仕事にやりがいを感じている人の 働き方、考え方、生き方。 | |
クリエーター情報なし | |
幻冬舎 |
・毛利大一郎
著者は、企業の求人や広報に関わる広告の製作を仕事にしている。記事を執筆するためには、多くの企業人に取材を行う必要があるが、本書はその中でも特に著者の印象に残っているという10人の物語である。
この10人、中には経営者も入っているが、その経歴はまさに十人十色。誰も世間では有名な人ではない。しかし、それぞれが紆余曲折の人生を送ってきた。共通しているのは、皆仕事が好きで、仕事を通じて成長しきたことが感じられるというところだろうか。
山頂に続く道は、決して一本だけではない。それぞれの人生の数だけ、違う道があるのだ。おそらく、本書に収まられれている人をそのまま真似ても上手くいかないだろうと思う。何かを行うには、色々な要素のタイミングがうまく合ってないといけないのである。
しかし、自分の生き方の指針にはなるとは思う。人は多くの先達たちの歩んできた道を参考にしながら、自分の歩む道を捜し出さなくてはならないのだろう。若干私の苦手な体育会的論調が感じられるところが、気にならないこともないが、仕事で悩んでいる多くの人に、働き方、生き方のヒントを与えてくれるものと思う。
最後に気が付いたことを一言。私は本を読むときにはポイントと思われるところに付箋を貼っていくのだが、レビューを書き終わると、その付箋を剥がしている。本書は、その付箋を剥がす際に、その下の紙まで一緒に剥がれてしまうことがあるのだ。こんなことは初めての経験である。紙の質が他の本とは違うのだろうか・・・。
☆☆☆
※初出は「風竜胆の書評」です。