文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

桐谷さん ちょっそれ食うんすか!? 16

2023-10-31 09:44:52 | 書評:その他

 

 桐谷さん、今日も元気に雑食に励んでいる。お澄まししていれば清楚な美少女なのだが、雑食にかける情熱はすごい。彼女の雑食道に火がつくと、もうなりふり構わずなのだが、元が美少女なので、彼女に憧れている人も多い。

 ちなみに、ここで雑食と呼んでいるのは、肉食、草食、雑食という区分とは違う。一言で言えば、ゲテモノ食いのことである。ちょっとこれは引くだろうというようなものでも、嬉々として食べる。これ絶対にまずいだろうというようなものでもとにかく食べてみなくては気が済まない。

 今回の食材?は、ジャンボウサギ、エイの一種のメガネカスベ、ラクダのこぶ、蚕の繭、毒キノコのシャグマアミガサダケ、ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)。若干説明を加えると、ジャンボウサギは秋田県で品種改良された普通のウサギの10倍はある食用ウサギである。カスベとは北海道でのエイの呼び方で、「煮ても焼いても食べられないカス魚」から来ているらしい。ちなみに、エイを発酵させたものが韓国の伝統料理のホンオフェになるという。その臭さたるやあのシュールストレミングに次ぐというからおして知るべきだろう。

 この巻では特筆すべきことが2つある。まずこの作品は同じ学年をループしていたのだが、今回めでたく桐谷さんたちは進級して2年生になった。もう1つは雑食同好会の発足である。学校に認められるためには、5人の会員が必要なのだが、いつもの雑食メンバーは4人しかいない。でも新入生で昆虫食のエキスパートである楢崎君の妹の涼ちゃんが5人目となったので、無事に人数要件をクリア。さて今後どんなとんでもない食材が出てくるか楽しみである。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

吸血鬼の原罪 天久鷹央の事件カルテ

2023-10-29 18:06:59 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 知念実希人さんによる天久鷹央シリーズの最新巻。東久留米天医会総合病院の副院長兼統括診断部部長という肩書の女医・天久鷹央が統括診断部の医師小鳥遊優と研修医の鴻ノ池舞の3人で一見不思議な事件に挑むという医療ミステリーである。ちなみに小鳥遊は空手、舞は合気道をやっており、かなり強い。仲でも舞の合気道は達人級で、小鳥遊はいつも関節技でやられているというイメージである。鷹央は天才的な診断技術を持っているが、戦闘力はさっぱりであり、他人とのコミュニケーションは苦手である。

 今回の事件は、吸血鬼による殺人。被害者は、ほぼすべての血液が抜き取られており、首筋には2つの痕跡。まるで、吸血鬼に血を吸われたように。このシリーズ、大体は珍しい病気だったというオチであり、今回の吸血鬼についても一応こういう病気だと診断がついているが、あれまだ全部の伏線を回収してないんじゃないと思ったら、もう一つ奥があった。それも鷹央が見事に解決している。

 もうひとつ、本書のテーマは外国人技能実習生制度に関する闇といったものか。本来、日本に技能を学びに来ているはずが、単なる安価な労働力とみなして違法にこき使っているのだ。こういうのは、加害者に対しては罰則を強化し、被害者には救済制度を充実させることが解決に結びつくのではないだろうか。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秘められた真序小倉百人一首 1000年の歴史ミステリー これこそ真の小倉百人一首か?

2023-10-27 10:29:24 | 書評:学術教養(科学・工学)

 

 タイトルにある真序とは真の順序という意味である。百人一首を正しい順番順に並べれば、全体で壮大な100行詩を形作っている。前半の60首と後半の40首では主題が変わっており、前者は遠島にある天皇を思い、後者は式子内親王に対する追慕を表しているというのが著者の主張である。

 そうなのかと思って改めて各歌を読んでみると、正直良く分からないと言ったところだ。確かに並べられた歌を読むと同じような題材や言葉を扱ったものが多い。しかし百人一首の時代は歌は重要な教養であった。本歌取りといったような技法もあり、古今の歌に通じていることは、やんごとない人達にとっては大前提である。だから、同じような題材や言葉が出てきてもそれほど不思議ではないだろう。

 著者の略歴を見ると、学科こそ違うが、同じ大学・大学院の学部、研究科の大先輩である。確かにむやみやたらと覚えるよりは、何らかの法則性を見出して覚えた方が覚えやすいのは確かだ。だから著者の方法はいかにも理系人らしいと思った。実は私も高校時代は百人一首を全部覚えていたはずだが、今読み返してみると、こんな歌あったかなあと思うものもけっこうある。もし、当時このような方法を知っていたら、今でもすべてを覚えていたのだろうか。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

放課後ていぼう日誌 11

2023-10-25 09:27:50 | 書評:その他

 

 以前テレビのBS深夜アニメで放映されていたこの作品もこれが11巻目。熊元県]立海野高校「ていぼう部」の面々の活動を描いたものだ。「ていぼう部」というとなんだか良く分からない部活だが、どうも釣りを中心に活動しているようだ。「ていぼう」部だからと別にていぼうに拘っている訳ではない。ていぼう以外のところでも釣りをしている。ちなみに部のモットーは「釣ったら食べる」というもので、魚を料理している場面も結構ある。

 この11巻で描かれているのはエリアトラウトでの釣り、いつもお世話になっているていぼう部顧問の小谷さやか先生を、釣った魚でおもてなしする話、そして黒岩部長の家庭事情。ちなみにエリアトラウトとは、養殖したニジマスなどのサケ科の魚を放流した管理釣り堀のことだ。釣り初心者のていぼう部員鶴木陽渚(つるきひな)の判断基準は、釣った魚が食べられるかどうかのようだ。エリアトラウトのことをよく知らなかった陽渚だが、釣った魚を料理でき美味しいと聞いたとたん「ぜひ行きましょう!」と目の色変えるのはどうなんだろう。

 ところで、ていぼう部は学校創立以来の伝統ある部らしい。昔は男子部員もいたようだが、現在は女子ばかり4人。内訳は3年1人、2年1人、1年2人である。来年なんとしても新入部員を入れないと、部の存続の危機だと思うのだがどうなるんだろう。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

虫への愛が止まらない

2023-10-23 12:30:37 | 書評:学術教養(科学・工学)

 

 いわゆる「虫」というのは、狭義と広義の意味がある。狭義の意味とは「昆虫」であるが広義の意味とは昆虫を含む小さな生き物全般である(ただし、明らかに爬虫類や両生類などに分類されるものは除く)本書では広義の意味で「虫」という言葉を使っている。だから、クモやサソリ、ムカデやゲジゲジやナメクジ、デンデンムシと言ったようなものも含まれている。

 私もかなりの虫好きであり、子供の頃は昆虫博士になりたいと思っていたのだが、著者とは大分方向性が違うようだ。なにしろ、毒グモやサソリ,ハチなどの毒を持つものは、どんな具合か試そうと、自分からかまれたり刺されたりしているのである。さすがにそんな真似はできない。帯の写真にあるようにサソリを顔に這わせたりなんかは絶対に無理である。
 
 男の子にはクワガタ好きな子が多い。もちろんカブトムシ派もいるが、多くの子はクワガタの方がかっこよくて強いと思っているのではないだろうか(体格的なものを考えると日本で普通に見られるやつなら絶対にカブトムシの方が強い。)。それでは世界最強のクワガタは何かというのを著者は調べるのだが、その方法がぶっ飛んでいる。何しろ自分の指を挟ませてみて、その感触で決めるのだから。ちなみに、本書では、最強のクワガタは、アフリカのタランドゥスオオツヤクワガタだそうだ。

 もちろん食べ比べたりもしている。多くの虫は頭に「虫にしてはうまい」という言葉が付くが、シロスジカミキリの幼虫とソフトシェルセミは本当にうまいらしい。後者は、羽化直後の真っ白なセミのことだ。

 このように、とてもマネをしようという気にはならないのだが、怖いもの見たさで次は何をやってくれるんだろうという期待を持って本書を読むことができた。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「05 コンパクトシティへの課題」 地方都市の駅前はなんで賑わわない?

2023-10-21 12:24:06 | 書評:その他

 

 本書の内容は、みのり市に住んでいる地域活性研究部の5人の女子高生が、地域活性化についていろいろと話し合うというものである。

 本書での主張は「中心市街地活性化」と「コンパクトシティ」はよくごっちゃにされるが、まったくの別物だということだ。

 コンパクトシティの重要な要件のひとつとして、「公共交通機関」があげられる。これは定義のひとつに「徒歩移動のしやすさ」というものがあるかららしい。しかし、地方ではどこもマイカーありきで郊外の山林を切り開いて住宅地を作っている。だから、公共交通機関は貧弱になるし、料金も高くなる。それに加えて人口減である。地方には、この条件があてはまるところは少ないのである。

 一方、中心市街地では、比較的公共交通機関が充実している。しかし、マイカーの駐車場がないので、商店街はシャッター通りとなって寂れている。住民は便利の良い駐車場付きの郊外店で買い物をしているのだ。

 この巻末に番外編として、数年後の登場人物の様子が描かれている。3人までの動向は分かるので、出てくるのは残りの二人だろうが、パッと見ても誰かよく分からない。セリフに「髪を伸ばして」とかアホ毛があったりするところで大体検討がつくが、女子は高校を卒業すると急にキレイになる子がいるということか。

 この中に、都会から帰省してきた子が、「故郷ってのはさーいつまでも変わらず昔のままであってほしいものなのよ」という発言に、地元にずっといる子が「・・・じゃあ私らはあんたらのノスタルジーのためだけにさ・・・不便に慎ましくずーっと田舎っぽさ醸して暮らしてろってワケ?」と反論している。これはなかなか難しい問題だろう。一つ言えるのは、誰かの意見に乗るのではなく、自分の頭で考えるということだろう。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

麻雀放浪記 風雲篇1-2

2023-10-19 12:27:50 | 書評:その他

 

 

 本書は雀聖と呼ばれた阿佐田哲也さん、本名色川武大(いろかわたけひろ)さんによる麻雀小説をコミカライズしたものである。この麻雀放浪記はいくつかの篇にわかれているが、これはその風雲篇。舞台は敗戦後まもないころの日本。

 昔の大学生は殆ど麻雀をしていた(やらない人もいたが)。今のように家でやるようなゲームもなかったし、インターネットもほとんど普及してない時代だ。暇なときにやることと言えば麻雀位だった。大学の周りには結構雀荘があったが、全自動卓はまだないような時代だったので、もっぱら手摘みの時代だった。

 この麻雀放浪記は、「坊や哲」を主人公に、賭博としての麻雀を描いたものだ。風雲篇では、いきなり主人公が重度のヒロポン中毒患者として登場する。ヒロポンつまり覚醒剤だが、昔はどうも薬局に普通に売っていたらしい。これに禅坊主のクソ丸、その連れのドテ子といった関西人と知り合う。

 一つ疑問なのは、代打ち麻雀で幻覚を見るくらいの重度の覚せい剤中毒だった主人公が、その後はやめているようなところだ。ヒロポンって、そんなに簡単に辞められるのか。その前に人間を辞めていると思うのだが。
☆☆☆☆
 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋田大学通信教育「海洋資源開発」の報告課題が帰ってきた

2023-10-17 18:46:53 | 秋田大学通信教育

 秋田大学通信教育「資源開発コース」のうち「海洋資源開発」の報告課題が帰ってきた。評価は100A。学習単位認定試験用の解答用紙が同封されていたが、これを提出しないと学習単位が確定しない。なぜか返信用切手をいれる袋が他の分を合わせて合計4袋帰ってきたのも不思議だ。こちらは実害はないが、返送のとき、袋がないと慌てなければいいのだが。まだ「資源開発コース」では1単位も確定していないので、今年中には、なんとかいくつかの単位を確定させたいと思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

賢者の弟子を名乗る賢者 1

2023-10-17 18:44:54 | 書評:その他

 

 以前深夜アニメでも放映されていた本作。舞台はアルカイト王国という異世界の国。主人公は咲森鑑という青年。謎のVR専用ゲームのアーク・アースオンラインにすっかりハマってしまう。このゲームで鑑はダンブルフという威厳ある老召喚術師として活躍していた。アルカイト王国はダンブルアの親友ソロモンが建国した国で、そのアルカイト王国は、九賢者と呼ばれる九人の術師により、他国から一目おかれていた。術師と言ってもみんな専門が違う。ダンブルグの場合は召喚術というわけだ。しかしその九賢者も、今いるのは、魔術が専門でダンブルアの親友であるルミナリアとダンブルアの二人である。他の七人もこの世界のどこかにはいるらしいのだが、居所が分からない。ダンブルアは他の七人を探すようにソロモンから依頼される。

 このゲームにも、オンラインゲームで同じみの課金アイテムというものが存在する。定番は「化粧箱」という500円のアイテムだ。ちなみに500円のアイテムは他にないようだ。これはアバターの容姿を再設定できるというもの。ところがシステム上の制約のためか、課金は1000円単位でしかできない。おそらく鑑は、ダンブルフ設定の時に「化粧箱」を使ったのだろう。だから500円課金分が残っているが、このままでは失効になってしまうというメールが来た。それなら500円の化粧箱を購入し、ダンブルフが理想の男性像だったので今度は理想の女性像をつくろうと色々アバターをいじり回しているうちに寝落ちしてしまった。しかしなぜか1晩のはずがゲーム世界では30年の時が過ぎていた。30年前に一旦九賢者がゲーム世界から消えて、ルミナリアが戻ってきたのも20年前だという。

 おもしろいのは老人男性からロリ少女に変わった主人公が体の構造の違いに戸惑ってるところ。特にトイレや下着。実はルミナリアも美女キャラなのだが、中身はおっさん。このゲーム世界で女性化した際に色々弄って調べたらしい。ミラも時間の問題か。それにしてもミラちゃん、見た目はロリ幼女なのに、しゃべり方が爺くさいのはなんともおかしい。しかし、理想の男性像が老人で、理想の女性像がロリコンといってもいいくらいの少女というのは、かなり複雑な性癖だ(笑)。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マンガ家が解く古代史ミステリー 邪馬台国は隠された(改)

2023-10-15 11:18:09 | 書評:学術・教養(人文・社会他)

 

 本書は、「緋が走る」などで知られるマンガ家あおきてつおさんによる邪馬台国談義。ほとんどは文章で書かれているが、ところどころマンガ家らしくマンガが差し込まれており、読みやすさを増している。そのマンガはあおきさんが古代史研究部(こだけん)の3人の女子学生(たぶんJK)をところどころ登場させて、自分が解説しているという感じになっており、読者を飽きさせないように工夫されている。

 邪馬台国の位置については、百家争鳴の感があり、私の知っているものの中で一番すごいのはエジプト説だらろうか。それというのも魏志倭人伝の記述が曖昧であり、色々な解釈ができるからだ。一番有名なのは、京都帝国大の内藤湖南の畿内説と、東京帝国大学の白鳥庫吉の九州説だろうが、このほかにも色々な説がある。

 本書では、魏志倭人伝の記述の「45度修正説」と、結論として邪馬台国は、宇佐・中津を中心とするところにあったことが述べられている。もちろんこれらの根拠も本文中に示されており、興味があれば本書を読んで確かめていただきたい。

 宇佐・中津が邪馬台国の中心ということは、つまりはあおきさんも九州説をとっているというわけだが、邪馬台国が東遷して大和朝廷となったという説には否定的である。邪馬台国と大和朝廷は別の勢力だったとしている。そっして記紀から邪馬台国が消されている理由を推理しているのだ。

 もちろん、今となっては、当時どうであったかという明確な証拠を見つけることは困難だろう。しかし、日本の古代は謎だらけであり、僅かな手掛かりを元に推理することはものすごくロマンのあることだと思う。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする