琵琶法師の歌人であるが、その実態はよく分かっていない。その蝉丸ゆかりの香炉というのが、今回の事件の中心となる。

 事件は、町人ながらも名字帯刀を許された玉屋金兵衛という商人が、新年の大香合せに使うため、さる大々名から借りた青磁の蝉丸の香爐が紛失したところから始まる。香炉が見つからないと、その大名に迷惑がかかるだけでなく、金兵衛自身も自分の命で償わないといけないという。金兵衛の依頼で解決に乗り出したのが平次というわけだ。

平次がこの事件に乗り出したのは、

大名高家では、青磁の香炉一つと、人間の命と釣替に考えているやうだが、こちとらの眼から見れば、猫の子のお椀と大した違ひがあるものか。そんな事で玉屋の主人が首でも縊るやうな事があつちや悪いと思うから乗出す気になつたのさ。俺は寶物の詮議など、本來なら真平だよ


 このあたり、平次の考え方が分かるだろう。同時に平次が貧乏なわけもなんとなく見当がつく(笑)

 疑いをかけられたのが、金兵衛の娘お幾の友人のお糸。お糸は、本郷で古道具屋をやっている與次郎の娘だ。この與次郎が平次のところにやってきて、金兵衛のところの番頭・甚助がお糸をつれていったというのだ。もし大名に渡されればお糸は殺されてしまうだろう。実はお糸は金兵衛の息子の金五郎と良い仲になっている。與次郎が言うには、同じ町人の番頭風情が、お上でもないのに、他人の娘を誘拐するようにつれていっていいのかということ。

 もちろん平次は、お糸を助け出すのだが、こんどはその甚助が殺される。そして死体の下には、刻印のない小判が落ちていた。調べていくと明らかになる23年前の事件との因縁。

 ところで、平次、テレビとは違って、原作小説では、ほとんど銭を投げる場面がない。これも貧乏暮らしをしているので、銭を投げすぎるとお静さんに叱られるのだろうか(笑)。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会社を戦略通りに運営する バランススコアカードの使い方がよくわかる本

2021-11-25 09:52:50 | 書評:ビジネス

 

 皆さんはバランスコアカードを知っているだろうか。経営戦略を立案するためのツールの一つで、基本は、「財務の視点」、「お客様の視点」、「業務プロセスの視点」、「人材の視点」の4つを使って戦略を組み立てていこうとするものだ。使うところによっては、もちろん各視点に濃淡があり、微修正も必要となるだろう。バカ正直に本に書かれている通りにすればいいというものではない。自分たちの業務に使いやすいようにしていく、それも使いこなすためのコツのひとつなのだ。

 本書は、バランススコアカードとは何かということについて説明したあと、使いこなし方や、企業等で使われている事例など、これからバランススコアカードについて勉強したい人にはその概要を知るうえで、参考になることも多い事だろう。

 バランススコアカードは、使えば素晴らしい回答が得られるという打出の小槌ではない。使ってみても、最初はありきたりの結果しか出てこず、あまり満足のいくような回答が得られないかもしれない。そうバランススコアカードは、考えるためのツールに過ぎないので過剰な期待をし過ぎてはいけない。ただし、これら4つの視点で考えると格段に見通しは良くなるだろうし、習熟するにつれて、内容がどんどんよくなっていくだろう。要は、使い続け、自家薬籠中のものにすることが大事なのだ。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

デンキ街の本屋さん 2

2021-11-21 08:49:00 | 書評:その他

 

 

 大分前にアニメでも放映されていた作品の2巻目。デンキ街にあるマニアックな本屋さん「COMIC うまのほね」で奮闘するスタッフたちの日常を描いた物語だ。ここで働く人たちは個性的な人ばかり。一番面白いのが、エロマンガの知識がすごく、客に適切なアドバイスをすることができるソムリエと、ゾンビ大好き女子高生の腐ガール。ちなみに二人は互いに好意を持っている。

 その他、漫画家を目指す先生とその先生の道人活動を手伝っている海雄、キャスケット帽とカメラが離せないカメ子、「非オタ」枠で乗せられ安いひおたんなど面白そうな人ばかり。

 描かれているのは、新刊ラノベの深夜販売の様子。それにしても深夜販売なんてあるんだ。地方では聞いたことがない。それと1月1日の様子。この日は俗に「コミケ4日目」(なぜか作品中ではコミカと書かれているが)と呼ばれ、コミケ3日分の同人誌が、委託販売でショップに並ぶらしい。

 ソムリエは、ソムリエ会と称して、この店でエロエロな本を客に紹介するイベントをよく行っている。このソムリエ会の来るのが、「エロ本Gメン」の女性。摘発しに来るのかと思えば、

私は・・・不健全人間です これからも不健全な本・・・教えて下さいね


だって。

 特に大きな事件が起きる訳ではないが、全体的にユーモラスで面白い。読んでいてついにやにやしてしまう。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

銭形平次捕物控 095 南蛮仏

2021-11-19 08:31:06 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 この副題をみて、ピーンと来る人もいるだろう。キリスト教が日本に渡ってきた後、禁教となったので、地下にもぐり、隠れキリシタンとなった。密かに信仰しているため、観音菩薩に似せたマリア像(マリア観音)などを祀っていたのは有名だ。でも当時のキリスト教は植民地化の先兵。キリスト教と知らない蛮人たちに、正しい神の教えを広めるというはた迷惑な考えでやってきたのだ。だから為政者は危険を感じ禁教に指定したのである。しかし、素朴な庶民たちは、なぜかキリスト教に帰依してきた。この話もそのキリシタンに関係するものだ。

 この物語は、いつものようの八五郎が平次の家に飛び込んでくるところから始まるのではなく、いきなり屑屋の周助が殺されたというところから始まる。彼は、転び切支丹と宗門御改めの台帳に載っており、祀っているマリア観音の台座には百両もの大金が隠されていた。

 周助は三軒長屋の真ん中に住んでおり、その両隣のどちらかのうち先に帰ってきた方が犯人だと目されていた。いつものように、平次の敵役、迷探偵役の三輪の万七とその子分のお神楽の清吉が、左隣に住んでいる蝮の銅六をしょっぴいたが、大体万七のやっていることは、無実の人間を冤罪でしょっぴくこと。この時点で真犯人は、右隣に住んでいる魚屋の伝吉だとおもいきや、実は・・・。

 でもやっぱり、三輪の万七は平次の引き立て役だった。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ばくおん!! 5,6

2021-11-17 09:56:38 | 書評:その他

 

 

 丘乃上女子高等学校に通う、バイク部の生徒たちを描いたこの作品。主人公は佐倉羽根という女子生徒。そしてバイク部の面々は、来夢先輩、三ノ輪聖、天野音紗。そしてバイクではないが、よく一緒に活動している鈴乃木凛。それぞれ、ホンダ(羽音)、カワサキ(来夢)、ドゥカティ(聖)、ヤマハ(音紗)、スズキ(凛)のバイクに乗っている。ちなみに、凛のスズキ愛はすごく、よくそれを音紗にからかわれてケンカになっている。つまり、凛と音紗はケンカ友達とでも言おうか。

 来夢先輩はめでたく?留年。またバイク部で活動を続けることになったが、丘乃上の校長であるたづこがまだ女子高生時代から、バイク部の先輩としていたようだから、いったいいつから、そしていつまでいるつもりだ。そして、新学年になり、バイク部に新入部員が入ってくる。中野千雨という現役のミニバイクレースのチャンピオン。背が低く、普通のバイクでは足が届かないのがコンプレックス。(以上5巻)

 羽根は、音紗の実家ニコイチメータースで、教習車だったバイ太とめぐりあう(ただしガソリンタンクのみ)。そして三ノ輪家の執事、早川さんが若返ってしまう。その姿はなんと男の娘。本人曰く、当時の三ノ輪家は女系家族だったので、メイド姿の方が都合が良かったらしい。でも早川さんのバイクの腕は、来夢先輩と肩を並べるくらいすごいものだった。(以上6巻)

 可愛らしい女の子たちが、バイクにのってきゃっきゃっしているのは見ているだけで、なかなかいいものだ。音紗と凛のケンカも、結構面白い。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

銭形平次捕物控 216 邪恋の償ひ

2021-11-15 08:34:11 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 この話も、一連の銭形平次捕物控の中の話と同じく、八五郎が平次の家に飛び込んでくるところから始まる。

親分、逢つてやつて下さいよ。枝からもぎ立ての桃のやうに、銀色のうぶ毛の生えた可愛らしい娘ですがね


八五郎が、永代橋の欄干で水の流れを見つめていた娘を連れて来たらしい。八五郎が可愛らしい娘に弱いのは相変わらず。

八五郎が言つたもぎ立ての桃は良い形容詞でした。化粧もろくにしないらしい處女の肌には若さが馥郁ふくいくと匂つて銀色のうぶ毛の見えるのさへ何んとも言へない新鮮さです。



 娘は、板屋八十郎という深川佐賀町に住む三千五百石の大旗本の姪で、4日前に、叔父が永代橋から、馬に乘つたまゝ、大川に落ちて亡くなったというのだ。板屋の家に離家に杉本という先代順三郎樣の謠の師匠が住んでいたが、こんどはその杉本が自害したというのだ。

 結局、平次はこの事件に乗り出すことになるのだが、事件の背景には板屋家のお家騒動と言うか乗っ取りのようなことがあった。平次は事件の真相が分かってしまったのだが、結局は、知らぬ存ぜぬを決め込む。

あつしは何んにも言やしません。武家の意地や體面や、つまらねえ義理は大嫌ひだが、旦那のなすつたことは無理もねえ。

 

俺は昔から言つてる通り、武家のイザコザは大嫌ひさ。



 平次には、こんな割り切ったところがある。他の話でもこんな場面は見られるのだが、テレビドラマではあまり分からないかもしれない。でも、原作の方を読むとよく分かる。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

放送大学2021年度2学期通信指導提出完了

2021-11-13 10:43:59 | 放送大学関係

 放送大学年度2学期の通信指導(レポート)をシステムWAKABAから提出した。提出したのは今学期履修の「社会調査の基礎」と「生活経済学」の2科目。まあ、問題自体は既に解いており、後は提出するだけの状態だったんだが。

 提出は今日からだと思い込んでいたが、Webは、9日から受け付け開始だったようだ。郵送だと16日からとなる。どちらの日付も、今日の13日とかすってもいないやん。よく確認することが大事だと再認識した次第。

 とりあえず、通信指導を提出したので一安心である。50肩の痛みもなくなってきたし、コロナとインフルエンザのワクチンは終わったし、そろそろ秋田大の通信教育の方も再開しようか。つい在籍期間がまだあると思うと後回しになっちゃうんだよなあ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日経BP実戦MBA(6)MBAミクロ経済学

2021-11-13 08:24:58 | 書評:学術・教養(人文・社会他)

 

 ミクロ経済学とは、企業や家計の行動に注目して、経済活動を分析する経済学の分野である。著者の小島さんは本書執筆時は、帝京大の専任講師だったが、現在は教授になっている。かって、日本人で最もノーベル経済学賞に近いと言われた故宇沢弘文さんのゼミの出身で、師の宇沢さんと同じく数学から経済学に転向した人だ。

 また、MBAとは、Master of Business Administrationの略で日本語では経営学修士と訳されている。かってはよく話題にされていたのだが、最近はあまり聞かない。これも熱しやすく冷めやすい日本人の特性なのだろうか? それとも私がビジネスの世界から離れすぎたためか?

 それはさておき、本書は、数式を使ってミクロ経済学のエッセンスを紹介したものだ。数式を使ってと書いたが、使われている数学自体は高校生レベルだし、もしかするとできの良い中学生でも理解できるのかもしれない。しかし、数式を使っているというのは決して本質的なところではない。問題は経済学的な概念を上手くつかめるかどうかというところだ。

 なぜか、経済学は数式を使うのにも関わらず、文系の学問とされ、多くの私大では、入試に数学が課せられない場合が多い。(最近は変わってきているようだが) なぜ数学が入試に課せられないのかを地方私大の教授に聞いたことがある。やはり受験生が少なくなるという経営上の理由があるようだ。

 どうか数式が使われていても恐れずに、本書を読み込んで欲しい。そうすれば、数式に裏打ちされた、経済学的な概念を掴めることと思う。そして、一味違う経済学の世界が開けてくるのではないかと思う。ただ、あくまで数式が使われているのは数理的なモデルに対してであることは認識しておく必要があるだろう。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あまんちゅ! 1,2,3

2021-11-11 10:28:43 | 書評:その他

 

 

 

 この作品の主人公は二人。東京から伊豆に引っ越してきた大木双葉(てこ)と地元の女子・小日向光(ぴかり)だ。二人は、静岡県立夢ヶ丘高校の同級生。物語は、二人の高校生活を描いたものだが、海の近くらしく、スキューバダイビングに関する話も重要な位置を占めている。ぴかりは、スキューバダイビングが趣味で、アマチュアのインストラクターをしている。てこは、ぴかりに引きずられるように、次第にダイビングの魅力に目覚めていく。

 ところで、漫画やアニメに出てくる女子高生の制服といえば、なぜかものすごくスカートが短いのがデフォのようになっているが、この作品では、ロングスカートの制服なのだ。といっても全然やぼったくはなく、なんとなく優雅な感じがする。ダイビング部顧問の火鳥真斗先生、大人の女性らしく色々な服装をしているが、1巻ではけっこうスリットがすごいロングスカートを履いていた。美人でスタイルが良いので、それもよく似合ってたんだけどね。ただ、実際には、ロングスカートの制服も、大きなスリットの入ったスカートを履いてる女性教師も見たことはないが。

 この作品は以前テレビアニメでやっていて、結構話題になっていたのを覚えている。大分前だったので、ストーリーの方は忘却の彼方だが、なんかほのぼのするなあ。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする