威嚇発砲を、凶器を持っている犯人を取り押さえるために行うこと自体は、私は別にかまわないと思う。それで一番被害が少なく解決できるならやればよいだけのことだ。しかし、気になったのは、「上空に」の部分。
当然の如く、上に上がったものは、必ず下に落ちてくる。力学の簡単な計算を行えば、空気との摩擦を無視すると、落ちてきたときには、発射した時と同じ速度になっている。このニュースだけでは状況がよく分からないが、六本木ヒルズあたりで、「上空に」発砲して、果たして危険はなかったのだろうか。技術系の人間としてはちょっと気になる。
(参考)
簡単に考えると、初速Voで打ち上げられた弾丸は、エネルギー保存則より1/2Vo2=gH(弾丸の質量は、両辺に共通なので記入省略)となる高さHまで上昇して、運動エネルギーがすべて位置エネルギーに変化したのち、落下を始める。これが、元の高さまで落ちてきた場合の速さは、やはりエネルギー保存則より、最初に打ち上げられた際の速さ(方向は逆だが)に等しくなる。
「派遣切れ、うっぷん」六本木ヒルズの銃刀法違反容疑者(朝日新聞) - goo ニュース
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