文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

どうしても破滅したくない悪役令嬢が現代兵器を手にした結果がこれです 3

2023-07-30 18:00:27 | 書評:その他

 

 ミリオタ女子大生が乙女ゲームの世界に公爵家令嬢のアストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルグ(通称アストリッド)として転生した。ただし、将来の悪役令嬢として。将来というのは、幼女として転生したからだ。

 しかし、このままでは、成長すると待っているのはお家取り潰しというバッドエンド。そのような結末になるのを防ぎたいアストリッドは、なんとかバッドエンドとなるのを阻止しようと、ミリオタ知識を活かして国ともケンカできるような力をつけようとする。(国とケンカするのが前提かいw)

 この3巻では、アストリッドが聖サナタキア魔道学園の初等部に入学している。そこでも無双し、コカトリスの討伐をしたり、機関銃をつくったり。

 そして、異世界ものではお馴染みの「冒険者ギルド」。アストリッドはそこに「手伝い魔術師」として登録し、女性ばかりの冒険者パーティといっしょに行動することになる。その際に、初等部でも冒険者としてやっていける技術を持っていることを証明するのだが、それがなんとも過激なのだ。

 しかし、もう元のゲームシナリオは見る影もないと思うのだが、それでもやはりアストリッドは破滅に向かっているのだろうか?

☆☆☆☆☆

 

 

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柔道一直線2

2023-07-28 09:40:58 | 書評:その他

 

 ツッコミどころも多いスポ根漫画、「柔道一直線」の2巻目。まだ主人公の一条直也の小倉時代の話である。そしてこの巻では柔道の天才児赤月旭に加えて新たな、ライバルが出てくる。極真空手の天才児・鬼丸雄介である。この柔道対空手の構図は、もう柔道ものには定番であると言っても良い。

 そしてツッコミどころは次の通り。みんな白帯なのだ。いくら中学生の大会だといっても黒帯はある程度いるはずだ。しかし一条も赤月も白帯なのだ。カラーの表紙では茶帯だったので、もしかすると白黒にすると白帯になってしまうのかと思ったが、表紙を白黒で見ても、はっきり色がついているのが分かる。

 私は田舎中学の出身だが、同級生も3年になると大体初段になっていた記憶がある。要するに中学生黒帯はそう珍しいものではない。でも車車周作6段も白帯なのだ。6段は黒帯もしくは紅白帯である。黒帯は車との試合で命を落とした丸井豪平6段の遺影。空手の大山倍達8段、一条に濡れ衣を着せようする時の鬼丸の黒一色の時の恰好、一条が打ち込み稽古をするときの松の大木に結ばれた帯、車と一条が稽古をするときの一コマ(p187)の車の帯くらいか。

 そして、鬼丸の一条に濡れ衣を着せるときのことだ。鬼丸に襲われた赤月組の跡取り赤月源吉(旭の兄)は、復讐とばかりに子分たちとともに一条を襲う。そのとき、子分たちには日本刀を持たせて、自分はピストルを持っている。赤月組は元ヤクザで現在は正業に就いているという設定だが、これだけ日本刀やピストルを持っているのだから正業の訳はないだろう。おまけに、一条を襲う際に警察に手を出している。これ絶対に逮捕懲役のパターンだと思う。

 しかし車に地獄車で返り討ちのされた源吉だが、全身骨折をしたはずなのに、車の接骨術によりすぐに元に戻っている。いや、骨折ならいくら接骨術を受けても、直ぐにこれほど動けないだろう。おまけに、旭が源吉のもとに駆け付けるとき、バイクを使っている。赤月旭は中学生だ。バイクの免許はとれんだろう。これ絶対に無免許だよな。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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クリスティ・ロンドンマッシブ 3

2023-07-26 08:09:00 | 書評:その他

 

 本書は、新谷かおるさんのクリスティ・ハイテンションの続編であるクリスティ・ロンドンマッシブの3巻目となる。ペンネームや絵柄から新谷さんを女性漫画家と思っている人もいるかもしれないが、男性漫画家である。本名は新谷薫で、ペンネームは名前を平仮名表記にしたものようだ。

 この作品は、2011年から2017年にかけてコミックフラッパーに連載されたもので、ビクトリア女王の孫で公爵令嬢かつあのシャーロック・ホームズの姪であるクリスティ(フルネーム;クリスティ・クリスタル・マーガレット・ホープ)が、ロンドンで起きる事件に挑むというもの。

 なお、クリスティの理想の人は伯父のホームズだが、メイド長のノーラから、「ハードル高過ぎ」と思われている。それでも、この巻には、未来の夫となるジョージ・グラハム・ハートが結構出てくる。

 もちろんホームズの宿敵であるモリアーティ教授も出てくる。この作品で描かれているモリアーティは、悪党の面といい人の面を両方見せている。人には二面性があるということだろう。クリスティのことはなんだかんだ言っても、結構気にいっているようだ。もちろんホームズも姪を溺愛しており、モリアーティに「もし悪の世界に引き込んだら、非合法な手を使っても葬る」と釘を刺している。

 今回のクリスティが挑むのは、レイトン男爵殺人事件。彼とポーカーでボルネオの銅鉱山を手に入れたアップウッド大佐が犯人だと推理して、彼を追い詰めていく。その証拠を得るためにロンドン警視庁の署長を含めて、みんなでゴミあさりをしている場面がなんとも面白い。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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工学部ヒラノ教授のアメリカ武者修行

2023-07-24 13:57:33 | 書評:学術教養(科学・工学)

 

 著者は、日本における数理計画法や金融工学の権威である。調べてみたら昨年鬼籍に入っておられた。亡くなられていたのが全くといっていいほど報道されなかったので、全然知らなかった。芸能人なら結構報道するのに、こういった人はよほど有名でないと報道されないようだ。こういうところからも、わが国の理系人の扱いが伺える。日本が科学技術立国としてやっていくつもりなら、もっと理系人の待遇を良くしないと、頭脳流出がどんどん進んでいくだろう。

 さて本書は、工学部の語り部を自任する今野さんの自伝的小説だ。今野さんは電力中央研究所、筑波大学、東京工大、中央大を歴任しているが、本書で扱われているのは、筑波大学の助教授(現准教授。当時は准教授という役職は日本の大学にはなかった。)時代の話である。登場人物はヒラノ教授となっているが、そのまま今野さんの事だと思えば良い。

 ヒラノ助教授は、パデュー大学のアンドリューウィンストン教授に客員教授として招かれて4か月ほどその大学で教えることになった。筑波大学の状況にうんざりしていたヒラノ助教授にとっては、渡りに船だったらしい。ただ教授として招かれたはずが、結局准教授になったらしい。

 アメリカの大学事情が良く分かる。ヒラノ准教授は、世話になったユダヤ系の人々をものすごく好意的に描いているが、その一方でアメリカ大統領となるレーガンは大嫌いだったようだ。また、IBMのウォルフ博士には国際数理計画法シンポジウムの開催地のことで一杯食わされたのを、ずっと根に持っていたらしい。その他興味深いエピソードや思わず笑ってしまうようなエピソードなどが満載である。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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「04 中心市街地はだれのモノ?」 地方都市の駅前はなんで賑わわない?

2023-07-22 08:43:01 | 書評:学術・教養(人文・社会他)

 

 この作品は、架空の市であるみのり市にある某高校(高校名不明)の地域活性研究部に所属する女子高生5人(なぜか顧問も含めて女子しかいない?もしかすると女子高?)が、顧問の峯岸先生と、街の活性化についてコミカルに話し合い、問題点を掘り下げていこうと言うもの。

 この中で驚くべきことが示される。「中心市街地の活性化に関する法律」により、色々な地方で様々な目標達成のための計画が作られているが、なんと、各地域の立てた44の基本計画のうち目標を達成した計画はゼロだったというのだ。

 この原因は色々考えられるが、お役人の常として、見栄えのいい(けど実現困難)ものを並べたということも考えられるが、市街中心地はどこかということも大きいだろう。

 本書で指摘しているように地方の中心市街地は時代と共に変化しているのである。交通の手段が、徒歩⇒舟⇒鉄道⇒マイカーと変遷するとともに中心市街地も変わってきた。そう今はマイカーの時代なのである。地方での生活は車がないと成り立たない。そして、モータリゼーションの進展とともに、鉄道に乗る人は減り、駅前も寂れてきた。

 しかし、高齢化が進み、一人暮らしの高齢者が増えて、年齢によりマイカーが運転できない人が増えたときどうなるか恐ろしい。もしかすると、その時再び駅前が栄えることを狙っているのだろうか。

 昔駅前の繁栄を覚えている層には、本書で指摘するように、「駅前こそ中心市街地であり、中心市街地はいつも活気に溢れていなくてはならない」という幻想にとらわれているのだ。

 一冊一冊は短く、コミカルながら、なかなか鋭いところをついていると思う。まあ、一番の原因は、地方に暮らす人が減っているということがあると思うのだが。本当は国が本気を出して地方の活性化を勧めねばならない。地元に住んだこともない二世議員に投票する人間が多いようでは、地方の活性化はおぼつかないだろう。そのうち、国会議員はみんな東京生まれの東京育ち(もしくはその周辺)ということになりかねない。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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生まれた直後に捨てられたけど、前世が大賢者だったので余裕で生きてます(1)

2023-07-20 09:34:47 | 書評:その他

 

 主人公はレウスという赤ん坊。前世はアリストテレウスという世界を救った大賢者だった。しかし、大賢者と言えど死の運命からは逃れられない。そこで、彼がやったのは転生すること。だから彼は前世の記憶を完全に持っている。

 このレウス、大賢者なのだが、同時にエロ爺い。特に女子のたわわが大好き。魔法の名門で辺境守護を任されているブレイゼル家に生まれたのはいいのだが、魔力が3しかないということで、生まれてすぐに捨てられてしまう。実は、計測をしたのが、自分が作った失敗作の魔力計測器。実は彼の魔力は1103なのだが、計測器のメモリの関係で表示が2桁しかないので、下2桁が表示されたのだが、思い込みで2桁以上が出るとは思っていない。

 生まれてすぐ禁域の森に捨てられたレウスだが、魔狼から乳をもらって生き延びる。そして冒険者の試験を受けることになる。冒険者になろうというのは、前世で出会った転生者が冒険者になって、可愛らしい女の子に囲まれてモテモテになっていたからだ。

 魔力計測器の件からは、人間いかに思い込みが恐ろしいかということだ。きちんと現象を評価したなら、レウスを捨てることはなかったのに。

 レウスの赤ん坊のくせにエロ爺いぶりがなんとも面白い。果たしてレウスはエロエロながら、どのような活躍を見せるのだろう。

☆☆☆☆

 

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ヒトを勝手に参謀にするんじゃない、この覇王。~ゲーム世界に放り込まれたオタクの苦労~(1)

2023-07-18 09:41:47 | 書評:その他

 

 本書もなろう系異世界ものの一つだ。主人公は、榎島未結(ミュー)という二十歳の女子大生。気が付いたら自分のやり込んでいたPPG「ブレイブ・ファンタジア」の世界に来ていた。それもジャージ姿という年頃の娘とも思えない恰好でである。

 そう未結は重度のゲームオタク。でもやり込んでいるから、ゲームがどう展開していくのかを知っている。その知識がこの世界では予言ということになる。ちなみに、未結は二十歳なのだが、童顔なので、こういった作品の常として、十五歳以下の子供に見られている。未結が二十歳だと知ったときのみんなの驚くこと。


 未結の転移先ガレリア帝国の皇帝ア―ダルベルト・ガエリオス(アディ:獅子の獣人で、未結の押しキャラ)になぜか気に入られ、そのゲーム知識から参謀として彼に従うことになる。皇帝の例からも分かるように、ガレリア帝国は獣人の国なのである。

 そしてゲーム知識により、盗賊による襲撃や土砂災害を未然に防いだりしている。最初はこいつ誰と言う目で見られていたのだが、次第に皇帝の参謀として周囲からも認められていくのだが、本人は元の世界での庶民意識が抜けていない。

 果たして未結は元の世界に帰れるのだろうか。それともアディとラブコメのような展開になるのかな。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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銭形平次捕物控 014 たぬき囃子

2023-07-16 11:58:31 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 江戸では不思議な泥棒が出没していた。大家の雨戸を、切破って盗みを働くのだ。この盗人、とうとう6件目で殺人を犯した。被害者は、本所番場町の両替、井筒屋清兵衛。しかし本所は石原の利助という岡っ引きの縄張り。最初平次は遠慮していたのだが、利助の一人娘のお品の頼みで、事件に乗り出すことになる。現場を見て平次は、番頭に、雨戸に大穴が鋸であけられているのに、誰も気が付かなかったのかと問うと、昨夜は狸囃子がひどくてなかなか寝付けなかったからとの答え。
 
 本所七不思議といわれるものがあり、狸囃子もその一つだ。狸囃子というのは、太鼓と笛で馬鹿囃子そっくりだが、あちらと思えばこちらから聞こえ、遠いような、近いような、どこから聞こえるのかはっきりしない現象らしい。

 しかし平次、石原の利助の子分10人ばかり狩り集めて、狸狩りをやっているが、引き揚げるときに、一人1分渡している。1分といえば1/4両である。10人いれば2.5両になる。庶民は一生小判をみることがなかったことも多いらしいから、結構な金額だ。そもそも平次は貧乏暮らしのはず。よくそんな金があったものだ。きっとお静さんの着物が何枚も質屋に・・(以下略)・・・。

 狸囃子の謎を平次は解いて事件を解決するのだが、もちろん本物の狸がやっているわけではない。平次は狸囃子の謎を解き明かして、犯人を特定する。さすがは平次である。

 この話でも平次のトレードマークによる投げ銭の場面は出てこない。利助の子分に渡した金が結構でかかったので、ビタ銭といえど節約したのかな?

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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聖くんは清く生きたい(1)

2023-07-14 09:14:51 | 書評:その他

 

 主人公は美騨良学園(ミダラがくえん)2年で生徒会長の土御門聖くん。容姿端麗、文武両道(自称)で大病院の跡取り息子と言う設定だ。そしてヒロインは二人。同じクラスの佐渡美月(サドみずき)と生徒会副会長の真園日葵(マゾのひまり;学年クラスは不明)だ。なんやねん、この学校名とヒロインたちの名前。なんとなくこれからの展開が分かるやんか。

 ちなみに美月さん。ふだんは、教室の隅で本を読んでいるような大人しい娘なのだが、眼鏡をとったらドSキャラの女王さまに大変身。下僕を縛ったり、アソコを舐めさせたりするのが大好き。でも下僕だった教員が家庭の事情で学園を辞めるので、その後釜となったのが聖くんだ。

 そして、日葵さんは名家のお嬢様なのだが、実はドM。自分で縛り方の練習をしている。縛られて尻たたきをされると、とても喜ぶ。もちろん、喜ばせるのは聖くんの役目。

 そして聖クン自身も、小学生時代は「エロ博士」と呼ばれていた過去を持つ。果たして、今後どんな変態さんが出てくるのかな。元は「ヤングマガジン」に連載されていたもので、掲載誌が青年誌(成人誌ではない)ということもあり、そのものずばりのシーンはない。せいぜいブラやパンツが見えるくらいだ。もし成人版もつくったら面白いのではないかと思う。
☆☆☆☆


 

 

 

 

 

 

 

 

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「03 補助金の切れ目が縁の切れ目?」 地方都市の駅前はなんで賑わわない?

2023-07-12 08:28:30 | 書評:その他

 

 

 本書は、架空の市であるみのり市にある某高校の地域活性研究部に所属する女子高生5人が、ゆるゆる・コミカルながらも、自分達の住むみのり市の問題点を洗い出していくというもの。彼女たちは、結構鋭い視点で問題点に目をつけていく。

 さて、この3巻での視点は、なぜ自治体は、駅前を補助金を出してまで活性化しようとしているのか? それにも関わらず、なぜ店は郊外に出ていくのか? 地域活性研究部の面々は、駐車場代の問題が大きいと看破する。確かに地方では、車がないと生活ができないという現実がある。逆に言えば、車があれば、別に店がどこにあってもよく、駅前に拘る必要はないのだ。そして平均収入が都会より少ない地方にとっては、駐車場代というのは結構大きな問題である。

 世の中には福井県にある鯖江市のようにJK課なるものを作って、女子高生の視点からまちづくりをしていこうという自治体もある。女子高生というと、あまりこのようなことには向いていないというイメージがあるが、それは偏見というもの。ちゃんと意見を聞いて使えるものはまちづくりに活かしていけば、案外と生真面目だけなおじさんには考えつかないようないいものを持っているものだ。それに、こんなに可愛い女子高生が、自分達の住むまちの将来を考えているというのは、おじさんたちにとってはうれしいのでは?

☆☆☆☆

 

 

 

 

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