文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

書評:睡眠の常識はウソだらけ

2019-01-30 21:41:00 | 書評:その他
睡眠の常識はウソだらけ (フォレスト2545新書)
クリエーター情報なし
フォレスト出版

・堀大輔

 本書を一言で言えば「ショートスリーパーの勧め」といったところか。確かに短い睡眠時間で済めば、空いた時間をもっと有効活用できる。ショートスリーパーとは睡眠時間が6時間未満の人のことを言うようである。確かに周りにそんな人はいた。そして何年も全く眠らないという人が話題になったりする。著者はなんと平均睡眠時間45分だそうだ。

 本書によれば、睡眠は色々とリスクを高めるらしい。しかし、これにはかなりの個人差があると思う。私など、睡眠時間が短いと、次の日には昼頃から頭痛がしてくる。私の場合、まったくショートスリーパーになろうというインセンティブなど働かないのだ。

 もちろん眠る時間が少なくともいい人はそうすればいいだろう(もちろん自己責任で)。それにこれが長期間続いた場合にどうなるかは分からない。睡眠時間のなさからうつ病を発症する人もいるくらいだから、無理にショートスリーパーになろうとして、リスクを負う必要はないと思うのだが。また、睡眠は必要だからするというばかりではない。睡眠を楽しむという面もあるはずだ。



※初出は、「風竜胆の書評」です。


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書評:こころ彩る徒然草 ~兼好さんと、お茶をいっぷく

2019-01-30 16:25:41 | 書評:学術・教養(人文・社会他)
こころ彩る徒然草 ~兼好さんと、お茶をいっぷく
クリエーター情報なし
1万年堂出版

・木村耕一、(イラスト)黒澤葵
・一万年堂出版

 高校で古文を履修した人(私たちの頃は文理関係なく履修していた)なら「徒然草」の名前を知らない人はいないと思う。古文界(あるのか?)の3巨頭と言えば、多くの人は、「源氏物語」、「枕草子」そして「徒然草」を挙げるに違いない。

 「徒然草」は、鎌倉時代から南北朝時代を活きた吉田兼好(本名卜部兼好)が書いたとされる随筆集だ。書かれた当時の時代背景によるものも多いが、今でも通用する内容も多いだろう。日頃見聞きしたものを題材にした244のエッセー。私のようにブログを運営している者からは見習いたい内容が多い。

 しかし、いくら内容が良いものでも、昔の言葉で書かれたものだ。そのまま読んでもその内容は伝わりにくいだろう。ましてや古文アレルギーのある人なら、あえて読もうとはしないものと思う。本書は、そんな徒然草の中の現代でも通用しそうなものを66ほど選び、今の言葉で意訳したものである。

 私としては、少し心が疲れたときなどに読んでみるのがお勧めだ。きっと心に響く言葉が見つかるに違いない。またこれをきっかけに、古文で書かれた「徒然草」の原書を読んでみようと思った人が増えればいいと思う。

☆☆☆☆

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書評:100%集中法

2019-01-28 22:38:13 | 書評:ビジネス
100%集中法
クリエーター情報なし
フォレスト出版

・藤野敬介

 みなさんは集中力に自信があるだろうか。私の場合恥ずかしながら、少し一つのことを続けると、飽きてしまって、すぐ次のことをやりたくなる。よく言えばマルチタスクに適しているということだろうが、心があちこちに飛んで、「集中力」という意味からは心もとない。

 本書は、その集中力をつけるための方法について述べたものだ。著者が「ニュートラル」と呼んでる状態。これに入ることにより、フローそしてゾーンと呼ばれる状態に移行していく。

 なお、フローとは、取り組み対象に集中している状態であり、ゾーンとはその先にある神がかり的な状態を言うようだ。

 本書に述べられているのは主に自己催眠から、ニュートラル状態に入る方法。本書で紹介されている「ニュートラル・エクササイズ」を行うことにより心身がリラックッスして、集中しやすくなる。エクササイズ自体は簡単にできるものなので、まずは試してみるのもいいだろう。

 ただ、このニュートラル状態からフロー状態への移行の仕方がよく分からない。何度か読み直してみたが、やっぱり分からない。改版等のチャンスがあれば、このあたりをもっと詳述するのもいいかもしれない。

☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

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書評:生理心理学

2019-01-26 09:17:01 | 書評:学術・教養(人文・社会他)
生理心理学 (放送大学教材)
クリエーター情報なし
放送大学教育振興会

・岡田隆

 本書は、放送大学の心理学関係のテキストの一冊であるが、通常「心理学」という名前から普通の人が連想するようなものとはかなり異なっている。

 内容を一言で言えば神経科学といったところ。特に脳に関する項目が多い。通俗的な心理学の本とは異なり、一応大学のテキストだけあって、生理学や医学的な部分に重点が置かれている。だから心理学=人文系の学問だと思って取り組むとかなりとまどうことだろう。

 解説されているのは、脳や神経細胞の構造と各部位の働き。そしてこころとの関係。

 まえがきには、<受講生が生物系の予備知識をとくに必要とせずにこの科目の勉強を始められるよう>(p3)と書かれているが、読むにはやっぱり生物や医学の知識、特に生化学に関する知識があった方が理解が進むものと思われる。

 わずか200ページ余りの本であるが、本書の内容を隅から隅まで理解しておけば、この分野における基礎知識は十分につくものと思われる。もし内容が分からなければ、調べながら読んでいけばいいだろう。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。
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放送大学の単位認定試験(生理心理学)

2019-01-25 17:38:00 | 放送大学関係
生理心理学 (放送大学教材)
クリエーター情報なし
放送大学教育振興会


 今日は放送大学の単位認定試験の日だ。受験したのは「生理心理学」の1科目。残るは「社会心理学」の1科目のみで2月2日が試験日である。この科目は、放送大学の試験には珍しく記述式(他はほとんど択一マークシート方式)だ。

 持ち込みも可であり、過去の試験問題も放送大学のホームページで確認したのでそう心配はしていなかったのだが、蓋を開けてみると、重箱の隅をつついてほじくってという感じ。そんなテキストの隅っこに載っているようなことを出してどうするのかと思うのだが。過去問も重箱の隅のような感じだったが、受験者の平均点が高かったので安心していた。今回はそれに輪をかけて重箱の隅という感じなのでどうかな。


今日は平日だったので、広島大学の生協食堂が開いており、そこで昼食をとった。尾道ラーメンと大学芋、巣ごもり玉子の3点で合計669円なり。

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書評:「一緒にいたい」と思われるリーダーになる。 人を奮い立たせる50の

2019-01-24 10:01:29 | 書評:ビジネス
「一緒にいたい」と思われるリーダーになる。 人を奮い立たせる50の言葉
クリエーター情報なし
ダイヤモンド社

・サイモン・シネック、(イラスト)イーサン・M・アルドリッジ、(訳)こだまともこ

 著者のサイモン・シネックは2009年にTEDに登場して以来その再生回数が4000万回を超えているという。なお、知っている方も多いと思うが、TED(Technology Entertainment Design)とは、色々な分野の専門家を招いて講演会を開いている非営利団体のことで、その様子はネットで公開されている。

 本書の内容を一言で言えば、大人の絵本というようなもので、公園が舞台だ。その公園には王様がいる。要するにガキ大将なのだが、端的な言葉(アフォリズム(aphorism)と言ってもいいかもしれない)とイラストで読者に大切なことを示してくれる。書かれている言葉は短いが深い。いくつか紹介してみよう。

<リーダーシップとは、争って勝ち取る階級や地位のことではない。リーダーシップとは、仲間のために奉仕することを言う。>(p019)

<素晴らしいアイデアじゃないか。だったらおしゃべりをやめて、とにかく動いてみないか>(p025)

 本書から学べることは次の二つだろう。まず、本当のリーダーとはどんな人かということ。多くの人はメンバーをぐいぐい引っ張るようなことをリーダーシップだと思ってないだろうか。これは学校や企業などでそのような教育が行われることが多いことも影響しているように思う。しかし本当のリーダーとはメンバーが生き生きと活動することに対して環境を整えるのである。

 もう一つは、いいと思ったらとにかく初めて見ること。どんなに良いアイデアでも、考えているだけでは何も生まれない。まずは試行してみて、そこから改善点などを見出すことが大事だろう。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。



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書評:全国もなかぼん

2019-01-19 09:48:38 | 書評:その他
全国もなかぼん
クリエーター情報なし
書肆侃侃房

・オガワカオリ


 本書の内容を、一言で言えば、全国のご当地もなかを紹介した本。各地のもなかが写真入りで紹介されている。和菓子の好きな私としては、見ているだけでよだれが出そうになるし、見ていて楽しい。

 本書から読み取れるのは、日本全国、各都道府県にご当地もなかがあるということ。動物から建築物まで、ちょっと他所と変わったものがあれば、なんでももなかになりそうだ。特にそのネーミングでインパクトの強かったのが、千葉県富津市の「バカ最中」(p68)。これは貝の一種である「バカガイ」の形をしたもなかだ。

 笑ったのは、滋賀県彦根市の「彦根バルブ最中」(p164)。バルブとは工業製品の一つで要するに「弁」のことだ。こんなものでももなかになるんだと認識を新たにした次第。

 私は知らなかったのだが、広島には、「カープ最中」(p197)というものがあるらしい。どれだけ広島人はカープ好きなんだと思ってしまう。(ちなみに私は元々広島県人ではないのでカープには全く興味がない。)

 ただし沖縄県だけは、「沖縄もなか探索中・・・・・・捜索中」(p9)ということで掲載されていない。でもググってみるといくつかヒットするものがあるので、もしこれぞご当地もなかというようなものがあれば、著者に教えてあげればいいだろう。

☆☆☆☆

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書評:釣りキチ三平 平成版(1)

2019-01-17 10:06:54 | 書評:その他
釣りキチ三平 平成版(1) (週刊少年マガジンコミックス)
クリエーター情報なし
講談社

・矢口高雄

 「釣りキチ三平」といえば、1973年から10年間にわたり週刊少年マガジンに連載されていた漫画だ。三平三平という釣り大好き少年が、各地でいろいろな魚を釣りまくるという漫画で、当時かなり評判になった。

 その釣りキチ三平が平成になって帰ってきた。この平成版の第一作には、2001年7月20日脱稿と書かれているので、18年ぶりということになる。

 記念すべき第一作の副題は、「地底湖のキノシリマス」。キノシリマスとはクニマスのことだ。田沢湖の固有種だったが、昭和15年に国策の電源開発のため強酸性の玉川の水を流し込んだことにより、姿を消した。田沢湖町(現仙北市)が1995年から1998年にかけて賞金を懸けて探したが見つからなかったいう。

 このクニマスが、生き残って繁殖していたというのがこの巻の内容である。一平じいちゃんは故人になっているが、三平君は魚紳さんといっしょに釣り三昧。クニマスが繁殖していたというのは地図にもない双子池という場所。地底湖で二つの池が繋がっているという設定だ。

 そしてここにクニマスを放流したのがなんと一平じいちゃん。田沢湖でクニマスを食べてあまりにうまかったのと、田沢湖に玉川の水が流し込まれるためクニマスが絶滅するということを知ったためだ。三平は一平からこのことを知らされて魚紳さんといっしょに確かめに行く。

 実はクニマスは山梨県の西湖で再発見されている。2010年のことだ。この発見にさかなクンが大きく関わっていることが、新聞などで報道されたのを記憶している方も多いだろう。田沢湖から試験的に放流されたものだという。

 この作品は時期的にいえばその10年も前のもので、平成版第一作としてクニマスを取り上げた矢口氏の慧眼には恐れ入る。一度失った自然を元に戻すのは不可能に近い。しかし今は多くの淡水域でブラックバスやブルーギルなどの外来種の影響などにより、我が国固有種は絶滅している。その流れは意識して止めなければならないだろう。この作品には、自然の大切さといったものが、メッセージとして含まれているように感じる。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。


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書評:かぐや様は告らせたい(1)

2019-01-15 09:31:57 | 書評:その他
かぐや様は告らせたい 1 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)
クリエーター情報なし
集英社

・赤坂アカ

 2019年1月から深夜アニメで放映の始まった本作。本書はその第一巻となる。集英社のミラクルジャンプに2015年6月号から2016年7月号まで連載され、その後掲載誌を週刊ヤングジャンプに変えて現在まで連載が続いているものだ。

 舞台は、私立秀知院学園。由緒正しい名門校だ。主な登場人物は、生徒会会長の白銀御行と副会長の四宮かぐや。白銀は一般家庭の出身だが、勉学一筋の自称天才。かぐやは多才な大金持ちのご令嬢。もちろん美少女。

 この作品は、一言で言えばラブコメ。白銀とかぐやは、相手のことが気になっているのに、プライドが高くて、自分からは告白できない。「好きになった方が負け」とばかりに、どうにかして相手に告らせようとする。傍から見れば、これどっちも負けてんじゃないと思うのだが、これに天然キャラの生徒会書記藤原千花がからんだドタバタぶりがなんとも面白い。

 作画は、「謎好き乙女」シリーズで表紙イラストを描いていた赤坂アカさん。絵柄の方も私の好みだ。

☆☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

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シミルボンに「不死鳥少年」のレビュー掲載

2019-01-13 18:46:49 | 書評:小説(SF/ファンタジー)
 「シミルボン」に石田 衣良さんの「不死鳥少年(2019/02/22刊行)」のレビューを投稿しています。
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