文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

基礎とモデル

2009-03-27 14:01:27 | 経済学
 池田信夫氏のブログを読むとよく分からない部分があった。氏のブログ記事「思考する言語」から引用してみよう。尚この記事は、ピンカーと言う人の本の訳書に対する氏の感想を書いたもののようだ。

<生成文法や新古典派経済学のような疑似科学がアカデミズムで主流だったのは、その数学的に整った体系が、大学や学界のヒエラルキー構造を維持する上で便利だったからだが、社会科学が数学や物理学をモデルにするのはおかしい。社会の要素は人間なのだから、今後の社会科学の基礎は脳科学や心理学だろう。>

 まず、数学的に整った体系が、なぜ大学や学会のヒエラルキー構造をを維持する上で便利だったというのだろう。仮にそうだとすると、最もヒエラルキー構造が顕著なのは、理工系の分野のはずである。しかし、理工系は人文科学系や社会科学系に比べヒエラルキーはそれほど堅固ではない。理論が数学的に体系だっていることと人間組織がヒエラルキー構造になっていることとの間には、なんら論理的な関係は見出せない。

 次に数学はモデルにしているというよりは、思考を他の者に正確に伝えるための道具として使用しているのだろう。数式で書けば1行で書けることを言葉で書けば冗長になるだけでなく不正確にもなる。<今後の社会科学の基礎は脳科学や心理学だろう>と言っても、この二つだけを基礎に社会科学が展開できるわけではない。脳科学がどのように社会科学の基礎となるのかはよく分からないが、社会科学で人間を基礎に置くのは当然のことだ。しかし、何らかの社会科学のモデルを考えた場合、それを厳密に記述するのには数学ほど便利なものはない。その意味で、社会科学での、基礎としての数学の素養の必要性は少なくともこれまでより少なくなることはないだろう。

 更に、仮に社会科学の基礎が脳科学や心理学になったとしても、それとモデルをどのようにつくるかとの間には論理的な関係はない。脳科学や心理学を基礎にしても、物理学のような秩序だった体系をつくることは可能性としては否定できないだろう。基礎にするということとモデルにするということはレイヤーが違うと思うのだが。

 (応援クリックお願いします。) ⇒ 人気ブログランキング 


 「読書と時折の旅(風と雲の郷 本館)」はこちら 

 「本の宇宙(そら)」(風と雲の郷 貴賓館)はこちら
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

情報システム監査専門内部監査士(内部監査の資格3)

2009-03-24 20:57:40 | 資格試験一般
 しばらく、内部監査関係の資格シリーズということで、今日は、「情報システム監査専門内部監査士(QISIA:Qualified Information System Internal Auditor) 」と言う資格の紹介だ。

 これも内部監査士と同様に(社)日本内部監査協会が主催する「情報システム監査専門内部監査士認定講習会」を修了すればもらえる。やはり、日本国内限定の称号である。別にこの資格がなくても内部監査はできるので、厳密には資格とは言えないかもしれないが、広義の資格と考えれば良いだろう。

 こちらも、内部監査士と同様50時間の講習プラス論文審査による取得となり、受講料も会員で157,500、非会員で225,750である。想像だが、この受講料では、個人ではなかなか受けにくいのではないかと思う。内部監査部門に所属する者が力量の証明のため会社業務で取得する者が多いのではないだろうか。

○(社)日本内部監査協会のHPはこちら

○関連過去記事
「放送大学「組織運営と内部監査」のテキスト到着」
「CIA(内部監査の資格1)」
「内部監査士(内部監査の資格2)」

 (応援クリックお願いします。) ⇒ 人気ブログランキング 


 「読書と時折の旅(風と雲の郷 本館)」はこちら 

 「本の宇宙(そら)」(風と雲の郷 貴賓館)はこちら
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

内部監査士(内部監査の資格2)

2009-03-22 10:19:21 | 資格試験一般
 今日も昨日に引き続き、内部監査関係の資格の紹介をしよう。今回紹介するのは内部監査士(QIA:Qualified Internal Auditor)である。

 これは昨日紹介したCIA(公認内部監査人)試験の日本での運営管理を行っている(社)日本内部監査協会が主催する「内部監査認定講習会」を修了すればもらえる。CIAと一字違いだが、CIAは一応国際的に使える称号なのに対して、こちらは日本国内限定の称号である。

 講習を受ければ取得できるのだが、その講習時間というのが50時間で、最後は論文審査もある。受講料も会員で157,500、非会員で225,750とかなり高額なので、会社業務で取得するならともかく、個人として取得するにはあまり向かないだろう。もちろん、これも民間資格の一つであり、その人の力量を証明するという性質のものなので、この資格がなければ内部監査ができないといったようなものではない。

○(社)日本内部監査協会のHPはこちら

○関連過去記事
「放送大学「組織運営と内部監査」のテキスト到着」
「CIA(内部監査の資格1)」

 (応援クリックお願いします。) ⇒ 人気ブログランキング 


 「読書と時折の旅(風と雲の郷 本館)」はこちら 

 「本の宇宙(そら)」(風と雲の郷 貴賓館)はこちら
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

CIA(内部監査の資格1)

2009-03-21 18:46:46 | 資格試験一般
 昨日の記事で放送大学の科目としてH21年度1学期から開講された「組織運営と内部監査」について説明したが、このブログは一応「資格ブログ」ということで、「内部監査」関係の資格についても紹介していこう。別に私が、持っていたり、取得を考えているというわけではないということは、誤解の無いように申し添えておく。

 今回紹介するのはCIAと呼ばれる資格だ。CIAといってもアメリカ中央情報局のことではない。Certified Internal Auditor(公認内部監査人)のことである。

 CIAは、内部監査人の能力の証明と向上を目的とした国際的な資格であり、世界80カ国で実施されている。しかし、この資格がないと内部監査ができないという訳ではない。内部監査のプロフェッショナルであるということを国際的に証明する称号なのである。

 IIA(The Institute of Internal Auditors)という機関が実施団体で、日本では日本内部監査協会が運営管理を行っている。もちろん日本語で受験可能だ。

 最近は金融商品取引法等の関係でCIA資格に注目が集まっているようだが、資格認定のためには色々要件があり、受験料も結構高いので、内部監査に現在従事していない人が、将来に備えて、何か資格を取っておこうというような目的にはあまり向かないかもしれない。

○(社)日本内部監査協会のHPはこちら

○関連過去記事
「放送大学「組織運営と内部監査」のテキスト到着」

 (応援クリックお願いします。) ⇒ 人気ブログランキング 


 「読書と時折の旅(風と雲の郷 本館)」はこちら 

 「本の宇宙(そら)」(風と雲の郷 貴賓館)はこちら

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

放送大学「組織運営と内部監査」のテキスト到着

2009-03-20 20:41:48 | 放送大学関係
 放送大学から、H21年度上期の受講科目である「組織運営と内部監査」のテキストが届いた。

 ところで、内部監査という言葉になじみのない人も多いことだろう。大学でもあまり、内部監査について教えているという話も耳にしない。監査というのは、端的に言えば、きちんと決められたことをやっているかということと、決められたことは有効かどうかということを、実際にその業務をやっている人たちからは独立した第3者的な視点でチェックすることだ。

 ある程度の規模の会社なら通常3種類の監査が行われている。監査役監査、公認会計士監査そして内部監査である。この3つの監査を総称して三様監査と呼んでいる。最初の二つの監査は法で定められた法定監査であり、最後の内部監査は法に定められているわけではないので任意監査である。しかし、会社法において、大会社である取締役会設置会社は内部統制システムの構築を義務付けられており、金融所品取引法でも、上場会社に対して「財務報告に係る内部統制」に関する報告制度を導入しているため、内部統制の一環である内部監査の重要性はますます高まっている。そのような背景の中で、放送大学に内部監査に関する科目が開講されたのは、時宜を得ていると言えるであろう。

 放送大学のこの講座は、(社)日本内部監査協会からの寄付金で制作されたという。テキストは、内部監査全般にわたり、分かりやすく書かれており、内部監査に関する全体像をつかんだり基礎的な知識を身につけるにはちょうど良いように思える。

 この科目と、前学期からの積み残しの「数理ファイナンス」の2科目が1学期に取り組む科目だ。しばらくさぼり気味だったので、ここらで心機一転がんばろう。


 (応援クリックお願いします。) ⇒ 人気ブログランキング 


 「読書と時折の旅(風と雲の郷 本館)」はこちら 

 「本の宇宙(そら)」(風と雲の郷 貴賓館)はこちら


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

J検(情報デザイン試験)の合否通知が来た

2009-03-18 21:11:37 | 資格試験受験関係
 先般ネットで合格を確認していたJ検の情報デザイン試験の合否通知が来た。
 受験申込時の手違いで、申し込んだのが「共通科目」のみなので、扱いは「科目合格」である。どうもすっきりしないが、次回までは、共通科目の合格は有効なので、また他の科目を受けることにしよう。

 ほとんど事前勉強をしなかった割には、100点満点中の93点だった。パソコンを使って仕事で資料づくりなんかをしていれば、ある程度検討がつくようなことも多いので、他の科目もたぶんなんとかなると思うのは甘いかな。

 (応援クリックお願いします。) ⇒ 人気ブログランキング 


 「読書と時折の旅(風と雲の郷 本館)」はこちら 

 「本の宇宙(そら)」(風と雲の郷 貴賓館)はこちら


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

首都機能の分散はどうなった

2009-03-17 19:16:07 | オピニオン
 先般所用で東京に行った。相変わらず嫌になるくらいに人の数である。世間は不況のはずなのに、東京駅には相変わらず、ネズミの国のお土産品を持った人々が多く目につく。

 東京を中心とした関東地方の繁栄に比べ、サブプライムに端を発した今回の不況のずっと以前から、地方はずっと衰退を続けている。それでは、どうして東京周辺だけが発展しているのか。

 別に、関東の自治体が特別な努力をしているわけではないだろう。たまたま東京が首都になったからだ。そして、許認可権を持った役所の本庁はみんな東京に置かれている。だから企業も東京に本社を置いた方が便利が良かったので、自然に集まってきた。企業が集まれば、更にそれに対するサービスを提供する会社もでき、いつの間にか東京の一人勝ちのような状況となってしまった。これは別に東京が他の自治体に比べて特別優れたことをやったからではないだろう。京都からの遷都がなかったり、大阪が首都になっていたとすれば、関西が同じようになって、ネズミの国も関西につくられていたに違いないのだ。

 しかし、これだけ交通網や通信網が発達した現代で、必ずしも東京に首都機能を集中させる必要性はもはや無いだろう。一時期よく聞いた首都機能の移転の話も最近はほとんど耳にしない。道州制の議論をする前に、まず首都機能の分散を行わないと、結局は、今の中央と地方の格差は変わらないのではないだろうか。

 (応援クリックお願いします。) ⇒ 人気ブログランキング 


 「読書と時折の旅(風と雲の郷 本館)」はこちら 

 「本の宇宙(そら)」(風と雲の郷 貴賓館)はこちら



 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

J検(情報デザイン試験) 共通科目の合格

2009-03-13 19:32:18 | 資格試験受験関係
 2月に受験したJ検(情報デザイン試験)の共通科目の合否発表が、いつの間にか(財)専修学校教育振興会 検定試験センタ-のホームページ上で行われていた。

 結果は以下の通り

 得点:93 点 合否結果:科目合格

 科目合格とあるのは、この「共通科目」と「ビジュアルデザイン分野」、「インタラクティブメディアデザイン分野」、「プレゼンテーションデザイン分野」科目のどれかとを組み合わせて、その分野の合格認定をするということらしい。

 実はこの試験、ネットで申し込む時に失敗して、「共通科目」だけしか申し込めなかったのである。なんとも中途半端な感じなので、次回までは、合格が有効なので、他の科目も申し込んでみよう。

 (応援クリックお願いします。) ⇒ 人気ブログランキング 


 「読書と時折の旅(風と雲の郷 本館)」はこちら 

 「本の宇宙(そら)」(風と雲の郷 貴賓館)はこちら


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

放送大学の成績通知が来た

2009-03-13 19:11:58 | 放送大学関係
 今日家に帰ると、放送大学から成績通知が届いていた。

 といっても、最近さぼり気味なので、単位を取得したのは面接授業の2科目だけ。

 これで、自然の理解関係の専門科目を17単位取れば3回目の卒業ということになる。特に卒業を急ぐ理由もないので、のんびりあせらず自然体で、専攻の科目に限らず興味のあるものを受講していくつもりだ。

 (応援クリックお願いします。) ⇒ 人気ブログランキング 


 「読書と時折の旅(風と雲の郷 本館)」はこちら 

 「本の宇宙(そら)」(風と雲の郷 貴賓館)はこちら

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

何のための修業だったのか

2009-03-08 11:37:12 | オピニオン
 滋賀県の臨済宗の寺で、修行僧が酒をのんで口論となり同僚をつき落として死なすという事件が起こったそうだ。

 加害者は52歳、被害者は47歳、いずれも長く仏門に使える身である。時代が違うと言われるかも知れないが、修行の身でありながら酒を飲んで争うとはどういうことだろう。普通のサラリーマンなら、仕事が終わってちょっと一杯ということもあるだろうが、最近の修行僧も同じように仕事感覚で修業を行っているのだろうか。これまでどんなに長く修行をしてきたとしても、結局形だけの修行だったということだったのか。

修行僧が酒飲み口論、同僚つき落とし死なす 滋賀の寺(朝日新聞) - goo ニュース

 (応援クリックお願いします。) ⇒ 人気ブログランキング 


 「読書と時折の旅(風と雲の郷 本館)」はこちら 

 「本の宇宙(そら)」(風と雲の郷 貴賓館)はこちら

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする