今日、近くのコンビニから2021年度1学期の学費を振り込んだ。また夕方今回卒業した情報コースの学位記が届いた。これで放送大学6つ目の学位記だ。あと今回入った「生活と福祉コース」でコンプリートとなる。早めに終わらせて、他の大学の通信教育を受けるか、今度入った生活と福祉コースを目いっぱい引っ張るかは悩みどころだ。
本書は嵐山さんが沖釣り(船釣り)をしている様子をユーモラスな文体で描いた釣りエッセイという形で纏めたものだ。紹介されている釣り場は東京近辺が多いが、中には香川県、新潟県、長崎県などにも遠征している。なお、文中「タコの介」なる人物がよく出てくるが、これは、沖釣り専門誌の「つり丸」編集長(当時)の樋口正博さんのことである。なおネット情報によると、樋口さんは2019年7月に亡くなられているようだ。
タイトルの通り、釣った魚を船上で開いて干して、美味しく食べるのだがすべての魚という訳ではない。例えば、ヒラマサのように大きな魚は開いて干すという訳にはいかずに他の食べ方をしている。
実は、私にも昔釣りに凝っていた時期があった。船は酔うので、もっぱら堤防からの投げ釣りなのだが、夏はキス、冬はカレイがよく釣れた。今は当時住んでいたところとは別のところに住んでいるので止めているのであるが。
釣りと言えば面白いことがあった。昔勤めていた会社でのことだ。釣り大会で皆船で繰り出した。私も最初は船に乗っていたのだが、酔ってしまって、近くの波止場で下ろしてもらった。やることもないので、一人寂しくサビキ釣りなどをしていたのだが、なんと私が一番の大物を釣り上げてしまった。確かウマヅラハギだと記憶している。同僚は皆呆れていたが、波止場でこれだけの大物が釣れるのなら、船っていったい・・・・。
本書を読んでいると、色々な魚を対象とした釣りが紹介されており、また釣りを再開したくなってきた。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。
鉄道マニアの少女二人が九州を中心に鉄道旅をする物語。竹書房が発行する「まんがくらぶ」に、2017年12月号から2019年8月号まで連載されていたらしい。
鉄道マニアの女性を俗に鉄子というが、この物語の特徴は、四コマ漫画でストーリーが進んでいくことと、二人の鉄子がものすごい美少女なこと。
さて、二人の鉄子だが、一人は、一条咲良という有名企業の超お嬢様女子高生。一条グループは枕木販売で財を成したという設定のため、「視察」と言う名目で色々なところに鉄道旅をしているが、その実態は単なる乗りテツ。
もうひとりは、霧島月詩という、こちらは超庶民な同じ高校に通う女子高生(但しクラスは違う)。同じ鉄道マニアだったことから咲良と仲良くなり、二人で旅をするように。
二人の通う高校は、鹿児島県にあるので、九州地方の鉄道の話題が多い。なぜ鹿児島と思ったのだが、作者がどうも鹿児島県在住らしい。ただし山陰迂回貨物を見るために、山陰本線の大田市駅まで行っている話が入っている。
九州地方の鉄道などに興味がある方なら、楽しみながら読めるだろう。そうでなくても、実際にこんな美少女が鉄道案内してくれたらいいと思う人も多いのではないかと思う。
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※初出は「風竜胆の書評」です。
この作品を一言で表せば、大学バレー部を舞台にしたハーレムエロラブコメというところか。エロの要素も多めなのだが、コメディの要素もふんだんに盛り込まれているので、そこかしこで笑える。舞台は北海道。立花草太は姉の薫に騙された形で、姉の通う北英大学へ連れてこられる。
姉はバレー部員で高身長。成り行きで、草太はバレー部員の住む旧女子寮の寮長およびバレー部監督になる。バレー部といえば高身長女子が珍しくない。おまけに草太は小柄。正確な数字は分からないが、160cm前後と思われる。おそらく草太の気持ちとしては、巨人の国に迷い込んだようなものだ。
そこで、草太は初恋の長谷川綾乃と再会するのだが、この綾乃、実は超肉食系。草太は、体の一部だけ大のお気に入りになって、あんなことやこんなことを。
タイトルの大きいとは、胸が大きいという意味ではない。高身長という意味だ。何しろみんな180cmを越えていそうな女子ばかりなのだ。絵を見ると草太の頭が女子の胸のあたりに来るのでもっと身長差があるかもしれない。唯一草太より小さいのは、リベロの部長だけ。でもみんな草太のことを好きになっていく(ただし綾乃だけは草太の一部が好き)。そこは、さすが肉食系女子の巣窟。ABC分類でいけばCまでいってしまう。(ただし、姉の薫とはBどまり(←ABC分類に乗せてもいいのか?))
なお余談ではあるが、リベロは部長になれないのではという草太の疑問が1巻にあった。調べてみると、ルール上決められているチームキャプテンやゲームキャプテンにはなることはできないのだが、チームを纏める部長になるのは構わないらしい。
中には高身長ということにこだわる人もいるかもしれないが、美人で可愛らしくて性格がよく、できればちょっとエッチなら別に身長は気にならない。寧ろ気にするのは女子の方だろう。昔三高と言う言葉があった。自分の彼氏は、高身長、高収入、高学歴がいいというのだ。これを皆が異口同音に言っていたのだから呆れてしまう。もしかすると、最近の少子高齢化の一因なのだろうか(笑)。
本作品に「したっけ」という言葉がよく出てくる。最初は「やったかな?」という意味かと思っていたが、どうもつじつまが合わない。調べてみるとこれは北海道の方言で、「じゃあ」とか「そうしたら」という意味らしい。
この作品は、草太と女子バレー部員とのハーレム生活を縦糸に、そして本当に草太の鋤なのは誰かということを横糸にしたように進んでいく。草太本人は部長が好きだと思っているのだが、実は本人が意識していないだけで本当に好きな人は別に。部長、登場時はかわいらしかったのに、最後の方ではキャラが変わって、横に大分大きくなっている。どうも草太との関係でストレスが溜まって食に走ったらしい。こういったエロラブコメで絵柄が綺麗な作品は大好きだ。なお、この作品は昨年実写映画化されている。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。
これも「なろう系」の異世界もののひとつだ。主人公はレンという孤児。孤児院から、出資者の商人のところに送られる途中、山賊に襲われて一人助かる。ところが、それにより前世の記憶がよみがえる。なんとレンは、美少女なのだが、前世では30代の研究者のおっさん。
この世界は魔法も魔物もあり。レンは天人族で、創造魔法というすごい能力を持っていた。何しろ家だって作っちゃうのだ。ところがあるとき気が付いた。服と乳首がこすれて痛いのだ。そこからがさすが元研究者。いろいろ自分で女体を探求してみる。(元がおっさんならやるよね)寝室に籠って、いろいろやって、得たスキルが「巨乳」と「淫乱」。これにショックを受けるレンだが、どちらもレベルがあるようで、だんだんレベルが上がったらどうなるんだろう(笑)。実は、レンはまだ10歳と言う設定だ。でも発育がものすごく良いので大分年上にみられる。
創造魔法を使って作るのは、ものすごくエロい下着だったり、エッチな道具だったり、これ絶対に魔法の無駄遣いだよね。とにかく頑張ったご褒美として、夜の日課が定まり、「淫乱」のレベルは一つ上がったようだ。
フェンリル親子にも懐かれて、レンのお笑い無双が始まりそうな予感。第一巻はここで終わっている。
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※初出は「風竜胆の書評」です。
本書は、旧約聖書を要約したものだ。読んでみると、宗教書というのはいかにツッコミどころ満載かということが分かる。著者は次のように言っている。
私は聖書の神には、悪魔的なイメージがあるように感じています。(pp3-4)
著者の言う通り、描かれているのは、殺戮と略奪の物語。異教徒は人間ではなく皆殺しにして構わないという思想。
かって宗教が絶対だという時代があった。もちろん神がそれが正しいとか間違っているとか言っている訳ではない。それが宗教的な権力者に都合が良いか悪いかで決まってしまうのだ。キリスト教の魔女狩りしかり、十字軍しかりである。我が国でも本来摂政はご法度のはずの寺が僧兵を抱えていたという時代もある。
本書でも著者は、色々なところでツッコんでいるが、宗教関係のものを読むときはこの態度が大切だと思う。思考放棄して、経典に書いてあることを絶対だとするものを「原理主義」というが、こうゆう人は何を言っても、自分の信じていることが絶対なので、徒労に終わる確率が非常に高い。もはや、健全な批判精神や論理的な思考は期待できないので、そういう人は相手にしないに限る。しかし世界的にはこういう人達が結構いるのが現実である。
最後に一つ、いや二つ。最初の人間として神がアダムとエバをつくったのなら、全ての人間はその子孫ということになる。しかし、イスラエルの民以外の者に対しては虐殺をさせたり、略奪をさせたりしている。ということは、他の人々は自然に湧いたのか?
また、この中に「割礼」という言葉が何度か出てくる。どうして神があそこの皮に拘るんだろう? また最初の人間をつくったのが全能の神だとしたら、どうしてそんなことが不要なようにつくらなかったのか?
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可愛らしい山ガールたちを描いた「ヤマノススメ」の3巻目。主人公は雪村あおいという高校生になったばかりの少女。この巻では、あおいは、富士登山に挑む。ご来光を見るためだ。同行するのは、葵の幼馴染の倉上ひなた、1年上の斎藤かえでそして中学2年生の青羽ここな。
富士山といえば、日本一高い山である。そして高い山には高山病がつきものだ。高山病とは、高い山では空気が薄くなるため、酸素が不足し、頭痛などを引き起こすものである。ひどい場合には死亡することもあるが、個人差が大きい。張り切るあおいだったが、この巻でも高山病が大きな障害となる。
話は基本的にあおいが山登りをしていくうちに色々な人と知り合い、成長していくというものである。最初は人づきあいの苦手だったあおいだが、山登りを通じて、どんどん変わっていく。全体を流れるゆるふわな感じは私の好みだ。お気に入りは、ここなちゃん。まだ中学生なのに女子力が高く、雰囲気もゆるふわな感じなのに、なにげに山ガールとしてのスペックも高いところがなんともいいと思う。さらに珍しいことにこの巻では出張が多くあまり出てこないあおいの父親が出てくる。でもやっぱり雪村家では母親の力が強いようだ。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。
本書は、世界で使われる交渉術を集めたものだ。日本の中で行う交渉だったら、これまでと同じようなやり方が通用するだろう。しかし、グローバル化した現代は世界が相手だ。「所変われば品変わる」といった諺もあるように、交渉術も色々なやり方がある。日本式のやり方では限界があると思った方がいい。
そうは言っても、心情的に日本人には合わないものもあるだろう。だからこちらがそのような交渉術を使う必要はない。孫子の言葉に「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」というものがある。
そうなのだ、どんな交渉術があるのかを知っておかないと、その交渉術を使われ、相手のペースに巻き込まれて知らないうちにこちらが不利な契約を結ばされる恐れがあるのだ。だが、相手がこのような交渉術を使っていることが分かれば、対処の方法はあるだろう。
誠意を持って対応するという日本人のやり方は大切だが、相手が必ずしも同じようにしてくれるとは限らない。よく、日本での契約書はあれほど簡単な反面、外国相手だと、細かいところまで決めて置かなくてはならないので膨大な量になると聞く。これは文化が違うので仕方がないことなのだが、日本式しか知らないと、大失敗をする可能性がある。
本書を読んで、世界ではどのような交渉術を仕掛けられるのかを知っておくと、世界を相手にビジネスをする人には役立つに違いない。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。
面白い漫画を見つけた。よくあるように、基本的には4コマ漫画で話が進んでいくという構成だ。特に大きな事件は起きず、描かれているのはどこか面白い女子高生たちの日常。なんかほほえましくって、つい笑ってしまうようなコメディだ。
中心となっている登場人物は、るんという、ちょっと天然で電波な子。そのるんの周りを固めるのが、ユー子という関西から親の転勤でやってきた、女子力の高い長身美女。ナギという近眼眼鏡の子、そして彼女たちより1学年下になるが、るんの幼馴染で、彼女たちとよく行動しているトオルというちっちゃな子(なにしろ高校生になっても、小学校のころにスクール水着が使えるのだ)。このトオルは、るん大好きで、いつも金属バットを持って、るんに悪い虫がつかないようにしている。そしてトオルの同級生のユタカとミホ。彼女たちの高校(高校名は3巻までは出てこなかったと思うが調べてみると、葵ヶ丘高校というらしい)の教師である、鬼頭先生、鎌手先生、佐藤先生だ。それぞれ数学、体育、養護教諭。このうち佐藤先生だけが男性という設定である。ただし病弱で薬が離せない。そして、鬼頭先生は熱血、鎌手先生は少し冷めた感じ。
知らなかったが、アニメ化もされて日本放映されたらしい。知っていたら録画したのにととても残念だ。昨年末に11巻が出て完結したが、これを記念して、京都の叡山電車で、この作品のヘッドマークを掲出した電車が3月末まで走っているという。
エロい場面などとは無関係(エロくなりそうになると担当からダメ出しが出ていたらしい)だが、出てくる女子たちはみんな可愛らしい。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。
本書は、九州にある出版社書肆侃侃房から出されていフリーペーパーだ。テーマを定めて、同社にゆかりのある著者が寄稿している。今回のテーマは、「ゆれる」。書かれているのは、短歌からエッセイ、ショート・ショートまで色々な形式だ。
さて、「ゆれる」といえば、すぐに連想するのが地震だ。このゆれるは強烈で、確かに地震を扱ったものも見られる。しかし「ゆれる」というのはこれに限らない。例えば、風になびく髪の毛や風鈴、これも「ゆれる」の範疇である。
面白かったのは、山本佳代子さんの「ゆれる西郷さん」(p40)。これは、著者が小学生のころ、警察官をしており、見た目が西郷隆盛にそっくりなお父さんが、女装のオカマ姿で現れたというのだ。その風景を想像して思わず吹き出してしまったというのは余談。
もうひとつ面白いと思ったのは、朽木祐さんの次の短歌だ。
白妙のニーハイソックスその脚を霖の森に延べよ少女よ(p60)
「白妙の」は衣などにかかる枕言葉としてよく使われる。持統天皇の有名な歌で百人一首にも収められている春すぎて夏きにけらし 白妙の衣ほすてふ天の香具山を連想する人も多いだろう。でもまさかニーハイにかかるとは思わなかった。確かにニーハイも服の一部と言えばそうだが。でも、黒のニーハイだったらどうなるんだろうとつい思ってしまった。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。