ボーイスカート 1 (ヤングジャンプコミックス) | |
クリエーター情報なし | |
集英社 |
・篠原知宏
タイトルだが、「ボーイスカウト」ではなく「ボーイスカート」だ。つまりは、スカートをはいたボーイのこと。このタイトルから想像がつくように、いわゆる「男の娘」モノである。
主人公の越智裕也は,入学した高校の教室で、自分の前の席に、可愛い女の子が座っているのを見て困惑する。なぜなら、その列は男子の席のはず。ところが、その女の子だと思った生徒の名前は、和泉重光。女の子ではなく、「男の娘」だったのだ。
担任の女性教師曰く。
<いずみくんはいわゆる「男の娘」だ 今時珍しくないので これ以上つっこまないように!>
ええっ! 今時の学校は、「男の娘」っていっぱいいるのか??
重光が女の子の格好をしているのには理由があった。双子の妹が極度の男性恐怖症で、彼女を怖がらせずに守っていくために女装をしているというのである。でも最近、スカートをはくのが楽しくなってきたらしい。
しかし、制服のミニスカートの下に履いているのはボクサーパンツ。まだまだいろいろと吹っ切れていないようだ。だから時々、「男の娘」から「漢」になる(笑)。
この重光の妹であるゆりかの方は、一見イケメン男子だが、実は水着になると超巨乳。男子たちが、「乳神様」とひれ伏すくらいの迫力なのだ。裕也と重光、ゆかりの兄妹とが繰り広げるドタバタコメディはなんとも面白い。
いわゆる「男の娘」ものは多いが、この作品は、一見イケメンの男性恐怖症である重光の妹を絡めて、三人の物語としているところが新しいのではないだろうか。
まだ1巻目だが、今後の展開はいろいろ予想される。裕也は重光のことが男だと分かっていても、あまりの可愛らしさに、時にドキドキしてしまう。ゆりかも怖いながらも裕也のことが気になっているようなところもみられる。果たして裕也と重光は友情を深めていくのか、それとも禁断の扉を開いてしまうのか。ゆりかとはどのようになっていくのか。今後の展開が期待できそうだ。
☆☆☆☆☆
※本記事は、書評専門の拙ブログ「風竜胆の書評」に掲載したものです。