文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

書評:できる人はなぜ、本屋で待ち合わせをするのか この「ひと工夫」が一流の人生を作る。

2014-10-29 20:50:16 | 書評:ビジネス
できる人はなぜ、本屋で待ち合わせをするのか? この「ひと工夫」が一流の人生を作る。
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翔泳社


 いろいろなことに「ひと工夫」を加えればうまくいくようになるという、「できる人はなぜ、本屋で待ち合わせをするのか この「ひと工夫」が一流の人生を作る。」(臼井由紀:翔泳社)。

 タイトルからは、「本屋」の効用を説いているように思えそうだ。確かに、待ち合わせのときに、本屋に行くという工夫を加えれば、やる気が高まるということも書かれている。本屋というのは、古今東西のあらゆる知識の宝庫である。私も学生時代に、本屋で専門書の棚を眺めていると、不思議に勉強の意欲が湧いて来たものだ。しかし、本書はそれだけに終わるものではない。実は副題にある「ひと工夫」というところの方が大切なのである。

 『「目のつけどころ」をちょっとだけひねる』ことにより、ひと工夫をすれば、色々な事が、前よりうまくいくようになるというのが本書のキモとなるところだ。本書には、様々な「ひと工夫」の方法が満載だが、中でも、「机はなるべく小さくして、収納を限定することで、探し物によるロスを少なくする」とか、「To Do Listより、やらないことリストをつくる」といったようなものはまさに逆転の発想。「人の行く裏に道あり、花の山」といったところか。

 すぐにまねできそうなものも多いので、取り入れられるものは取り入れたらよいだろう。発明やデザインなどと違って、仕事のやり方というのは、真似をしてもどこからも文句は出ないだろうから。しかし、ただ真似をするだけなら、単なる前例踏襲である。大切なのは、自分の頭で考えると言うことだ。仕事も、料理と同じで、ひと手間を惜しんではいけない。

☆☆☆

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書評:ペコセトラプラス

2014-10-28 19:58:37 | 書評:その他
ペコセトラプラス
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幻冬舎



 渡辺ペコによる、いくつものオンナの物語を短編漫画で描く、「ペコセトラプラス」(幻冬舎)。作者は、北海道出身の女性漫画家で、少女や若い女性向けの雑誌に書いていたようだ。漫画も決して嫌いではない私だが、さすがに女性向けの漫画雑誌までは守備範囲に入っていない。だから、これが、初めて読むペコ作品となるが、その絵柄や作品の醸し出す雰囲気には独特の魅力がある。今回読んでみて、いっぺんで、その魅力の虜になってしまった。

 オンナの物語には、オトコが必要だ。オンナの物語は、オトコとの相互作用の中で初めて語ることができる。だからどの作品にもオトコは欠かせない。しかし、やはり中心となるのはオンナ。作品によっては、一見オトコが主役になっているものもあるが、その目を通して語られるのはやはりオンナの物語。

 特に面白かったのは、「N浜温泉紀行」という作品。仕事や人間関係に疲れた主人公の女性は、心を癒しに、有休を使って温泉旅行へ行く。行きの列車内で知り合った男に、「よかったら晩ごはん一緒にどうですか」と言われて、なにかを期待した主人公、急に色々なことが気にかかってくる。なにしろ、下着はおばさん御用達の冷え対策用パンツに猫背矯正ハイパワーバッテンブラ。ムダ毛もナチュラル、無為自然。備えあれば憂いなし(何の備えだ!?)と慌てて下着、剃刀を買いに走り、ついでに高級スキンまで。このばたばたぶりがなんとも笑える。

 「透明少女」、「たまゆら透明少女」は、ゴスロリの鎧に身を包む少女・朝子の物語。唇ピアス付きで、ビジュアル的にはかなり強烈。電車に乗ると、前に座った子供が泣き出すほどだ。しかし、そんな朝子にハットリ君というボーイフレンドができる。秋田出身の彼は、電車の中で朝子を見て、子供の頃家に来た「なまはげ」を思い出したらしいが、なんとそれが恋のきっかけなのだ。「なまはげ」を図書館で調べた朝子の感想も、「豪快で なかなかいいなと思った」というから、オトコとオンナの仲というのは分からないものだ。でも、このゴスロリ少女、なかなか可愛いところがあるので、ハットリ君、きっと当たりくじを引いたに違いない。

 そして、「ひとはだ」は、わずか6ページでオンナの一生を描いた作品。最後のページが、驚くようなオチになっており、なかなかシュールだ。この他にも様々なオンナたちの物語が繰り広げられるのだが、どれを取っても、コミカルな中にしょっぱさがある。このような物語が描けるのも作者が女性漫画家だからなのだろうか。表紙イラストもなかなかいい感じなのだが、そこかしこに生えているキノコがなんだか意味深で、気になってしまう。

☆☆☆☆

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書評:奈良の仏像

2014-10-26 08:41:47 | 書評:学術・教養(人文・社会他)
奈良の仏像 (アスキー新書)
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アスキー・メディアワークス



 奈良の代表的な仏像について紹介した、「奈良の仏像」(紺野敏文:アスキー新書)。

 百済から仏教が、奈良の飛鳥の地に伝来したのは、552年(538年とも)欽明帝の時代である。それ以来、我が国では、仏教美術が大きく発展し、多くの仏像が作られてきた。本書は、そんな仏教文化の原点とも言える奈良に伝わる20組の仏像について紹介したものである。「組」というのは、三尊像や堂内の諸仏というものも紹介されているからだ。仏像の特徴、見所、その仏像が表すのは、どのような仏さまなのかといったようなことが、簡潔に分かりやすく説明されており、旅行などで実際に目にする際の参考になるだろう。

 意外だったのは、法隆寺に隣する中宮寺の菩薩像。あの半跏思惟の美しいお姿から、てっきり弥勒菩薩だと思っていたら、寺ではなぜか如意輪観音と伝えられているという。しかし、この像が作られた時代は、日本では如意輪観音は知られておらず、やはり弥勒として作られた可能性が高いという。それでは、どうして、寺では如意輪観音と伝わっているのか、ちょっとしたミステリーである。

 残念なのは、仏像のお姿が、写真ではなくペン画だということだ。単に各仏さまについて紹介するような本ならこれでもよいだろうが、本書は、実際に寺に安置されている個々の仏像について解説したものなのである。ペン画では、実物とはどうしても感じが違ってくるので、写真を載せて欲しかった。

 もうひとつ。なぜ、秋篠寺の技芸天がはいっていないのだろう。興福寺の阿修羅像と並ぶ美しい仏像だとおもうのだが。

☆☆☆

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書評:もののけの正体―怪談はこうして生まれた

2014-10-24 20:32:31 | 書評:学術・教養(人文・社会他)
もののけの正体―怪談はこうして生まれた (新潮新書)
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新潮社


 江戸時代を中心として、さまざまなもののけたちを紹介して、彼らがどのように生まれてきたかを探ろうという、「もののけの正体―怪談はこうして生まれた」(原田実:新潮社新書)。

 本書では、まず第1章で、日本の代表的なもののけである」、鬼、天狗、河童を例にとり、その起源と変遷のようすが語られる。現在では、これらのもののけに対しては、共通認識のようなイメージがある。鬼は、頭に角が生えており、虎皮の褌を穿いて、手には金棒を持っている。天狗は山伏姿で鼻が異様に長い。河童は、頭に皿を載せ、背中には甲羅をしょっていると言った具合だ。しかし、初期のころの彼らの姿は全く異なっていたようだ。鬼は、なんだかよく分からないが、人を食うもので、天狗は、殆ど鳥のような姿をしていた。河童だって、全身毛むくじゃらの猿のような姿だったのである。これらが、次第に、現在認識されているような姿に、変化して行った訳だが、それとともに、恐ろしいだけの存在から、定型化が進むにつれて、愛される存在、人を助ける存在といった性質も付加されていったというのはなんとも興味深い。

 第2章は、累、小幡小平治、玉藻前といったような江戸時代の人気もののけについてだ。累は、三遊亭圓朝の「真景累ケ淵」に出てくるあの累だ。小幡小平治は、現在ではあまり知名度はないが、江戸時代は、累と共に、他のもののけを圧倒するくらいの人気があった。そして玉藻前とは九尾の狐のことである。これらの大スター?と並んで紹介されているもののけの中に、ちょっと気になる存在がいる。それが「豆腐小僧」だ。小僧がただ、豆腐を持って立っているだけのもののけであるが、その由来はよく分からないらしい。なんとも間の抜けたその姿は、意外と人気があったようで、今でいう「ゆるキャラ」の元祖と言えるような存在だろう。

 続く第3章では、江戸時代の妖怪図鑑ともいえる、「絵本百物語」に出てくる妖怪たちが紹介されている。この章にも、興味深いもののけたちが多く出てくるが、面白いのを一つだけ挙げておこう。「寝肥」というもののけである。起きているうちは美女だが、寝ると、体が座敷いっぱいに、でっぷりと広がってしまい、大いびきをかくという。当時は、男性社会の中で、怠惰な女性を戒めるような意味があったのだろうが、女性の強くなった現在では、また違った意味になってくるかもしれない。いや、この件に関しては、これ以上のコメントは避けよう(笑)。

 そして、第4章、第5章に出てくるのは、それぞれ琉球、蝦夷地のもののけである。この地にも、さまざまなもののけ伝説がある。沖縄のキジムナーとアイヌ民族に伝わるコロボックルの話は有名だろうが、この他にも、いろいろな種類がある。興味のある方は、これらを研究してみるのも面白いだろう。

 「もののけ」というと、今でいう「妖怪」のことを連想してしまうが、本書で扱う「もののけ」は、「幽霊」なども含まれ、少しレンジが広く設定されている。それぞれの「もののけ」が生まれて来たのには、なんらかの理由があったのだろう。それにしても、これだけ様々な「もののけ」を考え出した我々の先祖の想像力には感心してしまう。「もののけ」に興味がある方は、ぜひ読んでおきたい一冊である。

☆☆☆☆

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JR松江駅

2014-10-22 21:31:22 | 旅行:島根県


 写真は、先般仕事で訪れた松江市の玄関口、JR松江駅。もっとも、交通手段はJRではなく高速バスだったが。広島から山陰へは、JRの路線もいくつかあるが、どれも便利が悪く、バスを使うことになる。さすがに、この季節の山陰地方は、少し肌寒かった。



 たまたま、松江市内の観光名所を回るループバス、「ぐるっと松江レイクラインバス」が来ていた。写真の右側に見えるのがそれだ。「レイク」とは日本語に直すと「湖」だが、これは「宍道湖」のこと。晴れた日は、宍道湖に沈む夕日はとても綺麗だ。機会があれば、ぜひ観ることをお勧めしたい。

 
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新下関駅のふくちょうちん

2014-10-21 18:52:50 | 旅行:山口県


 仕事のため、新下関駅で新幹線を降りたが、改札内に、上の写真のような展示がされていた。「ふくちょうちんまつり」のデモのためらしい。山口県では、縁起を担いで、「ふぐ」を「ふく」と呼ぶというようによく言われている。しかし、私も山口県人なのだが、「ふぐ」を「ふく」と呼んだような覚えはない。たぶん、ふぐが水揚げされるようなところで、よく使われている言葉なのだろう。

 「ふくちょうちんまつり」という言葉も初めて聞いたので、調べてみると、昨年から始まった祭りで、今年が第2回に当たるとのこと。市内各所に、ふくちょうちんが配置されるようだ。2014/09/29~2014/11/03の間、行われているらしい。

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書評:地震と噴火の日本史

2014-10-14 21:45:22 | 書評:学術教養(科学・工学)
地震と噴火の日本史 (岩波新書 新赤版 (798))
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岩波書店


 ついこの間、御嶽山の噴火が大惨事を引き起こしたが、我が国には、いたるところに火山が存在する。少し前に、富士山が世界遺産となったが、あれが活火山だということをご存じだろうか。昔学校では、富士山は休火山だと習った。しかし、現在では、休火山とか死火山とかいう区分はなくなっており、活火山かどうかという分類があるだけだ。富士山についても、竹取物語が書かれた時代には、その記述から噴煙を上げていたことが分かるし、近くでは、1707年に、宝永大噴火を起こしている。富士だけではない。御嶽山、浅間山、有珠山など日本は火山噴火の歴史には事欠かない。

 そしてもうひとつ地震。阪神大震災や東日本大震災を例にとるまでもなく、日本は地震の多い国だ。日本書紀にも地震の記録が載っている。416年(允恭天皇5)のことだ、当時は地震のことを「なゐふる」と呼んだらしい。ただしどの程度の規模だったのかは分からず、最初の巨大地震の記録は684(天武天皇13)だという。

 これらの歴史に残る地震と噴火の記録をトピック的に紹介したのが、本書「地震と噴火の日本史」(伊藤和明:岩波新書)である。

 我が国に地震や噴火の多い理由は明らかである。ユーラシアプレートや北米プレートの境界付近に位置しているため、太平洋プレートやフィリピン海プレートがその下に潜りこむ際に、地殻にひずみが貯まっていき、それが地震や噴火を引き起こしているのだ。

 地震や噴火が恐ろしいのは、それ自体の破壊力もさることながら、これによって発生する津波や土石流、火砕流といった続いて起こる現象も甚大な被害をもたらすからである。本書には、そのような事例が多く収められている。

 しかし、いたずらに地震や津波を恐れていてもしかたがない。この日本で、私たちは生きていかなければならないのだから。大切なのは過去に学ぶことだ。そして、まさかの時に被害を少しでも減らすために備えることだ。しかい、時代とともに災害の記憶は風化していき、忘れ去られてしまう。津波よけのために作られた堤防の海側にも住宅が広がっているような例もあるというから、過去に学ぶと言うのは、人間にとってはなかなか難しいことなのだろうか。

 著者は理学系の人だからか、本書では、具体的にどのような方策をとったらよいかということには、殆ど触れられていない。これも理解できないことはない。過去に学び、それをどう生かすかは、政治と工学の問題ということなのだろうから。

☆☆☆☆

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書評:すぐれた判断は「統計データ分析」から生まれる

2014-10-13 09:44:31 | 書評:ビジネス
すぐれた判断は「統計データ分析」から生まれる
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実務教育出版


 統計データ分析について、ビジネスへの応用という観点から、手ほどきしてくれる、「すぐれた判断は「統計データ分析」から生まれる」(中西達夫:実務教育出版)。

 最近、ビッグデータとかデータサイエンティストという言葉をよく聞くが、統計データを意思決定に役立てるということは昔から行われていた。しかし、データを分析して、上手く活用しているようなところは、意外に少ないのではないだろうか。

 データを並べたりグラフにしたりするだけなら誰でもできるだろう。しかし大切なのは、そのデータから、どのような意味を読みとるかということだ。気をつけないといけないのは、同じデータを見ても、色々な解釈が可能だということである。データとは、まだ磨かれていないダイヤの原石と同じだ。そこから、本当に役に立つデータを切りだしてくることは、意外に難しい。いったい、どのようにして、データの山から有用な情報を切りだしていけば良いのだろうか。

 本書の特徴は、竹鶴くんという、統計のことには弱い若いビジネスマンが、データ分析のエキスパートである白須さんから、いろいろとツッコミをされながらも、次第にデータ分析についての技術を習得していくというストーリーを中心にして、各エピソードに関連する統計知識を解説するという構成になっているということだ。だから、実際のビジネスに置いて、どのような場面で、どのようなことをすれば良いのかが、とても分かりやすい作りになっている。本書を熟読すれば、誰でもデータ分析に習熟できそうな気がする。

 どの章にも、統計データの活用について、役に立つ事が多く記述されているが、特に読んでほしいところは、<PART5 「偶然かどうか」を判断するには><PART6 「一見差のないデータ」、さてどう読む>というところだ。統計データには、「偶然」というものが入りこむ。だから確率的に、そのデータは意味があるのかどうかということを評価しなくてはならない。しかし、案外とこういったことは行われてはおらず、単に生データだけを比べて、早急な判断を行っていることが多いのではないだろうか。

 また、統計には、かなりの恣意性が入った見せ方がされていることも多い。本書は最初に19世紀のイギリス首相であるベンジャミン・、ディズレーリが言ったという<世の中には3種類のウソがある。ウソ、大ウソ、そして統計だ>という言葉が紹介されているが、統計データを見る場合には、ヘンなフィルターがかかっていないかどうかということも、考えながら見ていく必要があるのだ。本書には、そのために必要な知識は一通り揃っている。本書の内容をマスターすれば、統計を道具として使いこなせるようになるだけでなく、統計のウソに騙されることもなくなるだろう。

☆☆☆☆☆

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書評:ベスト珍書 - このヘンな本がすごい!

2014-10-12 08:44:56 | 書評:その他
ベスト珍書 - このヘンな本がすごい! (中公新書ラクレ)
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中央公論新社


 我が国で発行された、よりすぐりの奇書、珍書を紹介したという、「ベスト珍書 - このヘンな本がすごい!」(ハマザキカク:中公新書ラクレ)。私も、「ヘンな本」は決して嫌いではないので、副題の「ヘンな本」という言葉に魅かれてつい買ってしまったのだが、残念ながら思っていた物とは少し違っていた。

 確かに、紹介されているのは、奇天烈な本ばかり。例えば、ゲロの写真集、動物のうんこを集めた図鑑、心霊特集でよく出てくる「オーブ」だけを集めた写真集、円周率πを100万ケタ載せた本、性病に罹った男女の性器を無修正で掲載している本、妹と風呂に入る方法を記した本など。

 著者はこの本を書くために、2000年まで遡って、日本で出版された約100万冊の本をすべてチェックしたという。そうして、1万冊ほどの第一候補を選び、数千冊の本を実際に手に取り、その中で、これはと思ったものをじっくりと選んだ結果が、本書で紹介されている100冊だということらしい。読みも読んだりといった観があるが、その執念は、脱帽に値するだろう。

 しかし、残念なことに、「ヘンな本」好きの私でも、読んでみたいという本がほとんどない。 「ヘンな本」には、どこか愛嬌がなくてはならないというのが私の持論だ。その本の作者は意図していなかったかもしれないが、読み手から見れば、にやりとしながら突っ込んでしまうようなところがある。これが「ヘンな本」の魅力なのだ。もちろん、本である以上、内容もそれなりに楽しくなくてはならない。

 正統派の「ヘンな本」は、あまりにマニアックな内容だったり、単なるエロ、グロ本や、奇をてらっただけの本とは、一線を画す存在なのだ。これがなくては、いくら奇書、珍書でも、単なるアホ本でしかない。 ゲロを写した写真集を眺めていて、どこが楽しいのか。妹と風呂に入りたいなんて、せいぜい2次元世界での妄想だろう。

 最後に残ったのは、「こんな変わった本を書いたり読んだりと、世の中には、いろいろな人もいるもんだ」という感想だけだ。

☆☆☆

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夕暮れの倉敷美観地区

2014-10-11 10:55:17 | 旅行:岡山県
 先般仕事で訪れた倉敷市。夕暮れ時に、美観地区を散歩してみたときの写真だ。







 カメラのレンズは感度が良いので、意外に明るく写っているが、肉眼ではもっと暗く見える。夕暮れに、倉敷川が溶け込んでいき、あちらこちらに灯りがともる。なかなか幻想的な風景だ。さすがに、この時間になると、環境客もほとんどおらず、観光施設や店も閉まっているが、本当の倉敷美観地区の良さというのは、案外とこのような風景にあるのかもしれない。




 そして、こちらが、倉敷館観光案内所。「公益社団法人倉敷観光コンベンションビューロー」の運営する施設の一つで、中に入ると各種のパンフレットが置いてあり、飲み物の自販機も設置されている。この時間は、レトロな外観の建物の窓から、灯りが漏れて、なかなか風情がある。こちらも、この時間ならではの風景だ。
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