文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

はじめてのギャル (2)

2021-07-30 10:29:42 | 書評:その他

 

 羽柴ジュンイチという高校2年生の非リア充少年が、同じ「非リア充」仲間によって、無理やりギャルの八女ゆかなに告白させられてしまう。土下座して頼めば「DT」を捨てさせてくれるというのだ。

 本書は、この二人によって繰り広げられるラブコメだ。実は、ゆかなちゃん、けっこうツンデレ&ドS属性があり、本当はジュンイチのことが好きなのだが、なかなか素直になれない。例えば、ジュンイチに胸を触ってもいいと言ったくせに、本当に触られると

チョーシのんなっ このドーテイ!!


なんて、理不尽な怒り方をする。でもその後それほど間を置かずに仲直りしてるし、彼女の家におよばれしたり、一緒にプールに行っているので、雨降って地固まるといったところか。

 この2巻ではゆかなの友達である黒ギャル本城蘭子が登場する。この蘭子、ことあるごとにジュンイチを誘惑する。危険な香りぷんぷんなのである。この巻の最後では二人の仲を絶対ぶっ壊してやる・・・と言っているくらいだ。

 どうもゆかなは、昔のジュンイチのことを知っているようだ昔と全然変わってないと呟いているのだ。

 このゆかなちゃん、とっても可愛いのである。こんな可愛らしいギャルが彼女だったらジュンイチ君楽しいだろうと思うのだが、二人の間は波乱だらけ。さてさて、この後どう展開していくのか。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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霧の訪問者上・下

2021-07-28 08:47:01 | 書評:その他

 

 

 本書は、田中芳樹さんによる原作小説を垣野内成美がコミカライズしたもののひとつだ。女王様こと薬師寺涼子と、その下僕もとい部下の泉田準一郎警部補が、不可思議な事件に挑むというのが大きなストーリーである。

 今回二人は、涼子の別荘のある軽井沢に来ている。涼子はドラキュラもよけて通るドラよけお涼との二つ名を持つくらい過激なのだが、実は超お金持ちのお嬢様。同じ頃軽井沢には食品と農業の分野で、世界最大級の企業グループのオーナー一族マイラ・ロートリッジが来た。涼子が軽井沢に来たのはマイラのパーティに招待されたからだ。涼子たちが対峙するのは、このマイラとその娘アーテミシア、そしてロートリッジ家主治医のスティーブ・モッシャーが起こす怪奇な事件。

 この作品、垣野内成美さんのコミカライズで成功していると思う。小説版を読んでも、垣野内さんのキャラが頭の中で動いているのだ。

 ただ一つ気になるところがある。ヒロインの薬師寺涼子はキャリアの警察官僚で27歳警視の警視庁刑事部参事官と言う設定だ。この設定はあり得ない。参事官と言うのは副部長にあたり、課長より上の役職で、階級は警視正もしくはその上の警視長になる。27歳の警視ではなれない役職だ。涼子だけなら、特別にと言うこと設定もあり得るが、同期の室町警視も警備部参事官なので、そういうことも考えにくい。

☆☆☆☆

 

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イジらないで、長瀞さん(3)

2021-07-26 12:14:00 | 書評:その他

 

 この6月まで深夜アニメで放映されていたこの作品。一言で言えばドS後輩女子の長瀞早瀬と気弱な美術部員の先輩八王子直人の織り成すラブコメである。

 ただし、長瀞さんがドSになるのは、直人限定。彼女が興味がない男の場合は、まるで相手にせず塩対応。長瀞さんは、直人が長瀞フレンズと呼んでいる友人たちと一緒に行動していることが多いのだが、彼女たちが直人で遊んでいると、とたんに不機嫌になる。まるでセンパイをいじっていいのは私だけと言っているみたいだ。

 この間の特筆すべき出来事は2つ。雨に濡れた二人が長瀞さんの家へ初めて行くこと。直人はここで、着替えを貸してもらって、二人でゲームをして遊ぶことになる。長瀞さんに振り回されている観もあるが、二人の仲は進展したようなしていないような・・・。でも。楽しかったのならいいか。

 もう一つは、長瀞フレンズもいっしょに、二人が海に行くこと。長瀞さんも長瀞フレンズもビキニ姿を披露するのだが、残念なことに長瀞さんが一番小さいようだ(←どこが?)。

 もちろん、直人には長瀞さんのドSぶりが発揮されるのだが、それも含めて直人君、まんざらでもないようだ。もしかするとドM? さて、二人の関係は今後どうなっていくのか、気になりますなあ。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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半七捕物帳の思い出

2021-07-24 08:59:24 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 著者は、ドイルのシャーロックホームズに触発されて、半七捕物帳を書き始めたらしい。設定を江戸時代に持ってきたのは。それまで江戸時代を舞台とした探偵ものが無かったからだ。大岡政談や板倉政談というものはあったが、それらは裁判を中心としたもので、探偵ものとは少しジャンルが異なる。

 大岡政談はそれほど説明の必要はないだろうが、名奉行大岡忠相を主人公としたものだ。板倉政談については少し説明が必要かもしれない。徳川家康に仕え、京都所司代となった板倉勝重の名裁きを描いたものである。実は、大岡裁きとして有名な「三方一両損」の話も、彼とその息子の重宗が京都所司代在職中に行った施政の概要を記した「板倉政要」に収められているもので、大岡政談では、それを翻案して使っているのだ。

 もう一つの理由は、著者に江戸時代の風俗、習慣、法令や、町奉行、与力、同心、岡っ引などに関する予備知識を持っていたからだという、

 このように、半七捕物帳の書かれた背景を知ることが出来、短い文章ながらなかなか興味深い。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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其中日記 04 (四)

2021-07-22 11:00:21 | 書評:その他

 

 この四巻は異例の短さだ。三巻が昭和8年の7月10日で終わっているので、翌7月11日から始まっているのだが、7月16日で終わっている。それも、7月14日から16日までの出来事は、『行乞記』(青空文庫では「行乞記08」の方に書かれているので。実質は17月11日から13日の三日間の日記である。そして、五巻は昭和9年2月4日から始まっている。

 山頭火は、彼の行動を「行乞記」や「其中日記」など、色々な日記に書き分けているが。昭和8年12月28日~翌昭和9年2月3日の記録は無いようである。何かあったのかと色々べてはみたのだが、結局よく分からなかった。

 ただ、彼は思うところがあって、昭和5年より前の日記を全て燃やしたというから(だから彼の日記は昭和5年の9月9日から始まっている)、本当にこの間の出来事を書き記さなかったのか、燃やしてしまったのかそのあたりは分からない。

 ただこれだけ短い日記の中にも、彼の孤独感、寂寥感がすけてみえるような気がする。

ふるさとちかく住みついて雲の峰
(中略)
或る日はしづかでうれしく、或る日はさみしくてかなしい、生きてゐてよかつたと思ふこともあれば、死んだつてかまはないと考へることもある、君よ、孤独の人生散歩者を笑ふなかれ。
☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

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インターネットというリアル

2021-07-20 11:20:43 | 書評:ビジネス

 

 本書は、インターネットを支えている技術にはあまり立ち入らず、主に文化的側面からインターネットを語っている。例として選ばれているのが、「ガンダム」、「エヴァンゲリオン」、「コードギアス」などのいわゆるサブカルチャーと呼ばれるものとなっているのは、なんともインターネット的だと思う。

 本書には、「大きな物語」と言う概念が出てくる。「大きな物語」とは伝統、イデオロギー、宗教などのように、皆がそれに則って行う方がいいと思っているようなものだ。しかしこの「大きな物語」が瓦解し、価値観の多様化が進んでいるという。日本ではそうかもしれないし、大きな流れとしては、世界的にもその方向に流れていく可能性が高いのだろうが、今現在、宗教国家と言うのは腐るほどあるし、単一のイデオロギーに支配されている国もあり、まだまだ時間がかかると思う。

 よくインターネットは匿名性があるということがいわれる。次のように著者は明確に否定している。

インターネットは匿名だといまだに誤解されている現実がある(p104)


私はこれには条件付きで賛成したい。匿名性が無くなるののは、個人情報を登録しているサーバーが国内にある場合である。

 しかし、多くの人が迷惑している詐欺メールはどうか。海外のサーバーを色々と経由しており、実質的に追いきれないという例はいくらでもある。そもそも海外から発信されているような場合は、発信国で取り締まらない限りお手上げなのである。

☆☆☆

 

 

 

 

 

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かぐや様は告らせたい 1 同人版

2021-07-18 10:56:06 | 書評:その他

 

 本書は、赤坂アカさんによる「かぐや様は告らせたい」(以下本編と呼ぶ)のスピンオフ作品である。「同人版」とあるのは、この作品が本編であったらいいなと思うエロスピンオフだからだそうだ。

 ところで、表紙カバー織り込み部分に次の様な名言(迷言?)が書かれている。

パンチラの無いラブコメは欠陥である



 でも第一話の「☆生徒会男子は伝えたい(同人版)」では、パンチラどころかパンモロなのである。やってくれたのは、期待に違わず藤原書記。スカートの後ろ側がまくれあがって、藤原書記のパンツが丸見えなのである。何とか彼女にそのことを伝えようとしている生徒会男子たちの行動が何とも笑える。

 絵を描く人が違っているためか若干の違和感がある。特に白銀会長。それに「エロスピンオフ」と言うワードから連想するほどエロくはない。どちらかと言えば笑えることが多い。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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冬でも薄着の彼が風邪を引いた

2021-07-16 11:21:05 | 書評:その他

 

 本書は、エッセイと自由律俳句で構成されている。自由律俳句とは五七五の定型に捕われない俳句である。エッセイは、著者の日々の出来事を綴ったもので、日付こそ入っていないが、どうしても昔の自由律俳句で有名な種田山頭火の日記と比べてしまう。

 著者は京大の総合人間学部出身だという。これは、教養部が前身だ。私たちの年代は、学部に関わらず、専門に進む前にみんな教養を通っているので、そういった意味では、私も著者の先輩と言うことになるのかもしれない。

 これはホンマかいな。

総合人間学部では、例年、四回生の三分の一が就職、三分の一が大学院に進学、そして残り三分の一が留年する。(p78)



ちょっと留年率が高すぎないか?私は工学部電気系(現電気電子工学科)だが、同級生は殆ど大学院に進み、一部は就職。留年者はいたことはいたが、その数は少なかった。もし本当だとしたら、よほど総合人間学部が厳しいのか、学生がアレなのか?

 俳句にしてもエッセイにしても、ユーモラスなものが多い。いくつか紹介してみよう。

同級生に厄年を心配される(p10)
不惑で知ったドラえもんの正しい描き方(p68)
ごまかしても乗り過ごしたのはみな知っている(p117)


 一方、山頭火の日記は、酒を飲んで気楽にやっているように見えて、行間から寂寥感のようなものがにじみ出てくる。山頭火の句に駄作がないとは言わないが、

分け入っても分け入っても青い山
鴉啼いてわたしも一人


のような心にしみるような句は見つけられなかった(少なくとも私は)。これは、もしかしたら著者には学歴も弁理士のように立派な職業もあるのに対し、山頭火はまったくといっていいほど生活能力がなく、友人たちの援助で、乞食坊主と言ってもいいような暮らしをしていたことに起因するのかもしれない。

☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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放送大学の2021年度1学期の試験問題の解答を投函

2021-07-15 17:08:02 | 放送大学関係

 放送大学の2021年度1学期に履修していた「レジリエンスの諸相」と「生物の進化と多様性の科学」の2科目の試験問題の解答をポストに投函してきた。これで、放送大学の1学期の科目は終了。さて2学期には何を履修しようか。

 いずれにしても、2学期の始まるのは10月からなので、現在中断中の秋田大学の通信教育の方の勉強を再開しよう。

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しーさーのすごい! ペン解説

2021-07-15 00:15:56 | 書評:その他

 

 世間には、文房具好きの人がいる。著者もその一人で、文房具の解説動画をアップして、人気を得ているという。なにしろ、You Tubeのチャンネル登録者数が約17万人('21年5月現在)ということである。私はこういう分野で動画投稿をしている人がいることを、寡聞にして知らなかったが、かなりの成功を収めているようだ。

 事業戦略にニッチ戦略というものがある。もちろん文房具に興味がある人ばかりが世の中にいる訳ではないだろう。ニッチ戦略とは特定の市場で、特定の顧客に対してサービスなどを提供するものだ。つまり、ターゲットは狭く絞られる。だから、潜在的な顧客ではない者までは相手にしない。そういう意味では、著者のやっている事も立派なニッチ戦略だと言えるだろう。事業戦略の教科書にニッチ戦略の成功例として載せたいくらいである。

 さて本書で取り上げられているのはシャープペンシルとボールペンそしてこれらに関係したケースや消しゴムなどの小物。値段や構造、どのような特徴があるかなどがよく分かり、読んでいて楽しい。それにしても、まさか文房具の世界がこんな奥が深いものだとは思わなかった。

 掲載されている写真を見ていると、さほど文房具に興味のなかった私でも一つ欲しくなってくる。しかし、ペンでこれだけ語れるのはすごいと思う。これを一言で表せば、「たかがペン、されどペン」といったところか。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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