本書も異世界ものの一つだ。大関で二場所連続優勝し、横綱昇進を確実にした高良山は、なんと異世界に召喚されてしまう。彼を召喚したのはなんと定食屋の3姉妹。特に大魔導師というわけでもない、その世界ではごく普通の娘なので召喚はできたものの、高良山を元に帰す方法は知らない。
その世界には魔法はあるものの、よく普通の娘が異世界からの召喚なんてできたと思うのだが、そこを突っ込むと物語自体が成立しなくなるのでやめっておこう。
3姉妹は、高利貸から金を借りて、夜逃げをしたところをキラーベアという魔物に襲われて、苦し紛れに召喚魔法を使ったいう訳だ。しかし、高良山が召喚されたときの娘たちの反応がなんとも面白い。裸のおじさんにキラーベアを倒せるわけがないというもの。
そう、これは高良山が相撲で魔物と闘うという話なのだろう。そして高良山にはもう一つの特技があった。相撲も強いが、ちゃんこもうまいのである。そして召喚されたときなぜかちゃんこの道具がついてきた。そして、固有アイテムの「ちゃんこ横綱」。どんな調味料も出てくるという優れものだ。特に召喚の際に神様からもらったわけでもないが、どういうわけか、急に高良山のところに表れたのである。
もう一つのストーリーは、高良山が倒した魔物を原料に色々なちゃんこをつくるというもの。本当に魔物が食べられるのかと、最初腰が引けていた、周りの人たちも一度食べれば、ちゃんこにもう夢中。
果たして、高良山は元の世界に戻れるのか。それともこのまま異世界でちゃんこの伝道師として生きていくのだろうか。
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